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新装版 鬼面の研究 [栗本薫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

九州の秘境にある集落を、大手テレビ局のドキュメンタリー番組で取材することになった森カオル。
なぜか伊集院大介は同行を申し出る。鬼の子孫を自称し伝説と因習に生きる住民と、
やらせ体質の強いテレビスタッフが対立するうち次々と犠牲者が。
不可解な連続殺人の謎に伊集院大介が挑む、探偵小説の傑作!

昨年の新本格30周年を記念しての、自分の中での新装版刊行第2弾。
栗本薫さんの作品も初で名探偵伊集院大介シリーズももちろん初。
作品名に惹かれて、そして新たな開拓という意味も込めて購入。

伊集院大介の一貫して飄々とした姿が一番印象的でしたね。
かつて本格と言われた要素をこれまでかと詰め込んだ上に、
「読者への挑戦」まで挟み込む、てんこ盛り状態です。

ただ私が考えるに、この真相は本格=作り物、という批判を
逆手に取ったミステリなのかなとも思いました。
テレビクルーが登場人物なのも、そのためなのでしょう。


新装版 鬼面の研究 (講談社文庫)

新装版 鬼面の研究 (講談社文庫)

  • 作者: 栗本 薫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 文庫



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シャーロック・ホームズの栄冠 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

シャーロック・ホームズ――作家アーサー・コナン・ドイルが生み出した紙上の登場人物にして、世界中の人々を惹きつけてやまない名探偵の代名詞である。彼の活躍はドイル自身の手も離れて、初登場から130年も経った今なお、数多くの新たな冒険譚が語り続けられている。著名な推理作家による本邦初訳の一品から異色作家による珍品まで、星の数ほどある“知られざる"冒険譚のなかから選び抜いた類稀なるホームズ・アンソロジー。

ホームズアンソロジーは星の数ほどあれど、それが文庫化するというのは極めて稀です。
本書も2007年発売から10年の時を経て、文庫化されました。
しかし、それだけ内容は非常に充実しています。
特に本当に失われた物語のようなものまで採録されていて、
シャーロキアンならずとも、ミステリ好きにはとても充実した時間をプレゼントしてくれます。

やはり一番のオススメは「一等車の秘密」。
謎から解決までが極めて鮮やかかつまさにホームズそのもの。
変わり種として「シャーロック・ホームズなんか怖くない」
ホームズという名前の偉大さと、警察の対応を逆手に取った見事な作品。

海外では多くパスティーシュやパロディが編まれるホームズ作品。
日本でもぜひ次々と刊行されてほしいものです。


シャーロック・ホームズの栄冠 (創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの栄冠 (創元推理文庫)

  • 作者: ロナルド・A・ノックス
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: 文庫



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ジョジョリオン 17-ジョジョの奇妙な冒険Part8 [コミック]

Amazonさんの紹介ページから。

ドロミテのスタンド攻撃をかいくぐり、ようやく植物鑑定人・豆銃礼と落ち合うことができた定助と康穂。だが、その時すでに、新たな岩人間が3人の間近に迫っていた! 姿を見せずに襲ってくる謎多き敵の正体とは…!?

岩人間アーバン・ゲリラのスタンド「ブレイン・ストーム」はトンデモない能力ですね。
植物鑑定人と定助のコンビでようやく勝てたという印象。
それにしても普段は医者として生活しているとは、いったいどういう状況なのか。

あと定助のシャボン玉の中身が判明しましたね。糸とは・・・「ストーンフリー」と
何か関係あるのか。今後の鍵になりそうです。

しかし、また新たな敵が登場しましたね。まだ終章が見えない。


ジョジョリオン 17 (ジャンプコミックス)

ジョジョリオン 17 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/19
  • メディア: コミック



ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/19
  • メディア: Kindle版



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新装版 頼子のために [法月綸太郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて刺殺、自らは死を選ぶ――という手記を残していた。しかし、手記を読んだ名探偵法月綸太郎が真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が。著者の転機となった記念碑的作品。長く心に残る傑作!

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

新年一発目は、昨年の新本格30周年で発売された、法月綸太郞先生の転機となる作品。
私自身、名探偵法月綸太郞シリーズは、実は「生首に聞いてみろ」から読み始め、
その後に3作の短編集、そして「生首」以後の作品を読んで来たため、
「誰彼」や「ふたたび赤い悪夢」等は未読なのです。
今回、新装版が発売されましたので、年末年始を利用して一気読みしました。

犯人の「手記」から物語は始められ、この「手記」が真実なのかどうか、
法月綸太郞が真実を探っていきます。
彼が最後に選んだ選択は正しかったのか、そしてラストに待ち受ける本作の本当の主人公
ともいうべき人との短い会話が印象的。

祥伝社から出ているのも、講談社で復刊をお願いします。


新装版 頼子のために (講談社文庫)

新装版 頼子のために (講談社文庫)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 文庫



新装版 頼子のために (講談社文庫)

新装版 頼子のために (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: Kindle版



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ぼくのこのミス2017 [ミステリ]

今年も大晦日になりました。
2017年に読んだ私なりの「このミス」を。

周木律「眼球堂の殺人~The Book~」
 館シリーズ、S&Mシリーズの系譜を継ぐ、堂シリーズ。
 完結まで目が離せません。

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: Kindle版



大倉崇裕「蜂に魅かれた容疑者」
 警視庁生き物係、久しぶりの文庫化。
 ドラマ化もされましたし、今後も活躍の期待大。

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: 文庫



蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: Kindle版



青柳碧人「ウサギの天使が呼んでいる」
 シリーズ化への期待大。
 ホームズ&ワトソンの正当を継ぎつつ、稼業に絡めたお話も良い。

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/21
  • メディア: 文庫



ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: Kindle版


皆様、良いお年をおむかえください。
今年もありがとうございました。


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哀しい殺し屋の歌 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

毎夜酒場で泥酔する「元・殺し屋」が目を覚ましたのは、捨てたはずの実の娘の屋敷だった。
戸惑いつつも再会を喜ぶ男だが、別れた妻は既に病で亡くなり、
娘はなんと夫を殺されて若き未亡人になっていた。
さらに、男の元へ謎の少年から殺人の依頼が舞い込んでくる。
一連の事件の裏にはかつての仲間の影が――!?

表題作ほか「パパは放火魔」を収録。
国民的大作家がおくる、ユーモア×ハードボイルド×ミステリー!

今年ももう終わりですが、駆け込みアップ。
実業之日本社から刊行され、角川文庫で発売された本書が
装いも新たに実業之日本社文庫から復刊です。

殺し屋というのが普通に出てくる所が実に赤川先生らしい作品。
かつて凄腕の殺し屋だった、という現在進行形で無いところも良いですね。

本編ではお手伝いのハナ子が個人的にMVP。
杉山が襲撃されても「まるで『ゴッドファーザー』だわ!」と驚くだけ(笑
肝が据わってるお手伝いです。

もう一編の「パパは放火魔」は女子中学生の冒険物語。
解説にもありますが、『家族カタログ』を思い出します。

来年も先生のご活躍を祈念します。


哀しい殺し屋の歌 (実業之日本社文庫)

哀しい殺し屋の歌 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/12/05
  • メディア: 文庫



哀しい殺し屋の歌 (角川文庫)

哀しい殺し屋の歌 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/07/13
  • メディア: Kindle版



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あるフィルムの背景ーミステリ短編傑作選 [結城昌治]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。
普通の人々が歪んだ事件を引き起こす恐ろしさと悲しみを巧みに描き、読者の予想を裏切る驚愕の結末を鮮やかに提示する。昭和の名手の妙技を堪能できる、文庫オリジナルの短篇傑作選。

結城昌治さん、超ひさしぶりです。
郷原部長刑事三部作以来。

いわゆるイヤミスが多い短編集になっています。
オススメはかなりホラー寄りの「うまい話」
なぜ訪ねてしまったのか首をかしげる「雪山讃歌」
今のオリンピックへの皮肉にもとれますが、実はどんでん返しがまっていた「絶対反対」

昔は誰の葬式でも同じ人が来ていたという話を聞いたことがありますが、
「葬式紳士」も似たような話。
しかし、その紳士にはある目的が・・・

ちくま文庫のこうした復刊ではありませんが、中々読むことのできない作家さんの
作品を集めて出して頂くのは本当にありがたい。
今後もぜひ続けてください。


あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

  • 作者: 結城 昌治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/11/09
  • メディア: 文庫



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このミステリがすごい!2018年版&2018本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

毎年恒例のシリーズ。
さらに「ミステリが読みたい!2018年版」も購入しています。

本格ミステリ・ベスト10では三世代座談会と称し、
法月綸太郎さん、三津田信三さん、青崎有吾さんの三者対談が掲載されています。
これは必読かも。

また大倉崇裕さんのインタビューも掲載されており、ドラマ化された「いきもの係」等の
お話も読めて満足。

「ミステリが読みたい」には今話題の「オリエント急行殺人事件」が小特集されていて、
それ目当てに購入したという動機もあります。
しかしまあ、映像化ではスーシェ版を超えるのは難しいでしょう。
あれこそ最高傑作では。

さてこの三紙でこのミスと本格は第1位は「屍人荘の殺人」ですが、
ミステリが読みたいでは「機能警察」が第1位で、なんと「屍人荘」はベスト10にも
入ってません。
中々興味深いランキングですね。購読者層が違うのか、そもそも「本格」や「ミステリ」
というものの捉え方が違うのかもしれませんね。
「屍人荘」は文庫化したら買おう。

倉知淳さんの近況報告(「本格ミステリ」)内でついに猫丸先輩の新作が来年
刊行予定とのこと!楽しみです。


このミステリーがすごい! 2018年版

このミステリーがすごい! 2018年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 単行本



2018本格ミステリ・ベスト10

2018本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本



ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 雑誌



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化石少女 [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、
恐ろしい場面を……。京都の名門高校に次々起こる凶悪事件。
古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、
奇天烈な推理の数々とは?

久しぶりの更新です。
本書も読んだのは2ヶ月くらい前ですね。
摩耶さんの作品ということで期待して読みました。

本書最大の特徴は古生物部の部長・神舞まりあが披露する推理が本当に正しいのか?
ということが全く証明されないままに物語が進行することでしょう。
というのも、まりあが信じ込んでいる「生徒会役員が犯人」という大前提があるため、
生徒会役員が犯人という前提の推理を構築しているためでしょう。

もしまりあの推理をワトソン役である桑原彰が証明しようとすると、
生徒会役員が犯人という大前提が崩れる可能性があるため、これはできないのでしょう。

最終話「赤と黒」では、生徒会役員が犯人ではないという大前提を崩すために、
彰がとある行動にですのですが、これは予測できませんでした。

ただ、不満な点もあります。
生徒会との確執は部の存続というものがあるものの、生徒会役員が犯人である
合理的理由はそもそも何なのか?というのがよくわからないのです。
各事件にて生徒会役員はそれぞれが動機を持つのでしょうが、そこが
うまく説明出来ていないのではないかと感じました。

ラストを読む限りでは続編はなさそうですが、さてどうなりますか。


化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: 文庫



化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: Kindle版



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その絆は対角線-日曜は憧れの国 [円居挽]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内気な性格に悩む中学生の千鶴は、自身を変えるための新しい挑戦として、“憧れの国"と呼ばれる四谷のカルチャーセンターに通い始める。そこで出会ったのは、性格も学校もばらばらだけれど、似たような悩みを抱える桃、真紀、公子。なぜかいつも講座でささやかな謎に遭遇する彼女たちは、時にぶつかり合い、時に支え合いながら、事件を通して内面を見つめ直していく……。芸術講座で聞いた、死の間際に骨董コレクターが取った不可解な行動。創作講座で絶賛された作者不明の原稿。不思議な謎を解き明かしていくたびに、少女たちは成長する。温かく優しい筆致で描いた青春ミステリ第2弾。

日常の謎を主体とした連作短編集ですが、Amazon説明文にあるように、
まさに青春ミステリ。
本作では暮志田千鶴・先崎桃・神原真紀・三方公子それぞれの関係性も垣間見え、
また前作よりさらにミステリ度が落ちているものの、中学生を主人公とした作品として
極めて良質なジュブナイル(+ミステリ)ではないでしょうか。

第1話から登場するエリカ・ハウスマン先生が、最終話で突然衝撃的な事実が明らかになる
のですが、これはあのニュース(ショーン・○)がモデルなのだろうか(笑

オススメは「胎土の時期を過ぎても」
二人ずつに分かれての推理合戦。実際に陶芸を体験した真紀と千鶴のコンビ、中々良いです。
特に千鶴の積極さが他話より群を抜いて出ています。
いずれの推理が正しいのか、それはわかりません。多重解決なのかもしれませんが、
本書はコンビに分かれた事で、また各人の見方も広がったところが良いですね。

進級後、進学後の彼女たちも見てみたいなあ。


その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (創元推理文庫)

その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (創元推理文庫)

  • 作者: 円居 挽
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/10/21
  • メディア: 文庫



その絆は対角線 日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

その絆は対角線 日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: Kindle版



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遺譜-浅見光彦最後の事件- [内田康夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

本人の知らぬ間に企画された浅見光彦34歳の誕生日会。初恋のひとである稲田佐和との再会に心躍る浅見は、美貌のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハからボディガードを頼まれる。
一度は断ったものの、陽一郎からの要請でアリシアのコンサートが行われる丹波篠山に赴くことに。
彼の地で彼女の祖母の遺譜を捜索するが、手がかりである「インヴェ」に繋がる男が殺され
浅見に嫌疑がかかり!? 
国民的名探偵〈最後〉の事件

70年の時を経て甦る陰謀に、浅見家の人間として下す光彦の決断とは――
ドイツと日本、二つの国で次々に見つかる新事実、「遺譜」に記されていた内容とは?
第二次世界大戦当時から現代へと綿々と続く「盟約」を護り続ける者と、それを狙う者。
浅見光彦が迎える史上最大の危機!

ちょっと更新が滞ってました。

だいぶ前に読んだ本。ついに最終巻を迎えた浅見光彦シリーズ。
本作は殺人事件は起こります、光彦も推理を魅せます。
しかし、そこが本書の見せ場ではなく、70年前の歴史的事実と浅見家、さらには雪江の実家
との関わりがメインでもあり、一方で歴代ヒロインたちのお祭り的小説なのかもしれません。

ちなみにシリーズとしては「孤道」がありますが、こちらは未完のため、
個人的にはシリーズとしてカウントするのか疑問です。
内田康夫先生のご病気が良くなり、完結させて欲しいと思います。

結局浅見は誰と結婚するのかというのが、最後まで実のところ不明。
まあ確かに流れ上は稲田佐和さんなのでしょうが、うーん。
光彦の幼なじみで、唯一の「閉鎖された館」事件をともにした野沢光子でも
良かったような。さらに言えば、僕は本命は須美ちゃんだと思ってたのになあ。

物語は戦前の日本とドイツ、さらには浅見家などの過去を知る壮大なストーリーですが、
事件としてはイマイチです。「北の街物語」の方が面白い。

社会派的、歴史モノでいえば、「遺骨」や「箸墓幻想」、「箱庭」、「皇女の霊柩」
といった作品群が浮かんできますが、本作はどうしても最終作という意味合いが強く
出過ぎており、作品内容そのものの評価は難しいですね。

とはいえ、今後もう読めないのかと思うとやはり寂しい。
映像化も最近下火ですし、ちょっと哀しい気持ちもあります。
しかしシリーズをきちんと完結させて頂けたという意味で内田康夫先生には感謝。
先生本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。


遺譜 浅見光彦最後の事件 上 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 上 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/23
  • メディア: 文庫



遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/23
  • メディア: 文庫



遺譜 浅見光彦最後の事件 上 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 上 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



遺譜 浅見光彦最後の事件 下 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 下 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



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鍵の掛かった男 [有栖川有栖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

中之島のホテルで梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺と断定。だが同ホテルが定宿の作家・影浦浪子は疑問を持った。彼はスイートに5年住み周囲に愛され2億円預金があった。影浦は死の謎の解明を推理作家の有栖川有栖と友人の火村英生に依頼。が調査は難航。彼の人生は闇で鍵の掛かった状態だった。
梨田とは誰か? 他殺なら犯人は? 驚愕の悲劇的結末!

火村英生シリーズ文庫版最新作にして、最大の異色作。
まず探偵役である火村が物語の終盤までメインで登場しないという異例さ。
そしてこれまでワトソン役として火村をサポート(?)してきたアリスが
事実上、探偵役を務めています。

さらにこれまでのシリーズでは、殺人事件が起きる、あるいは疑わしいという所から
始まるのが特徴でしたが、本作は「自殺とは考えられない」という作家・影浦浪子の依頼から、
全てがスタートしています。

一方、梨田稔というか「鍵の掛かった男」の鍵が開いた瞬間から、
彼を殺した人物は果たして誰なのか?というさらなる難問が降りかかります。
アリスの聞き込みから、ホテル関係者、宿泊客の人柄、抱えている事等々、
それらを読者は知った上で、この謎に衝突するのです。
正直なところ、犯人は相当意外です。
ここもこれまでのシリーズと一線を画していると感じました。
読者にこの犯人を指摘するのはおそらく無理なので、
いわば「読者への挑戦状」は挟めないのではないかと思います。
(実際に影浦にそれらしい謎かけをしていますが、読んでいてわかった人、いたのかなあ。)

一方、影浦が奇しくも指摘するもう一人の「鍵の掛かった男」=火村英生。
解説では、火村の鍵が開くときこそ、本シリーズの終焉ではないかと述べられていますが、
有栖川先生が、本シリーズをどう終幕させるのかは、確かに気になるところ。

本作がこれまでと異色であることから、違和感を持つ方もいるかもしれません。
しかし、本作によりシリーズにさらなる幅ができたのではないかと私は感じました。


鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: 文庫



鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: Kindle版



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シュークリームパニック [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「兄ちゃん――金、欲しいないか?」人生大逆転を狙って、場外馬券売り場で見知らぬおっさんが持ち掛けてきた、1人あたり1億円ゲットの銀行強盗計画に参加することにした僕。しかし、その計画は綿密なようでどこかがおかしい。僕の人生は、どうなる!?――スリルと笑いが溢れ出す「現金強奪作戦!(但し現地集合)」。
高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシーンのロケ場所から、彼女の姿が消えた―!?感動的な結末に心がほっこりする中編「夏の終わりと僕らの影と」はじめ、本格ミステリの名手の技が光る。
25歳のOL、真紀の暮らすワンルームマンションに通ってくる、おなかの横に渦巻き模様のある猫――いつしか真紀は、猫を部屋に招き入れ、「うずまきちゃん」と名付けて部屋で遊ぶようになった。そんな日常の中、近隣で傷害事件が発生! 所轄署の若手刑事にして真紀の彼氏である満久は、なんと、うずまきちゃんに事件にかかわる秘密が隠されているという――本格ミステリーなのにかわいさ満点(?)の「通い猫ぐるぐる」。

意外とAmazonの紹介が長くて驚きました(笑
「通い猫ぐるぐる」にはアノ人が登場するかと期待したのですが、残念。

表題作は主人公の推理が冴え渡りますが、結末は・・・

本書オススメは「強運の男」
ホラーミステリとでも言えばいいのか、強運であるのが良いのか悪いのか。

「名探偵南郷九条の失策」は反則ぎりぎり(いや、反則?)のトリック。

最終話はさわやかな青春ミステリ。ラストにはもってこいの話です。


シュークリーム・パニック (講談社文庫)

シュークリーム・パニック (講談社文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫



シュークリーム・パニック (講談社文庫)

シュークリーム・パニック (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: Kindle版



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伽藍堂の殺人~Banach-Tarski Paradox~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる“瞬間移動”殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く“堂”シリーズ第四弾。

本シリーズは森博嗣氏の<真賀田四季>的な立場である善知鳥神と探偵役である十和田只人、
さらには宮司兄妹の物語なんだろうと思ってきました。

しかし、シリーズ最初から登場する数学界の天皇・藤衛<藤天皇>が本書では大きく
クローズアップされ、本シリーズの見方がかなり変わりました。
それは本書の結末を読めば否応なくわかります。

トリックそのものは、本シリーズを読んでいれば多少は予想できるものの、
相変わらずアクロバティックです。
もはやこのシリーズで島が廻ることなど、驚きもしません(笑

本書でのラストを読んで、次作がますます楽しみになりました。


伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫






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虹の歯ブラシー上木らいち発散 [早坂吝]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

『○○○○○○○○殺人事件』で鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!
上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口
――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、
本格ミステリは新たな扉を開く! さらにパワーアップした傑作短編集登場。

日本一エロい探偵とされる上木らいちの第2作にして、連作短編集。
オススメはやはりアリバイ崩しというど真ん中に、その暴き方がらいちらしい「紫」。
そして意外な犯人ならぬ意外な被害者というただ一点のみの「青」

「橙」から、上木らいちの過去の話が登場してきて、
「赤」では各話で太字になっていた箇所の意味と、ある種メタ的な作者による謎解き。
探偵の謎に迫っているようで、実はかなりふざけているようにも読めて、
この「赤」は賛否が分かれるところでしょう。
読んでいて、私はよくわかりませんでした。

しかし本シリーズはこの後も第4作目まで出ており、この上木らいちの正体に
改めて迫っているのかいないのか、そのあたりは読み所?な気がします。


虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

  • 作者: 早坂 吝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫



虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: Kindle版



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探偵ファミリーズ [天祢涼]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

カワイイあのコは、妹?姉?それとも…?
このシェアハウスに集まる家族は全員、探偵!

格安家賃のシェアハウスに住むことになった元・美少女子役の五月女リオは
見返りとして大家の営む「レンタル家族業」を手伝うことに!
リオが演じてみせるのは、人気漫画家の妹役からワケあり老人の息子役まで多種多様。
ひと筋縄ではいかない依頼と次第に増える「家族」たちが、思いもよらない事件を呼び込む!?
結末までイッキ読み、笑いと衝撃の本格ミステリー。

シェアハウスを舞台に、主人公の五月女リオが「レンタル家族業」を通じて
疑似家族を形成していく物語です。
で、その疑似家族を構成していく過程がちょっとした事件となっています。
リオは探偵役という訳ではなく、リオが住むシェアハウス「チロリアンハウス」の大家
である大家さん。

連作短編集の形を取っており、大家さんがどうも物語の核心だなあと思いつつ、
最後どのような形で締めくくるのか楽しみだったのですが、なるほど、そうきたかと。

かなり濃いキャラクター設定になっているのですが、その中で大家さんだけは
どこかイメージしにくいキャラクターでした。
しかし、それは最後のオチを描くための方策だったのかもしれません。
ただし、そのために謎は残ったのですが(笑


探偵ファミリーズ (実業之日本社文庫)

探偵ファミリーズ (実業之日本社文庫)

  • 作者: 天祢 涼
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/08/05
  • メディア: 文庫



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風ヶ丘五十円玉祭りの謎 [青崎有吾]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

夏祭りにやって来た、裏染天馬と袴田柚乃たち風ヶ丘高の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物しても、お釣りが五十円玉ばかりだったのはなぜ?学食や教室、放課後や夏休みを舞台に、不思議に満ちた学園生活と裏染兄妹の鮮やかな推理を描く全五編。『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続き、“若き平成のエラリー・クイーン”が贈るシリーズ第三弾は、連作短編集。

『体育館』と『水族館』、そして未文庫化の『図書館の殺人』直前までの
主人公たちの「日常の謎」を描く短編集。

表題作はもちろん『競作五十円玉二十枚の謎』のオマージュ。
ただし本家と違い、謎は比較的早くわかるかもしれません。
それよりラストの方が面白い。

あとは「おまけ」が気になりました。父親を嫌い家を出ている天馬ですが、
一応「会話」(という名の「推理」)はするようです。
裏染家の「謎」については『図書館の殺人』で少しは語られるのでしょうか。


風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: 文庫



風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: Kindle版



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四次元の花嫁 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

姿を見せない花嫁なんて、まさか、妄想じゃ――?

ブライダルフェアに遊びに来た女子大生・塚川亜由美と親友の聡子は、
会場で不思議な新郎・一柳と出会った。
スタッフのみどりによれば、彼は結婚式のドレスも日程も自分一人で決めて、
新婦は一度も現われていないのだという。
調査を依頼された亜由美だが、帰宅途中のみどりが何者かに襲われて……!?
表題作ほか「花嫁たちの袋小路」を収録。
大人気ロングランミステリー、「花嫁」シリーズ!

表題作では久しぶりに谷山准教授がほんのすこ~しだけ登場。
亜由美&准教授での探偵コンビも久しぶりに読んでみたいものです。

「花嫁たちの袋小路」は何気ない日常が一気に崩壊し、ドラマの世界かのような
事が突然自らに降ってくる、そんな物語です。
最後の大団円は相当に強引な気もしますが、そこが赤川ワールドなのでしょう。

「忙しい花嫁」以来の長編を今度期待します!







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満願 [米澤穂信]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。
鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。
史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

更新がちょっと止まっていました。
ドラクエのせいです(笑

さて米澤穂信先生の作品は古典部シリーズを主に読んでいますが、
ノンシリーズは初かもしれません。

ミステリーなのですが、各話を覆うどこか薄暗い、もの悲しいのが特徴です。
「夜警」は個人的にかなり好きな作品です。殉職した川藤警部補の裏に
隠された謎とは・・・柳岡の推理が行き着いた先とは。

ホラーミステリともいえる「関守」
次々と事故が起き人が亡くなるという峠を取材に来た一人のライターと
ドライブインの老婆が主な登場人物で、老婆の一人語りのような形で
物語は進みます。本作もいったいどういう結末を見せるのか、
読んでいて楽しみだったのですが、その気持ちは裏切られませんでした。

「万灯」はあるビジネスマンが陥った悲劇(あるいは自業自得)
意外な所から足がついてしまうという作品です。

他作品もかなりおもしろく読め、ちょっとノンシリーズにも
手を出したくなりました。


満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 文庫



満願

満願

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: Kindle版



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歴女美人探偵アルキメデス―大河伝説殺人紀行 [鯨統一郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

美人歴史学者の静香、ひとみ、東子(はるこ)の三人が集まるウォーキングの会
〈アルキ女(メ)デス〉の旅の目的地はなぜか川。
北海道の石狩川の岸を歩く三人の目前に、川を仰向けになり流れる女性の姿が。
幸いにして救出され一命を取りとめるが、その女性の夫は数日前に不審な溺死を遂げていた。
事故か事件か、彼女たちの推理は露天風呂でひらめく!?
傑作トラベル歴史ミステリー。

シリーズ第3弾。
今回は河川を舞台としています。
探偵役の早乙女静香、さりげなくヒントを出す桜川東子、物語の登場人物に恋をして、
かつコメディリリーフ的立場である(笑)翁ひとみ。
彼女たち三人が旅する所、事件あり。

本書ではこの必ず殺人事件が起こるという事実を逆手にとって、
彼女たちが遭遇した事件を小説にしている作家がいると物語で語られます。
金田一耕助の「成城の先生」か浅見光彦の「軽井沢のセンセ」等のように、
今後物語に登場してくるのでしょうか?

犯人が絶対に(といって良いと思いますが)合理的に見抜けないのは「石狩川殺人紀行」
これは意外だった。

本シリーズは新たなトラベルミステリーとして確立してほしいと思います。
ミステリ初心者でも気軽に読めて、かつ楽しめる。

しかしもし2時間ドラマになったら配役はどうなるのか・・・


歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行 (実業之日本社文庫)

歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/08/05
  • メディア: 文庫



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さよなら神様 [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「犯人は○○だよ」。クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。やつは神様なのだから。
神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の捜査に乗り出すが…。
衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させ、本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。
他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!第15回本格ミステリ大賞受賞。

神様シリーズ第2弾。
本作の特徴は、最初にその事件の犯人が示されることでしょう。
どんなにその人物に強固なアリバイがあったり、動機がみつからなくても、
神様の言う事に「嘘」はないということが大前提である以上、
逆算でどうすればその人物が犯人なのかを考察していくこととなります。

一方そうしたパターンの中で本書で一番強烈だったのは「バレンタイン昔語り」
そもそもその神様が犯人として挙げた人物は物語に登場すらしていないのです。
そしてさらに本作では被害者に対しても強烈なサプライズを持ってきています。
こうした展開は、神様の言う事は絶対であるという、本作の大前提があるからこそ
生まれる衝撃であり、傑作です。

貴族探偵といい、本書といい摩耶先生の作品には毎回驚かされっぱなしですが、
先生の新作にまた期待したいです。


さよなら神様 (文春文庫)

さよなら神様 (文春文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 文庫



さよなら神様 (文春文庫)

さよなら神様 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: Kindle版



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不思議の国のサロメー第九号棟の仲間たち [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

母親が愛人の首を切り落とした現場を目撃してしまった今村まどか。十四歳の少女の心のケアのため、
ホームズたちがいる“第九号棟”へ入院することになった。ところが入院したその日、看護人が同じように首を切り落とされ殺害されてしまう。自分を“サロメ”だと思い込んだまどかの犯行なのか?
病院から失踪したまどかを追って、ルパンやダルタニアンたちは調査を進める!

今回は九号棟が舞台となる作品。
ホームズやダルタニアンの活躍はいつも通りですが、
ルパンにピンカートン、サラ・ベルナール、ロビン・フッド、
アニー・オークリー、ベートーヴェンにクレオパトラ・・・
まさに(現時点での)シリーズ最終話に相応しい、九号棟の仲間たち
が大活躍します。

一方で主人公の鈴本芳子より、大川一江が本作ではメインを張っていて、
その点でもおもしろい作品です。
というか、これはシリーズを通して、この大川一江の成長を描く作品でもあり、
主人公はもしかしたら彼女なのかもしれません。

最後の大団円も相変わらずですが、しかしシリーズがこれで
終わってしまうのかと思うと、残念でなりません。
ぜひ続編を期待します。


不思議の国のサロメ: 第九号棟の仲間たち6 〈新装版〉 (徳間文庫)

不思議の国のサロメ: 第九号棟の仲間たち6 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: 文庫



第九号棟の仲間たち6 不思議の国のサロメ 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち6 不思議の国のサロメ 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: Kindle版



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禁じられた過去 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

経営コンサルタントの山上忠男は、かつて憧れていた美沙から相談を受けた。
彼女の恋人が、横領の嫌疑をかけられているという。この横領事件をきっかけに、
山上は大きな謀略に陥れられていく。家族、かつての友人、女性秘書…、
周囲の人物までも巻き込んで、事件は目まぐるしく進展する。初恋の女性に心を一瞬奪われ、
危機に陥ってしまった山上の運命は!?

息もつかせぬ赤川作品。
次々と予期せぬ出来事や登場人物が増えていき、まさにジェットコースターサスペンス。

山上忠男の娘であるエリが赤川作品常連の強い女性。
そして何気にほとんど脇役なのですが、MVPといっていい活躍をしたのが
山上夫妻が宿泊した旅館のマネージャー・平松弓子。
彼女の旅館をメインとした短編集でも書いてほしいです。

いかにも怪しげな情報屋や、事件を追う村内刑事と安西刑事の因縁。
ひょんなところで出会った大学時代の旧友・津田との再会、そして事件も
加わり、本筋である、殺害された水野智江子の事件にどう絡むのか。
最後に一気に収斂させるのはさすが赤川次郎先生。
しっかり救いも入ってます。

復刊は本当にありがたいですね。


禁じられた過去 (光文社文庫)

禁じられた過去 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/07/11
  • メディア: 文庫



禁じられた過去 (角川文庫)

禁じられた過去 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/07/13
  • メディア: Kindle版



禁じられた過去 (角川文庫)

禁じられた過去 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫



禁じられた過去 (双葉文庫)

禁じられた過去 (双葉文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 1994/12
  • メディア: 文庫



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ペンギンを愛した容疑者 [大倉崇裕]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「人間の視点で物を考えないでください」 動物オタクの天然系巡査・薄圭子のアニマル推理が大爆発!
ペンギン、ヤギ、サル、ヨウム……現場に残されたペットの生態から、
常識はずれの発想で真犯人をあぶり出す。コンビを組む元捜査一課の鬼刑事・須藤友三も、
薄を認め始めるが。大好評シリーズ、待望の第3弾。

ドラマ化に合わせて過去作の表紙がリニューアルされましたね。
相も変わらず須藤警部補&薄巡査のコンビは見事にペットの世話から
事件を探り出し、解決します。
しかし、そんな「いきもの係」の活躍に対して、所轄や捜査一課などなど、
本来殺人事件を捜査する部署の輩から良く思われていない様子・・・
それだけ彼らの活躍が知れ渡っているのでしょうが、
「いきもの係」設立を主導した鬼頭管理官や石松警部補が止められるのか、
次作以降はそこも心配です。

本書オススメは「サルを愛した容疑者」
二転三転するミステリで、「モルグ街の殺人」を彷彿とさせる内容。

それにしても「小鳥を愛した容疑者」から「蜂に惹かれた容疑者」までが5年(文庫化まで)
とシリーズとしては非常に遅い歩みで進行していましたが、
ここにきて、最新作「クジャクを愛した容疑者」と立て続けに出ていることに驚き。

動物の生態について勉強した上でなければ、このミステリは書けないので、
大倉さん自身、相当な知識を蓄えた上で執筆されているのでしょう。
その点もすごいですね。


ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/15
  • メディア: 文庫



ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Kindle版



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ほうかご探偵隊 [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ある朝いつものように登校すると、僕の机の上には分解されたたて笛が。しかも、一部品だけ持ち去られている。―いま五年三組で連続して起きている消失事件。不可解なことに“なくなっても誰も困らないもの”ばかりが狙われているのだ。四番目の被害者(?)となった僕は、真相を探るべく龍之介くんと二人で調査を始める。小学校を舞台に、謎解きの愉しさに満ちた正統派本格推理。

元々は講談社で企画された、"かつて子どもだったあなたと少年少女のための"<ミステリーランド>から
刊行されたジュブナイルの一冊。

主人公の藤原高時が学校に登校すると、自分の机の周りにクラスメイトが集まって
なにやら騒がしい・・・なんともう使っていないが高時のたて笛の真ん中だけが
無くなっていたのだった。

そういえば、このところクラスでは奇妙なことが。
棟方くんの描いた絵画が消失、さらに学校で飼育していたニワトリの三太までも。
一体どういうことなのだろう・・・

そんなとき、江戸川乱歩を通じて仲良くなった、クラスメイトの龍之介くんと
明智探偵と小林少年ばりの、探偵団を結成し、これらの謎に挑むことに。

驚天動地のトリックや奇想天外な舞台設定などは一切登場しません。
しかし、三太が居なくなった密室状態の不可思議さや、
それを実に論理的に説いていく、本書三分の一を占める解決編、
二重三重にひっくり返る結末と、読み応え十分。
行間にはいる「これでおわりのはずはない」「これではやっぱりおわれない」が
さらに物語に引き込ませます。
謎解きの醍醐味を味わえる秀作です。

ところで探偵役を務めた龍之介には、東京に住む、特に決まった職に就いていない叔父が居て、
彼はその叔父に憧れているようです。

その叔父は「日常が面白くなければ、自分で捜せばいいんだって。物の見方さえ変えて捜せば、
愉快なことなんかいくらだって、そこらじゅうに転がってる」が口癖。

そういえば、龍之介の見た目は「背が小さくて顔が小さくて、そのっくせ目だけはリスみたいに
まん丸で大きい。森の小動物みたいなヤツ」だそうです。

まさかこの叔父とは・・・そして龍之介の苗字が一切でてこないのは、まさか?!
と倉知さんのシリーズ探偵を匂わせ終幕。
というか、ミステリーランドの表紙は明らかに狙っている(笑

そろそろ叔父さんの新しい物語もぜひお願いします!


ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)

ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/06/21
  • メディア: 文庫



ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/11/25
  • メディア: 単行本



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江神二郎の洞察 [有栖川有栖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、すれ違いざまにぶつかって落ちた一冊―中井英夫『虚無への供物』。この本と、江神部長との出会いが僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)入部のきっかけだった。アリス最初の事件「瑠璃荘事件」など、昭和から平成へという時代の転換期である一年の出来事を描いた九編を収録。ファン必携の“江神二郎シリーズ”短編集。

学生アリスが江神先輩と初めて出会うエピソードから、
マリア登場までを描く、まさに連作短編集。

シリーズ第1作『月光ゲーム』がアリスや望月、織田の中で相当な出来事(当然ですが)
として捉えられている様が実によくわかり、本書を読んだ後、改めて『月光ゲーム』を
再読したい思いに駆られました。

オススメは「瑠璃荘事件」
江神先輩の推理は見事です。ただ、アリスや織田も感心はしているものの、
いわゆるミステリに登場する名探偵とは全然・・・と感じているようです。
しかしこれが、『月光ゲーム』で一変するわけです。
アリスが発した一言、「名探偵も他人を信じることができる」。名言です。

マリアにも結局この『月光ゲーム』での出来事を話したアリス。
それが決め手なのかわかりませんが、マリアはEMCに入部します。
そして、彼女の入部こそが第2作『孤島パズル』に繋がります。


江神二郎の洞察 (創元推理文庫)

江神二郎の洞察 (創元推理文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/29
  • メディア: 文庫



江神二郎の洞察 <江神シリーズ> (創元推理文庫)

江神二郎の洞察 <江神シリーズ> (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/29
  • メディア: Kindle版



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五覚堂の殺人~Burning Ship~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

放浪の数学者、十和田只人は美しき天才、善知鳥神に導かれ第三の館へ。
そこで見せられたものは起きたばかりの事件の映像―それは五覚堂に閉じ込められた哲学者、志田幾郎の一族と警察庁キャリア、宮司司の妹、百合子を襲う連続密室殺人だった。
「既に起きた」事件に十和田はどう挑むのか。館&理系ミステリ第三弾!

すでに起きてしまった事件かつ今も続いているのか?それとももう
事件は終わってしまったのか?それが分からないままの状態というのは
中々おもしろいシチュエーションでした。

善知鳥神から出されたヒントはただ一つ、「回転」
相変わらずトリックは見事です。
なので、前書と同じく、後半の動機部分は不要な感じもしました。

シリーズとしてどう進むのか、まだ見えてこない。
早く次々と文庫化を!


五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社文庫)

五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 文庫



五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)

五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: Kindle版



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都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ [天祢涼]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

弁舌巧みなイケメン元国会議員・漆原翔太郎は国民人気を武器に東京都知事へ転身をとげた。
だが都議会襲撃予告、ゆるキャラ殺害など五つの難事件が都政を揺るがす。
問題発言が続き支持率急落の漆原とマジメすぎる秘書・雲井が真相を暴くとき、
東京が、そして日本が変わる!?
ラスト一行まで目が離せない、笑ミス(=笑えるミステリ)連作短編集。

前作に続き、本作も連作短編集です。
都知事になるという前作ラストをそのまま継承し、出馬へ。そして当選!
が、話を進めていくごとに支持率が下落(苦笑
国会議員と違い、都知事は支持率がはっきり出ますからねえ。

第一話から登場する、時の総理大臣・正宗謙吾。
なぜ彼は翔太郎の出馬を止めようとしているのか?
その理由とは?

「第二話 襲撃」はある種のバカミスなのではないかと思いますが、
犯人がどうアイスをぶつけるのかは確かに分からなかった。

本作の鍵となるのが「第三話 馬鹿」。
本編はケンダマーなるゆるキャラを巡るお話なのですが、
最初に出てくる新宿大停電が、物語のキーでもあり、
前作の「第四話 取材」ほどの不気味さはありませんが、
単なる話のマクラかと思いきや・・・

最終話で翔太郎を「危険な政治家」と評する正宗総理。
前作・本作と読了し、なんとなく「暴走する正義」という印象を
翔太郎に持ちました。
彼が行っていることは間違いなく正しい。しかし・・・
まあしかし、雲井がわからないよう、彼が本当に天才なのか、
真性の馬鹿なのか(笑)本作を読んでもわからず。
次はどんなステージで彼の活躍が読めるのでしょうか。



都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

  • 作者: 天祢 涼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/16
  • メディア: 文庫



都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: Kindle版



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今だけのあの子 [芦沢央]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、
どうして私だけ結婚式に招かれないの……(「届かない招待状」)。
環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」
心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと変わった。
「女の友情」に潜む秘密が明かされたとき、驚くべき真相と人間の素顔が浮かぶ、
傑作ミステリ短篇集全五篇。

初めての作家さん、再び。
初めて率が今年は高そうです。

オススメは「帰らない理由」と「答えない子ども」
前者は探偵役が最後の最後で物語を反転させる役割まで担う
離れ業の作品。
探偵役である須山が、最後に見せる感情が、彼の将来を心配してしまいますが、
この彼の将来は次作「答えない子ども」で明かされます。

本作収録の各短編はどこかで物語が繋がっており、
それを探すのも楽しみの1つ。
特に、上記挙げた2作品が連続なのも上手いと思いました。
探偵役である須山が、立派な大人になっていることが素晴らしい。

内容紹介ではイヤミス感のある本書ですが、
それを最後で反転させる構成も見事。
ぜひみなさまご一読を。


今だけのあの子 (創元推理文庫)

今だけのあの子 (創元推理文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/04/12
  • メディア: 文庫



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ウサギの天使が呼んでいる [青柳碧人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ショッピングサイト“ほしがり堂”を経営する深町ユリオ。節操なく色々なモノをほしがり、
方々から集めたガラクタ(お宝)をほしい人に売っている。そんな彼はお宝をゲットしに行くと、
なぜか必ず事件に巻き込まれてしまう!身元不明のゾンビの死体の謎、ゴミ屋敷に隠された秘密など、ほしがり探偵が苦労人の妹と共に、お宝をめぐる数々の事件に挑む。ポップな連作ミステリ。

初めての作家さん、再び。
今後十分にシリーズ化が望める作品です。

そこにお宝があれば、どんな場所でも、どんな状況でも伺います!
たとえ、そこに殺人事件が絡んでいても。
彼の行動理念は明確で、上記の通り(笑

ワトソン役に常識人の妹・深町さくらを配し、日常生活についての知識はほとんど
ゼロなのに、マニアックな知識は群を抜いているという、<名探偵>の条件を
完全に満たしています。初期のシャーロック・ホームズ。

愁眉はやはり表題作「ウサギの天使が呼んでいる」。
ゴミ屋敷になった、のではなく、ある目的のためにゴミ屋敷にしたという、
犯人の狙いや、意外なところでつながる編集者がかつて特集した記事など、
そこかしこにちりばめられた伏線を一気に回収していくのが見事。

「顔ハメ看板の夕べ」はコメディを見ているかのような作品。
読者もおおよそ気付きそうですが、ユリオの観察眼は素晴らしい。

次シリーズも期待したいです。


ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: 文庫



ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: Kindle版



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