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暗い越流 [若竹七海]

Amazonさんの紹介ページから。

凶悪な死刑囚に届いたファンレター。差出人は何者かを調べ始めた「私」だが、
その女性は五年前に失踪していた!(表題作)
探偵の葉村晶は、母親の遺骨を運んでほしいという奇妙な依頼を受ける。
悪い予感は当たり…。(「蝿男」)
先の読めない展開と思いがけない結末―短編ミステリの精華を味わえる全五編を収録。
表題作で第66回日本推理作家協会賞短編部門受賞。

葉村晶モノ2編に、ライターの南治彦が登場するシリーズ?2編を含む全5編。
いずれも趣向が異なり、極めてレベルの高い短編集。

まずは葉村シリーズ。
「蠅男」は不幸を呼ぶ女の真骨頂(苦笑)
依頼人本宮波留も相変わらずぶっ飛んだキャラだなあ・・・
ちなみに、この作品はまだ長谷川探偵調査所に所属する調査員。

「道楽者の金庫
金庫を開けるための「鍵」であるこけしに秘められたあるトリックが見事。
意外な所で絡む葉村のミステリ専門書店のバイトもおもしろいです。

「幸せの家」
本作はやはり衝撃ともいえるラストでしょう。
このラストにより、この表題作の意味がよくわかります。

「狂酔」
一人の男の独白で物語は進みます。5編の中では最も哀れな主人公。
しかし、最後の彼の告白は相当な衝撃。

「暗い越流」
死刑囚に届いたファンレター。これを調べることになった主人公。
事件の結末はミステリを読み慣れた方ならある程度予想はできるかもしれません。
しかし、最後の主人公の思惑まではまず読み切れない。

まさに「名短編、ここにあり」の短編集。
必読です。


暗い越流 (光文社文庫)

暗い越流 (光文社文庫)




暗い越流 (光文社文庫)

暗い越流 (光文社文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/10/20
  • メディア: Kindle版



百年目の同窓会-第九号棟の仲間たち- [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

だだっ広いお屋敷を相続した二十歳の鈴本芳子。
彼女は豪邸以外に病院の第九号棟でも暮らしている。
そこには相棒のホームズ、ダルタニアンたちがいて、芳子は彼らと「探偵業」を開いているのだ。
「身元不明の女性、日本人なのに外国人名を名乗る」奇妙な事件が三件立て続けに発生。
ホームズは、百年程前のロンドンで起きた「切り裂きジャック」の
被害者女性の名前と一致していることに気づく!

本書の帯で第九号棟シリーズが隔月で復刊されることが
書いてあり、いやあ、うれしい。楽しみで仕方ない。

まず驚いたのがなんと本書は長編だったこと。
いや、そんなに驚くことではないかもしれませんが、短編のイメージが
ありましたので・・・
しかしこのタイトルは秀逸。

突如「切り裂きジャック」の被害者の名前を名乗る女性たち。
彼女たちに何か繋がりがあるのか?
そしてホームズ氏のいうように、「ジャック」が復活したのか。

このあまりにも不可思議な謎がとても魅力的で、
どんどん引き込まれていきました。

また本書では第九号棟からルパンやロビン・フッドも登場。
ルパンがホームズに「僕と君は敵同士じゃないか」という台詞は
いやあ、ツボをおさえていますなあ(笑

次作ではどんな新たな仲間たちが登場するかも楽しみです。





第九号棟の仲間たち2 百年目の同窓会 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち2 百年目の同窓会 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/11/02
  • メディア: Kindle版



大癋見警部の事件簿 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

この男、警視庁捜査一課の係長なのに、事件を解決する気、まったくなし!
思いつきで部下をこき使い、暴言と居眠り三昧。
それでいてなぜか検挙率100%の大癋見(おおべしみ)警部。下ネタ大好き、
ブルドッグのような容姿の「警視庁最悪の警部」が、“本格ミステリーのお約束”を薙ぎ倒し、
踏み躙りながら難事件を次々解決!?
著者のミステリーへの愛と造詣に満ち溢れた抱腹絶倒の連作集!

本格ミステリへのメタといえば、個人的にはその頂点には
東野圭吾さんの『名探偵の掟』があると思っています。

本作は上記『掟』とは違う、というか、chapter1「国連施設の殺人」を
読むとすぐわかります(笑
というか、この話は本当に驚いた。解決する気が無い。
と思っていたら、後の事件で解決されたことが明らかにされるんですよね。

個人的に本格の常識をある意味打ち破ったのは
次の「耶蘇生誕節の殺人」と「現場の見取り図」

前者は犯行日時が絶対である以上、どこにトリックがあるのかを
考える作品ですが、これは驚愕した。
日本でも江戸時代と明治時代とか考えるとよくわかる。

後者のトリックは見た事がない(笑
というか、完全に逆手に取ってますよね、見取り図を。

「宇宙航空研究開発機構(JAXA)での殺人」は
JAXAならではのトリックが使われています。これも見事。

ちなみこれ、リターンズと題してなんと続編も出ました。
早く文庫化希望!



大癋見警部の事件簿 (光文社文庫)

大癋見警部の事件簿 (光文社文庫)




スーパープレミアム「獄門島」 [テレビ]

終戦直後、瀬戸内の孤島を訪れた金田一耕助(長谷川博己)。
僧の了然(奥田瑛二)の案内で島の実力者・本鬼頭家にやってきた金田一は、
そこで美しい女性・早苗(仲里依紗)と出会う。
さらには島に似つかわしくない奇抜な風体の3姉妹にも。
そしてある晩、末妹の姿が消える…。
金田一耕助再起動!数々のミステリー・ランキングで1位に輝く横溝正史の最高傑作!
封建的な島で繰り広げられる怪奇な連続殺人の謎に金田一が挑む!

       (NHKスーパープレミアムHPより
               http://www4.nhk.or.jp/P4031/

日本ミステリーの金字塔であり、『東西ミステリーベスト100』1985年版及び2012年版
いずれにおいても第1位という、偉業を成し遂げた本作。

かつては2時間ドラマ枠で金田一耕助シリーズはよく映像化されていましたが、
このところほとんど観る事はありませんでした。
(明智小五郎も同様)

そんな中、長谷川博己氏を金田一耕助に抜擢し
この名作を映像化したNHKBSプレミアムに感謝。

本作の魅力とは何なのか。
有名な「釣鐘」、鬼頭早苗、見立て殺人・・・
いずれも欠けてはならない本作を構成する重要なものばかり。

その中で僕が一番本作で好きなのは了然和尚のあの台詞。
「きちがいじゃが仕方がない」。
まさかこの台詞をこのドラマで聞くことができるとは!

もうネタバレしますが、「気違い」と季違い」という2つの
意味がこの台詞にはあり、金田一が事件を解明する
1つの鍵になるのですが、
近年は放送禁止用語でもあり、基本再現されませんでした。
しかしさすがBS。これを見事再現。これは素晴らしいの一言。

そして本編でも見事にこの台詞が謎解明に役立っています。
しかも、金田一は枕屏風にある3句ある俳句のうち、1句だけ読めなかったのですが、
ここも再現。それを聞いた金田一が一気に解決に事件を導きます。

頭をかきむしる、興奮するとどもる等、金田一の癖も
さりげなく表現されている所も良い。

本作の金田一は鬼頭千万太の亡霊に何度も脅かされます。
それは彼の遺言、
そして金田一の経験した戦争体験に拠るものでしょう。

金田一の謎解きの場面。了然和尚がショック死するまで描かれていましたねえ。
あの時の金田一はある種狂気にみえた。

ラストシーン、船で本州へ帰る金田一の元へ電報が。
「アクマガキタリテフエヲフク」
これは続編への伏線か!?


獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)




金田一耕助ファイル3 獄門島<金田一耕助ファイル> (角川文庫)

金田一耕助ファイル3 獄門島<金田一耕助ファイル> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/10/12
  • メディア: Kindle版



ランチ探偵 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

大仏ホーム経理部のOL・阿久津麗子は、
同僚の天野ゆいかを誘ってランチ合コンへ。
恋人に振られたばかりでいい出会いを求める麗子だが、
なぜか男性陣から持ち込まれる話題は、
犯人探しや暗号解読ばかり。
深夜に動くエレベーター、金曜日に大量の弁当を
購入する美女、ストーカー事件の真犯人、
失踪した新婦が残したメッセージアパートの窓に日替わりで
現れる動物、消えた結婚指輪
ミステリマニアのゆいかは、それらの「謎」に興味を示し……。
オフィス街の怪事件に安楽椅子探偵のニューヒロイン・天野ゆいかが挑む!

アームチェア・ディテクティブには数々あれど、
仕事の合間のランチ、しかも合コン中に謎を解くというのは
かなりの難技!
しかしそれをやってのけるのが本作ヒロイン。天野ゆいか。

オススメは日替わりで現れる動物「「窓の向こうの動物園」
結末がほっとします。

相棒の阿久津麗子は合コンするも、中々良い人には
巡り会わないようです。
ゆいかの方がこれだけ良い「謎」に巡り会えているのに・・・(苦笑

すでに次作もあるとのこと。楽しみです。


ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 水生大海
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 文庫



ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: Kindle版



探偵部への挑戦状―放課後はミステリーとともに [東川篤哉]

探偵部副部長・霧ヶ峰涼が挑む7つの事件。
そして、ミステリ研究会大金うるるからの2度の挑戦。
そして、無事に探偵部部長・多摩川流司と
八ツ橋京介は卒業できるのか?

今年の広島優勝に涼は飛び跳ねるどころの騒ぎじゃないくらい
喜んだことでしょう。
どういうリアクションを取るのか、そればっかり気になってました。

7編収録の連作短編集ですが、オススメをあげるならば、
ミステリ研からの挑戦は1つめの「霧ヶ峰涼への挑戦」
一度きりのトリックですが、同じ探偵部だからといって、
信じてはいけません。

「霧ヶ峰涼と映画部の密室」
最初の何気ない出来事が実は事件を解明する鍵であるお話。

さて本作で「鯉ヶ窪学園探偵部」の主人公たち2名
が無事に卒業します。
ということは、本作とメインシリーズがついに合体するのか?
さてどうなることやら。





探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)

探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: Kindle版



松谷警部と向島の血 [平石貴樹]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

これが現職最後の担当事件か??松谷警部が駆けつけた現場は
両国国技館から歩いて行ける距離にあった。被害者の十両力士は胸部を刺されており、
傍らに「コノ者、相撲道ニ悖ル」と印刷された紙片が。
捜査が進むなか先輩格の力士が相次いで殺害され、同じメッセージが残っていた。
狭い社会の出来事で関係者も限られるが、三件全部にアリバイのない者はおらず、
動機やメッセージの真意も定かではない。迫る定年の日。苦心惨憺の末、
白石巡査部長が真相に至ったのは、実に松谷警部の退職二日前だった!
特別ゲストが警部の退職に花を添えるシリーズ完結編。



本作が松谷警部と白石以愛巡査部長シリーズ完結編、に
なるんでしょうね。
なんといっても事件の関係者に筆者のかつてのシリーズ探偵
に由来ある人物まで登場しますから。

本作も徹底した「アリバイ崩し」。
まさに詰み将棋
イアイ巡査(巡査部長)の推理は、いくつもの
証言から何度も何度も再構築される所が一番の読み所。

最初の事件が一番驚きましたね。
この事件がなぜ起きたのか、この謎解きが愁眉。
それと、シリーズを結びつける人物の登場。
これが実はシリーズ大団円の演出だけかと思いきや・・・
ここで筆者はその演出だけに読者の目を逸らしているのでしょう。
ここも素晴らしい。


最後の最後に「更級ニッキ」と再会を果たした松谷警部。
自費出版で俳句集も出すのかなあ。

筆者の次のシリーズに期待します。



松谷警部と向島の血 (創元推理文庫)

松谷警部と向島の血 (創元推理文庫)




松谷警部と向島の血 (創元推理文庫)

松谷警部と向島の血 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/09/26
  • メディア: Kindle版



新仮面ライダーSPRITS 第14巻 [コミック]

Amazonさんの紹介ページから。

1号と2号によるダブルタイフーンの強制起動で、
ついに風見志郎はV3への復活を果たした。
だが、その姿はかつて見たことのない半透明のボディで、
風見は湧き起こる破壊の衝動に駆り立てられていた。
そして、かねてサザングロスに潜入していた結城丈二は、
風見の動静を見届けると、ある考えを実行に移そうとし‥‥。

やはりあの姿はV3であって、V3でなかったですね。
ただV3マッハキックからのビッグスカイジャンプ、そしてパンチ・・・と
いう連携は素晴らしい。まあ相手がすでに息絶えていたので、
パンチはZXに止められましたが。

ここでZXが止めるというのも、いい演出ですね。
かつてZXが誰なのか、何のために戦っているのか
悩んでいる描写があってこそ、
この場面は活きてきます。

その後風見志郎は1号&2号による手術を受けたので、
また変身できるのでしょうねえ。

一方、結城丈二は竜を操ることに成功し、大首領との
対決に挑みます。

この巻はまさに「仮面ライダーV3」の別の物語
に感じましたね。





新 仮面ライダーSPIRITS(14) (月刊少年マガジンコミックス)

新 仮面ライダーSPIRITS(14) (月刊少年マガジンコミックス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/10/17
  • メディア: Kindle版



貴族探偵対女探偵 [麻耶雄嵩]

Amazonさんの紹介ページから。

新米探偵・愛香は、親友の別荘で発生した殺人事件の現場で「貴族探偵」と遭遇。
地道に捜査をする愛香などどこ吹く風で、
貴族探偵は執事やメイドら使用人たちに推理を披露させる。
愛香は探偵としての誇りをかけて、全てにおいて型破りの貴族探偵に果敢に挑む!
事件を解決できるのは、果たしてどちらか。精緻なトリックとどんでん返しに満ちた
5編を収録したディテクティブ・ミステリの傑作。

前作『貴族探偵』は推理をしない「探偵」かつ貴族という
ぶっ飛んだ設定で驚かされました。
一方、前作所収昨「こうもり」は1つのトリックを最大限にまで高めたミステリの傑作。

では本作は?どうも貴族探偵にライバル?が登場したようです。
名は高徳愛香、ある有名な探偵の弟子で、師匠死去後、一人で
探偵業を営む新人探偵。
彼女の行く所、貴族探偵あり。

「白きを見れば」
親友の平野紗知に「たまには骨休めを」と言われ、
別荘「ガスコン荘」に招かれた愛香。しかしそこで殺人が・・・

「色に出でにけり」
以前師匠の助手だった頃に出会った事件の関係者である玉村依子から
依頼を受け、事件現場へ向かう愛香。しかしそこには貴族探偵が・・・

本作は連作短編集という体裁を取っています。
最大の特徴は貴族探偵の使用人と愛香の「推理合戦」でしょう。
つまりは「多重解決」。
1つの事件に対して、2つの推理。
いずれかは間違っているorいずれも正しい。
読む側はさほど深く考えなくても、書く側はこれは実に難しいでしょう(苦笑)


以下ネタバレあり。


上記2編は「アリバイ崩し」がメイン。
「白き~」は降雪の時間、コートのボタン、シャッター、これらから
愛香は推理を組み立てますが・・・
「シャッターに残った痕」の愛香の推理はかなり強引で、
読んでいて?と思いましたが、
一方貴族探偵の執事の「傘」というのも、実はそこまで説得力はないのでは?
傘なら手に持たなくてもなんとかなりますよね。
しかしまあ、全否定するのもかなり難しいかな。

本作はこの犯行計画を作ったのが、
被害者自身であるという所が秀逸。
それにより、事件自体の見方ががらっと変わります。
殺害した犯人は誰か?だけを推理していては、誤った推理になる
可能性もあるという、良いお手本。

「色に~」は、絞殺と自殺でタオルの色がなぜ違うのかが、最大の謎解き。
料理人の推理は実に説得的です。
しかし本作の最大愁眉は動機でしょう。
なぜ手帳が盗まれたのか。ここに最大の仕掛けがあります。
ああ、依子の最後の告白も楽しいです(笑

「むべ山風を」
とある大学の内部データ盗難事件を解決した愛香。
その後、「光るキノコ」を栽培中の韮山瞳准教授の部屋を訪れると、
そこには貴族探偵が!そして院生が殺害され・・・

現場に残されていた紅茶を飲んだ跡と、カップの色から
推理を組み立てていく愛香。
しかし、本人も即認めているように完全にケアレスミス。
珍しく貴族探偵の言うことがまともでした(笑

本作は、現場の工作をしたのは誰なのかという点
に力点が置かれている作品ともいえます。
その意味では、「白きを見れば」と共通する点あり。
「光るキノコ」はあまり関係無かったのだろうか。

書き下ろし「なほあまりある」
貴族探偵が、自らの使用人たちを呼べない場所で
殺人事件が起こった場合、果たしてどうするのか?

本作はこれまでの愛香と貴族探偵の物語の総決算的作品。
つまり、これまでのミスを愛香がうまく活かし、また貴族探偵の
性格も忘れてしまっていれば、事件は解決できなかったでしょう。

花瓶のバラと部屋の入れ替えは秀逸。
最初の疑問は貴族探偵が愛香を雇ったという、つまり
自分の使用人的な立場で使ったわけですね。

しかし、これは貴族探偵にしては
大きな博打に出ている感は否めません。
これまで愛香はことごとく推理を失敗してきたのに、
なぜ彼女で大丈夫だと確信したのか。

もしかしたら、これまでの事件で、彼女が成長していることを
見抜いたのか?まあここはわかりませんね(苦笑

さて本作でもやはりありました。「こうもり」にあたる作品が。
「弊もとりあえず」
願い事を叶えてくれる「いづな様」に会うためとある旅館を訪れる
愛香と紗知。そこにはまた貴族探偵が・・・
別館で起きた殺人事件。愛香の推理は妥当なように思えましたが・・・

これも二度読みましたが、むちゃくちゃ難しい(苦笑
つまり、最初に挨拶した際に女性だった赤川和美が、
被害者では男性になっているんですよね。地の文にそう書かれている訳です。

そして、愛香の推理で「あなたが田名部さんを殺したんですね」という
セリフが出てきます。ここはセリフです。
つまり、地の文のとセリフでは愛香の認識が全く違う、
という事は、地の文は読者だけがわかる情報で、
愛香らの認識はセリフの方、という事でしょう。

読者をひっかける叙述トリックは最近よく見かけますが、
この「弊もとりあえず」は解決に至る全ての情報を明らかに
しているとみせかけて、その実、小説内の人物たちにトリックを
仕掛けているため、読者もそれに引っかかってしまう、とでもいいましょうか(苦笑
私見でいえば、究極の叙述トリック。

いわゆる「どんでん返し」が流行りの昨今のミステリ界(あくまで私見ですが)
ただ、どうも最後だけ、そこだけ強調してくる作品や
帯のあおりに興ざめしていたんですよね・・・
しかし、この「弊もとりあえず」は、
最初から情報を正確に示しているにも関わらず、
これだけの驚きを与えてくれるとは。見事です。

しかし、続編は出るのかなあ・・・
なんか出し尽くした感はあります。

大家博子さんの解説も必読。
ワトソン役と百人一首の考察は素晴らしいの一言。



貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)




貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/10/30
  • メディア: Kindle版



駆け落ちは死体とともに [赤川次郎]

Amazonさんの紹介ページから。

駈け落ちを決行した哲と明子のトランクからナント死体が―。
新生活を夢みて出発したのに、とんだことから殺人事件に巻き込まれた恋人たちを、
ユーモアタッチで描く青春推理。

「華麗なる探偵たち」を購入した時に同時購入しました。
こんなの出てたのかあと。

表題作は紹介ページの通り、青春推理なのですが、
他の短編は中々艱難入り交じり、イヤミス的というか、
現実でも起こりえそうな話も多く。

特に最初の「交換日記」と次の「善の研究」は
読後感があまりよくありません。
ただ、後者は現実社会でも十二分に起こりうる話で、
それが余計に恐怖感を与えてくれます。

「霊魂との約束」はオカルト的な話かと思いきや、
主人公の本当の内面が現れたともいえるのでは無いでしょうか。

「命のダイヤル」は心温まる作品。
親の支配から逃れられない自殺を告げてきた島崎より、
部下で密かに慕っていた河本美津子や大学時代の同期である
目尻や倉田といった人々の行動は、今の時代ではほとんど
考えられない気がします。

赤川次郎作品はまだまだ未読も多いので、
今後も楽しみです。


駈け落ちは死体とともに (集英社文庫)

駈け落ちは死体とともに (集英社文庫)




駈け落ちは死体とともに (集英社文庫)

駈け落ちは死体とともに (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1983/06/20
  • メディア: Kindle版



華麗なる探偵たち-第九号棟の仲間たち [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

鈴本芳子は二十歳になったタイミングで、亡くなった父の遺産数億円を一挙に受け継ぐことに!
ところが金に目が眩んだ親戚にハメられて芳子は病院に放り込まれてしまう。
その第九号棟で待っていたのは、名探偵のホームズ、剣士ダルタニアンに、
トンネル掘り名人エドモン・ダンテスなどなど一風変わった面々。
彼らとなぜか意気投合した芳子は探偵業に乗り出した!傑作ユーモアミステリ!

徳間文庫から再び新装版。
気になっていたんですよねえ。シリーズものみたいだったし。

「ホームズ」もその名の通り、素晴らしい推理力を誇り、
「ダルタニアン」も、名前に恥じない、名剣士。
ほとんど姿を見せない「ダンテス」ですが、外界とのトンネルが
病院にばれている様子はなく、これまた完璧。
しかし彼らは、自らが本当にその人物だと思い込んでいるのです。

そして芳子の父親の顧問弁護士やフィアンセでその息子、
さらには叔父夫婦と、隔離もされず、日常生活を送っていながらも
殺人を犯し、横領し・・・と、汚い事に手を染めています。

赤川さんが意図しているかしていないかはともかく、
上記のことを踏まえれば、本作のユーモア・ミステリは
見事なまでに皮肉が効いている作品ではないでしょうか。

解説で山前譲さんは第九号棟の仲間たちを
「彼らはあまりに優しすぎるために、過酷な現実社会にうまく合わせること
ができなかった人たちなのです。(中略)そのピュアな姿が、現実社会の
矛盾を際立たせています」と記しています。

本来隔離されるべき人々は誰なのか。
本当に病気なのは実は違うのではないか。
そんな事を感じた作品でした。

芳子はトンネルを使い、「ホームズ」たちとともに、
ちょっとした探偵事務所を設立し、困っている人たちを
次々に助けます。

「失われた時の殺人」では、赤川さんがかつて用いた
あるトリックに似たトリックが使われます。
これは結構驚き、本作愁眉。

ところで本作シリーズものなので、
今後も当然新装版が出ると信じています。







第九号棟の仲間たち1 華麗なる探偵たち 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち1 華麗なる探偵たち 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: Kindle版



静かな炎天 [若竹七海]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ひき逃げで息子に重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。
依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く(「静かな炎天」)。
イブのイベントの目玉である初版サイン本を入手するため、
翻弄される晶の過酷な一日(「聖夜プラス1」)。
タフで不運な女探偵・葉村晶の魅力満載の短編集。

葉村晶、探偵業を再開。
「さよならの手口」にて無事に正規に探偵業を
することができるようになった葉村。
しかし、あくまでミステリ古書店でバイト、時々探偵という、
肩書きは変わらず。

表題作「静かな炎天」は本作愁眉。
次々と舞い込む調査の依頼。その裏にあるものとは?
ホームズの「赤毛組合」を彷彿とさせます。

熱海ブライトンロック」は後味悪い作品ですが、
これはそれ以上に衝撃的な場面が描かれます。
よくぞ葉村はこれを乗り切った!

「副島さんは知っている」は懐かしい人物が登場。
それもうれしかったですが、この作品は葉村の
大がかりな「ウソ」が面白い。
かつそれが古書店バイトのミステリと見事に関わっていて、
見事な作品です。

「暗い越流」にも葉村晶シリーズは収録されているようで、
こちらの文庫化も待たれます。




静かな炎天 (文春文庫)

静かな炎天 (文春文庫)




静かな炎天 (文春文庫)

静かな炎天 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: Kindle版



北の街物語 [内田康夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「妖精の行方を探してください」――それは奇妙な依頼から始まった。

ひょんなことから訪れることになった風呂屋で、初対面の老人から声をかけられた浅見光彦。
忽然と消えた〝妖精〟の行方を探してほしいというのだ。
唯一の目撃証言を糸口に行方を探しはじめる光彦だったが、
〝妖精〟の作者から突然、「もう探さなくていい」との連絡を受ける。
同じ頃、荒川河川敷で殺人事件が発生し、光彦はその犯人捜しも依頼される。
一見、何の繋がりもない2つの依頼に、「3731」という数字の共通点を見つける光彦だったが、
ミステリアスな人間模様が絡み合い、事態はさらに錯綜していく――。

久しぶりの浅見光彦シリーズ。
本作は、浅見の自宅がある「北区」が舞台。

ちょっと驚いたのは小松美保子の名が登場したことです。
「赤い雲伝説殺人事件」のヒロインですが、本作は超初期の浅見シリーズ。
他にも色々とヒロインや過去の事件が登場し、
「最後の事件」が近いんだなあと、なんとなく感じました。

自作解説にあるように、本作では「殺人事件」は起こりません。
(正確には一応殺害される人物は居ますが)

本作愁眉は「3431」という数字の意味。
トリックというより、単なる車のナンバーかと思いきや・・・

しかし、いつの間にか浅見光彦の年齢を追い越してしまっているなあ。


北の街物語 (中公文庫)

北の街物語 (中公文庫)




いつもが消えた日-お蔦さんの神楽坂日記 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

中学三年生の滝本望は祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。
芸者時代の名前でお蔦さんと呼ばれる祖母は、粋で気が強く、ご近所衆から頼られる人気者だ。
後輩の有斗が望の幼なじみとともに滝本家へ遊びに訪れた夜、
息子ひとり残して有斗の家族は姿を消していた―。
神楽坂で起きた事件にお蔦さんが立ち上がる!粋と人情、
望が作る美味しい料理が堪能できるシリーズ第二弾。

シリーズ第二弾。
まず驚いたのが、長編だったこと。
前作同様、連作短編集と思ったのですが、これは予想外。

前作同様に楽しめるのは、望が作る様々な料理の数々。
学校行きながら、美術部入っていて、毎日よく作れるよなあ(笑

今回は楓との話はほとんど登場しません。
神楽坂という「街」の持つ、優しさを描いた作品ではないでしょうか。
ただそれも、お蔦さんのこれまでの経験がモノを言うからですねえ。

事件自体は殺人事件が起きる、これも「日常の謎」シリーズかと
思いきやの予想外をかましてくれますが、物語の本質は、
事件そのものよりも、上記述べた神楽坂の「街」がメインなのだと
やはり(個人的には)思いました。

その意味では、やはり神楽坂を舞台に、「日常の謎」が
本作で読んでみたいなあと思います。





いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/08/20
  • メディア: Kindle版



水族館の殺人 [青崎有吾]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

夏休み真っ直中の8月4日、風ヶ丘高校新聞部の面々は、
取材先の丸美水族館で驚愕のシーンを目撃。サメが飼育員の男性に食いついている!
警察の捜査で浮かんだ容疑者は11人、しかもそれぞれに強固なアリバイが。
袴田刑事は、しかたなく妹の柚乃に連絡を取った。あの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。
“若き平成のエラリー・クイーン”が、今度はアリバイ崩しに挑戦。

11人の容疑者の、アリバイ崩し、その1点に尽きる作品。
事件に至る過程や動機、犯人の心理描写など一切なし。
それが逆に良いのですけど。

前作が「一本の傘」が中心に事件の真相を描いていったのに対し、
今作はそれが「掃除用のモップ」でしょうか。
このモップ、最後まで引っ張ります。

2作目にして、学校外に出たのは意外でしたが、
意外な反面、裏染を探偵役として出馬させるのはやや無理があったかなと。

密室トリックは図挿入が欲しかったですね。
イメージしにくい部分もありました。

一番疑問だったのは、わざわざ風が丘高校の取材が入っている日に
なぜ犯行を行ったのか。
もちろん、やってくる新聞部員がまさか現場保存や現場写真をあれだけ
しっかり撮るなんて、予想出来ませんが(笑)、
それでも部外者が居ない方が良かったのではないか?

このトリックを用いるのに、この日・この時間という縛りがおそらくないはずで、
そこがちょっと納得いかなかったかな。

ミステリの内容的には「体育館」に軍配がありそうですが、
シリーズものとしてみれば。裏染がなぜ学校に住んでいるのかとか、
袴田妹(柚乃)と、客観的にみると、良い関係にも見えたりと、
他の部分で楽しませてくれました。

学校に住むのは無いにしても、そして殺人事件に巻き込まれるのも
無いにして、こんな高校生活はうらやましい(笑)



水族館の殺人 (創元推理文庫)

水族館の殺人 (創元推理文庫)




水族館の殺人 (創元推理文庫)

水族館の殺人 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: Kindle版



崇徳院を追いかけて [鯨統一郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

星城大学の研究者早乙女静香は宮田六郎と京都へ旅することになり、
かねて興味を抱いていた崇徳院について調べようとする。
その矢先、宮田の知人である京都在住のジャーナリストが失踪、
静香を敵視していた歴史学者が遺体となって崇徳院ゆかりの白峯神宮で見つかるなど、
二人と接点を持つ人物が奇禍に遭う。そして知り合ったばかりの社長令嬢も……。
警察に疑惑の目を向けられながら事件を解明すべく奔走する宮田と静香。
歴史上の謎に通じるその真相とは?

「新・世界の七不思議」と「新・日本の七不思議」の間を繋ぐ物語。
なぜ「新・日本の七不思議」で宮田と静香が一緒に旅行しているのかの
謎が解けます。

物語そのものは、やはりこれまでの短編集の方が俄然面白いです。
シリーズ的には宮田&早乙女静香ですが、
内容は早乙女静香、東川桜子、翁ひとみの「アルキ女(メ)デス」
シリーズに近いですね。
歴史の謎や事象に似通った事件が発生し、それを解決するという流れ。

やはりこのシリーズは<スリーバレー>での、松永を含めたやりとりが
一番おもしろい。
次作はぜひ再び<スリーバレー>を舞台で。





崇徳院を追いかけて (創元推理文庫)

崇徳院を追いかけて (創元推理文庫)




崇徳院を追いかけて (創元推理文庫)

崇徳院を追いかけて (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/07/22
  • メディア: Kindle版



月光の誘惑 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

自ら命を絶つため、高校生の浅倉美紀は灯台に向かう。だが先に、
若い女性が崖の向こうへと消えてしまった。幼い子を残して…。
15年後、美紀は成長した涼子と母娘として暮らしていた。
しかし、涼子の修学旅行のバス事故を皮切りに、浅倉家に不穏な出来事が続く。
美紀の父の病、母の隠し事、妹の悲恋。そして涼子のピアノの発表会で、ついに―。
一気読み必至の疾風サスペンス!

解説の中山七里さんが仰っておりますが、
「一度本を開けばラストに到達するまでは巻を措くことのできない
リーダビリティだ」と。
その言葉に尽きます。

主人公の浅倉美紀とその娘・涼子。
涼子の出生の秘密に迫る物語だけかと思いきや、
彼女たちを取り巻く人たち、それぞれの物語も描かれます。
この各人たちの物語がまた素晴らしい。
そして、この各人たちの物語あればこそ、涼子や美紀の成長が
あるのではないでしょうか。

涼子は本当に強い女性で、赤川作品ならではですが、
この物語を読んでいく上で、彼女が16歳まで育ってきた
過程まで少々想像してました(苦笑

これまでは復刊された赤川作品を読んできましたが、
ノン・シリーズかつ新作は超久しぶり。
しかしこれだけ面白いのはもう読み逃せないので(笑
今後は新作もチェックしよう。




月光の誘惑 (新潮文庫)

月光の誘惑 (新潮文庫)




月光の誘惑

月光の誘惑

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/01/22
  • メディア: Kindle版



キン肉マン 第56巻 [コミック]

シルバーマンとサイコマンの対決も
いよいよ終盤。

キン肉マンたちが大苦戦したマグネットパワーを
いかにシルバーマンは攻略するのか?が1つの見所。

シルバーマンの奥義・アロガントスパークで終戦。
キン肉族三大奥義の一つ、マッスルスパークに類似する弐式の
奥義ですが、シルバーマン曰く「血塗られた技」だと。
そして、キン肉マンの「マッスルスパーク」こそ、その完成形だと語ります。

ゴールドマンとの決戦前夜に壁画に黙々と奥義を描き込むシルバーマンは
なかなかシュールですが(笑)、
キン肉族でほかの2つを使えたのはいたのですかねえ。

それと気になるのは、悪魔将軍=ゴールドマンの壱式奥義。
まさか地獄の断頭台ではないでしょうから、何かあるのでしょう。

次はいよいよキン肉マン vs ネメシスという、キン肉族因縁の戦い。
真弓は何をしているんだ・・・


キン肉マン 56 (ジャンプコミックス)

キン肉マン 56 (ジャンプコミックス)




キン肉マン 56 (ジャンプコミックスDIGITAL)

キン肉マン 56 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: Kindle版



白骨の処女 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

神宮外苑に放置された盗難車両から、青年の変死体が…
その婚約者が大量の血痕を残し謎の失踪…連続殺人?の容疑者には
大阪駅にいたという鉄壁のアリバイが…。
新聞記者が謎の真相を追う…。乱歩も見出した“日本探偵小説”の父、
幻の最高傑作待望の初文庫化。テンポのいい文体はまったく古びていない!

ミステリあれやこれや」さん
をいつも楽しみに拝読させていただいております。
そこで紹介されていたのが本書。
早速購入して私、いやいや小生も拝読しました。

主人公は二人。毎朝新聞の司法記者神尾龍太郎とN新聞社の客員・永田敬二。
自動車盗難事件、青年の変死事件。山津瑛子の失踪事件と次々と起こる事件に、
神尾も永田も全ての事件は一連の関係性があるとし、調査を行いますが、
常に鉄壁のアリバイにぶち当たる探偵役ふたり。
さらに永田までが襲われ・・・

本作はアリバイ崩しがメインを張ってはいますが、核はやはりこの一連の事件の
根源はどこにあるのか?この謎が最大の読み所でしょうか。
犯人を追い詰める神尾の推理には実の所完璧な証拠は無く、
おそらくは神尾だけが隠していた「ある事実」を突きつけた事が
犯人の自白を引き出したのでしょう。

この「ある事実」、読者はおそらく早い段階でわかるのではないかなあと。
私も「あーこれは」と思いました(苦笑

書かれた年が1932年であることを鑑みても、現在にも十分通用する
ミステリでしょう。復刊させた河出書房さんに感謝。


白骨の処女 (河出文庫)

白骨の処女 (河出文庫)




白骨の処女

白骨の処女

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/06/07
  • メディア: Kindle版



ジョジョリオン 13巻-ジョジョの奇妙な冒険part8ー [コミック]

いくら不覚を付かれたとはいえ、
ビタミンCの圧倒的な強さに為す術のない東方家。

空条仗世文と吉良吉影がロカカカの実を奪う話と
現在の東方家vs田最環の戦いが同時並行で描かれる本巻。

シアーハートアタック!!やはり使えたのか。
作並カレラはどうして生きてるんでしょうか?単純にわかりませんでした。
あの兄弟、仗世文にあれだけボコボコにされてまだ生きてたのか・・・

この田最環、かなり頭も働くようで、憲助のスタンドでは
八木山夜露を倒せないだろうと、仗世文の存在をすでに読んでいます。
定助の登場にも多少慌てますが、すぐに状況を理解。
しかし鳩の行動とスタンドまでは予想出来なかった・・・
ウォーキング・ハートってどんな能力なんでしょうね?

しかし次巻が気になるなあ。





ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/07/19
  • メディア: Kindle版



猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 [北山猛邦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「成人までに嫁がねば一族を追放する」――
山に閉ざされた村にある名家・後鑑家の末娘に脅迫状が届いた。
事件は、相談を受けた大東亜帝国大学探偵助手学部二年・月々の体を張った解決策で一件落着、
と思われたが、ゼミ教官で女探偵の猫柳十一弦は、
これから連続見立て殺人が起こると推理。猫柳は惨劇を防げるのか!?

探偵の存在をある種否定するかのような、事件を未然に
防ぐ事が本作品最大の見せ場でしょう。

探偵が国家資格で探偵助手が職業として成り立つ世界であるにも
関わらず、本編で事件を防ぐ事をメインとしたのも面白かったです。

また山村の因習や和歌が、実は後鑑家しかほとんど知らないという
オチも面白い。金田一的な世界かと思いきや、でしたね。
もっとも和歌にはしっかり秘密がありましたが。

ところで、ずいぶんと猫柳探偵と君橋君人のラブコメ要素が
あまりにも盛り込まれすぎていて、読んでいて辛かったです。
そういうシリーズに持って行こうとしているのかなあ・・・やめてくれ。

それと各章に付されている探偵助手五箇条とその章内容が
ほとんど無関係、かつこの五箇条を作った扇孤月が登場するのですが、
ほとんど五箇条へも物語自体にも無関係(事件ではお世話になりますが)。
このあたりは意味がよくわからず。
もっと五箇条を活かした内容には出来なかったんでしょうかね。

音野順シリーズはいつ文庫化するのだろうか。


猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社文庫)

猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社文庫)




猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社ノベルス)

猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社ノベルス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/01/07
  • メディア: Kindle版



日曜は憧れの国 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷の
カルチャーセンターの講座を受けることに。
彼女はその料理教室で、同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。
ところが、教室内で盗難が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推理することに。
多感な少女たちが、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む!
気鋭の著者が贈る校外活動青春ミステリ。

暮志田千鶴・先崎桃・神原真紀・三方公子、性格が全く違う4人が
カルチャーセンターで出会い、そしてちょっと不思議な謎に挑んでいく物語。

四人がそれぞれ主人公の話があり、そこでは主人公=探偵ではなく、
彼女たちのこれまで歩んできた(中学生ながら)生き方を
振り返る物語でもあります。

最終話「いきなりは描けない」では各人がそれぞれのポジションで
謎を解いていく大団円的な内容。

個人的には暮志田千鶴の話が好きです。
単なる窃盗事件ではなく、その先の旗手先生の思惑まで推理を
進ませ、それでいて最後はスッキリ終わるところが好きです。

また彼女がいつのまにか自分の母親のようになっていると気付くことや、
一方で、母親がカルチャーセンターを薦めた理由を実はかなり深い理由が
あるのではと考えてしまった自分がいました(笑

もう少し成長した彼女たちもぜひ観たい。


日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)




日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



キン肉マン 第55巻 [コミック]

キン肉族の開祖であり、正義超人始祖たる
シルバーマンがついに降臨しました。
これで全ての始祖が登場したことになります。

ところで、サイコマンのシルバーマンへの絡みっぷりは
すさまじいなあ・・・
羨望や憧れに嫉妬や妬みと色んな感情が交ざってそう。

シルバーマンvsサイコマンでは、完璧超人の持つマグネットパワー
の是非が問われる戦いでもあります。
キン肉マンやテリーマンは散々苦しめられた上、
それを封じることで戦いに勝利しましたが、
シルバーマンは果たしてどう戦うのかが見物。

さらに来月も刊行されるというありうべからざる事態です(笑
来月も楽しみだー


キン肉マン 55 (ジャンプコミックス)

キン肉マン 55 (ジャンプコミックス)




キン肉マン 55 (ジャンプコミックスDIGITAL)

キン肉マン 55 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/07/04
  • メディア: Kindle版



探偵が腕貫を外すときー腕貫探偵、巡回中ー [西澤保彦]

まずはアマゾンさんの紹介ページから。

毎年、同日同刻に鳩の死骸と人の死に直面する配送員の運命は?
被害者の夫は、なぜ殺人の罪を被ったのか?
契約中の駐車場が、なぜ不特定多数のドライバーに無断駐車される?
公務員探偵“腕貫さん”が、市民が持ち込む事件の謎を鮮やかに解く。
そしてグルメ仲間である女子大生・ユリエのピンチには…。
単行本未収録1編を加えた文庫特別版。

腕貫を外すとき、とタイトルに入っていて、
どこか本気を出すのか的な感じを受けていたのですが、
単にオフの時に相談を受けるというだけで(笑

異色作は「セカンド・プラン」
腕貫さんは葬儀場とあることから、おそらくは「秘密」相談の真っ最中。
ユリエの何気ない一言から、氷見刑事が一気に謎を解き明かします。
腕貫さん不在の時でも、櫃洗市には有能な警察が出てきて良かった。

シリーズお馴染みの作品としては「贖いの顔」と「秘密」。
特に後者は真相がわかる人物が存命していない状況下、
腕貫さんの推理で、市民の抱えた悩みを解決する。

腕貫さんの語った推理が当たっているかどうかはともかく、
主人公・佐浦の悩みは解決されたようですし、ある意味本シリーズの
王道作品ではないでしょうか。

愁眉は「いきちがい」、タイトルが全てと言ってもいいくらいの作品。
このあと待ち受ける展開まで記載されているのもまたおもしろい。

次作も待ち遠しい。


探偵が腕貫を外すとき (実業之日本社文庫 に 2-8)

探偵が腕貫を外すとき (実業之日本社文庫 に 2-8)




探偵が腕貫を外すとき 【電子特別版】 腕貫探偵

探偵が腕貫を外すとき 【電子特別版】 腕貫探偵

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: Kindle版



花嫁は墓地に住む [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女子大生亜由美と聡子は温泉旅行先で不倫カップルの昭男と朱美に出会った。
当然内緒のデートのはずが、四人が泊まっている旅館に朱美の母や恩師、
昭男の妻まで続々集合してしまう!
その上、朱美たちの「ウェディングドレスの幽霊」話を発端に、
消えた一億円を巡る大混乱が巻きおこり…!?
表題作ほか「花嫁は名剣士」収録の大人気ミステリー。

花嫁シリーズ文庫最新作。
内容の前に、体裁のことで。

なにか字が大きくて、1ページにあんまり文字が
入っていないんですよね。
前からそうだったかな?
元々短編ですから、短いのですけど、
ちょっと気になりました。

さて、近年の花嫁シリーズは、登場人物(性格含む)や
必ず花嫁が登場するというシチュエーションからは、
想像できない、社会性、社会への警鐘とも言う作品が多いです。
(個人的感想ですが)

本作でも「花嫁は名剣士」がそれに該当します。
内部告発というテーマを実にうまくシリーズに溶け込ませています。
(さすが赤川さん)
重いテーマを扱いつつも、最後は大団円を魅せるのもさすがです。
「名剣士」での殿永部長刑事の「ステッキの方にぶつかってきた」という
理由は、赤川作品の刑事さんでなければ出てこなそう(笑

表題作はジェットコースターのように物語が進展します。
それぞれ色々な問題を抱えた人たちがあつまる温泉旅館。
墓地で目撃された花嫁とは?
最後に物語を一気に収斂させるのはさすが。

ところで亜由美の恋人・谷川准教授がほんの少しですが、
久しぶりに登場しました。いやー今後の作品ではもっと積極介入を
御願いします。


花嫁は墓地に住む (実業之日本社文庫)

花嫁は墓地に住む (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/06/03
  • メディア: 文庫



花嫁は墓地に住む

花嫁は墓地に住む

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle版



昼と夜の殺意 [赤川次郎]

徳間文庫からの復刊になります。

水城澄音と韻子姉妹は、母に厳しいレッスンを強いられつつも、
ピアノヴァイオリンの天才少女と呼ばれていた。所が二人の性格は真逆!
自由奔放に恋をする澄音に対し、韻子は奥手で姉には驚かされてばかり。
ある日、母の勧めで韻子は音楽界で有名な上尾浩三郎に師事する。
それは不幸の始まりだった。上尾の愛人だと言われ、学校では友人に避けられる。
そんな時に不思議な青年が現れ――。

殺人は起こるものの、メインは水城姉妹それぞれの変化や変遷が物語のメイン。
韻子のある意味では成長物語ともいえます。

主人公は韻子ですが、印象に残ったのは姉の澄音ですねえ。
時に本音を語り、最後にあっと驚かせる行動に出ます。

赤川作品では強い女性が主人公の場合が多いですが、
本作は強いの意味が少し異なる、また違う赤川さんの面が
見える作品ではないでしょうか。

こうした復刊は今後も続けてもらいたいですね。


昼と夜の殺意: 〈新装版〉 (徳間文庫)

昼と夜の殺意: 〈新装版〉 (徳間文庫)




昼と夜の殺意 (徳間文庫)

昼と夜の殺意 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/05/07
  • メディア: Kindle版



家庭用事件 [似鳥鶏]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

市立高校に入学したばかりの頃は、こんなにも不可思議な事件に巻き込まれて、
波瀾万丈な学園生活を送るとは、僕は想像だにしていなかった――。
『理由あって冬に出る』の出来事以前に映画研究会とパソコン研究会との間に起こった、
柳瀬さん取り合い騒動を描く「不正指令電磁的なんとか」。
葉山君の自宅マンションで起こった怪事件「家庭用事件」。
葉山君の妹・亜理紗の学校の友人が遭遇したひったくりから、
葉山家の秘密が垣間見られる「優しくないし健気でもない」など、
5つの謎を描いたシリーズ第2短編集。

葉山くん最初の事件「理由あって冬に出る」以前に起きた
ちょっと不思議な事件から、
伊神さん卒業後までを描く作品集。

葉山くんが主人公ですが、探偵役は最後以外は伊神さん。
電話で聞いただけで解いてしまう彼はまごうことなく名探偵。

本短編集愁眉である「優しくないし健気でもない」は
全編にある「仕掛け」があります。
あえて「仕掛け」と書いたのは、「叙述トリック」と言っていいものか
どうか悩んだ結果です。

この話は今後のシリーズに繋がってくるんでしょうね。

久しぶりの短編集、楽しめました。


家庭用事件 (創元推理文庫)

家庭用事件 (創元推理文庫)




家庭用事件 市立高校シリーズ (創元推理文庫)

家庭用事件 市立高校シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: Kindle版



新仮面ライダーSPIRITS 13 [コミック]

デルザー軍団との戦いが続くライダーたち。
ストーリーが結構難解な気が(笑

大首領を殺そうとする暗闇大使らと、
ニードル、そしてタイガーロイドこと三影と、
いわゆる敵側のそれぞれの動きがやや見えにくい。

とはいえ本巻はV3復活がメイン。
確かに最後に登場したのですが、これは変身機能が戻った
といえるのか?

やはりというか、ダブルタイフーンを修復できるのは1号・2号
しか居ないだろうと思いましたが、あんな取付機能があったとは。

V3の最後のセリフが気になりますねえ。





新 仮面ライダーSPIRITS(13)特装版 (プレミアムKC 月刊少年マガジン)

新 仮面ライダーSPIRITS(13)特装版 (プレミアムKC 月刊少年マガジン)

  • 作者: 村枝 賢一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/05/17
  • メディア: コミック



新 仮面ライダーSPIRITS(13) (月刊少年マガジンコミックス)

新 仮面ライダーSPIRITS(13) (月刊少年マガジンコミックス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/05/17
  • メディア: Kindle版



二人のウィリング [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、
「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。
驚いたウィリングは男の後を追ってパーティー開催中の家に乗り込むが、
その目の前で殺人事件が…。
被害者は死に際に「鳴く鳥がいなかった」という謎の言葉を残していた。
発端の意外性と謎解きの興味、サスペンス横溢の本格ミステリ。

超がつくほど久しぶりに初めての作家さんの著書を手に取りました。
とはいえ、超がつくほど有名な方ですが。

ヘレン・マクロイ氏は「幽霊の2/3」をかつて読んでみようかと
思ったことがありますが、それっきりとなってました。
ちくま文庫から本書が発売されていて、ふと手に取り購入しました。

本書は導入部分にかなり惹かれました。
「発端の意外性」、言い得て妙。

自分と同じ名前を名乗る男。彼はいったい何者で、
どこに行くのか?ウィリング博士は彼の後を追うことに・・・

突然自らに訪れた不思議な出来事から、
博士は華やかなパーティーと殺人事件に遭遇することに。

集まりに参加していた人々に、それぞれ事情を聞きにまわる
博士。彼彼女が抱えているモノは何か。
パーティーの真の目的とは何か。
被害者の「鳴く鳥がいなかった」の言葉の意味とは・・・

最後のウィリング博士の「パーティー会場」への訪問で
ついに被害者の言葉の意味が明らかとなり、
そこには華やかなパーティーとの対極にあるような陰惨さ。
ここの対比も鮮やかです。

犯人のトリックは実はかなり単純なものなのですが、
これがパーティーの中で、実に巧妙に行われており、
まず気付かない(笑

しかし、この犯行動機(つまりはパーティーの意味)は
予想外の真相で、驚きました。
登場人物、というか容疑者は物語序盤と変わらず。
犯人はなんとなく予想はつくものの、この犯行動機と
パーティーの意味は予想できませんでした。

魅力的な導入から、徐々に明らかになる容疑者たちの背景。
パーティーに隠された謎、予想外の真相と、
ミステリとしての魅力をしっかり詰め込んだ作品。
オススメです。


二人のウィリング (ちくま文庫)

二人のウィリング (ちくま文庫)




水木しげる漫画大全集 シリーズ日本の民話・怪奇幻想旅行他 [コミック]

Amazonさんの紹介ページから。

時空を超えた、水木しげるの奇妙な話が一挙集結!
「シリーズ日本の民話」と「怪奇幻想旅行」を完全網羅する他、
単行本初収録となる「天中コブ」など短編全35話をまとめた、大ボリュームの一冊!
人気キャラクターサラリーマン山田の身に、今日もまた災難がふりかかる……。

第1話「役の行者」の話が結構おもしろいです。
千年前にも気の利いた研究をしていたとか、発見した
山田や博士がどこかのんきですしね(笑

「猫の町」は鬼太郎の「猫町切符」を彷彿とさせる作品。
後者は鬼太郎ですら手も足も出なかったお話で、
本作も、いつの間にか、町が猫に支配されていくという、
恐ろしさが残る作品です。

怪奇幻想旅行では「吸血藻」が一番でしょう。
これほどスケールの大きい、そして恐ろしい話もない。
最後に藻の精が「戦争ありがとう、さようなら」の台詞は
強烈な皮肉も効いています。

馬の骨」も表題もおもしろいですが、話もおもしろい。
2101年には馬の骨に支配されるというトンデモ話ですが、
これもある意味皮肉をきかせているんだろうなあ。





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