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遺譜-浅見光彦最後の事件- [内田康夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

本人の知らぬ間に企画された浅見光彦34歳の誕生日会。初恋のひとである稲田佐和との再会に心躍る浅見は、美貌のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハからボディガードを頼まれる。
一度は断ったものの、陽一郎からの要請でアリシアのコンサートが行われる丹波篠山に赴くことに。
彼の地で彼女の祖母の遺譜を捜索するが、手がかりである「インヴェ」に繋がる男が殺され
浅見に嫌疑がかかり!? 
国民的名探偵〈最後〉の事件

70年の時を経て甦る陰謀に、浅見家の人間として下す光彦の決断とは――
ドイツと日本、二つの国で次々に見つかる新事実、「遺譜」に記されていた内容とは?
第二次世界大戦当時から現代へと綿々と続く「盟約」を護り続ける者と、それを狙う者。
浅見光彦が迎える史上最大の危機!

ちょっと更新が滞ってました。

だいぶ前に読んだ本。ついに最終巻を迎えた浅見光彦シリーズ。
本作は殺人事件は起こります、光彦も推理を魅せます。
しかし、そこが本書の見せ場ではなく、70年前の歴史的事実と浅見家、さらには雪江の実家
との関わりがメインでもあり、一方で歴代ヒロインたちのお祭り的小説なのかもしれません。

ちなみにシリーズとしては「孤道」がありますが、こちらは未完のため、
個人的にはシリーズとしてカウントするのか疑問です。
内田康夫先生のご病気が良くなり、完結させて欲しいと思います。

結局浅見は誰と結婚するのかというのが、最後まで実のところ不明。
まあ確かに流れ上は稲田佐和さんなのでしょうが、うーん。
光彦の幼なじみで、唯一の「閉鎖された館」事件をともにした野沢光子でも
良かったような。さらに言えば、僕は本命は須美ちゃんだと思ってたのになあ。

物語は戦前の日本とドイツ、さらには浅見家などの過去を知る壮大なストーリーですが、
事件としてはイマイチです。「北の街物語」の方が面白い。

社会派的、歴史モノでいえば、「遺骨」や「箸墓幻想」、「箱庭」、「皇女の霊柩」
といった作品群が浮かんできますが、本作はどうしても最終作という意味合いが強く
出過ぎており、作品内容そのものの評価は難しいですね。

とはいえ、今後もう読めないのかと思うとやはり寂しい。
映像化も最近下火ですし、ちょっと哀しい気持ちもあります。
しかしシリーズをきちんと完結させて頂けたという意味で内田康夫先生には感謝。
先生本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。


遺譜 浅見光彦最後の事件 上 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 上 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/23
  • メディア: 文庫



遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/23
  • メディア: 文庫



遺譜 浅見光彦最後の事件 上 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 上 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



遺譜 浅見光彦最後の事件 下 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 下 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



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鍵の掛かった男 [有栖川有栖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

中之島のホテルで梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺と断定。だが同ホテルが定宿の作家・影浦浪子は疑問を持った。彼はスイートに5年住み周囲に愛され2億円預金があった。影浦は死の謎の解明を推理作家の有栖川有栖と友人の火村英生に依頼。が調査は難航。彼の人生は闇で鍵の掛かった状態だった。
梨田とは誰か? 他殺なら犯人は? 驚愕の悲劇的結末!

火村英生シリーズ文庫版最新作にして、最大の異色作。
まず探偵役である火村が物語の終盤までメインで登場しないという異例さ。
そしてこれまでワトソン役として火村をサポート(?)してきたアリスが
事実上、探偵役を務めています。

さらにこれまでのシリーズでは、殺人事件が起きる、あるいは疑わしいという所から
始まるのが特徴でしたが、本作は「自殺とは考えられない」という作家・影浦浪子の依頼から、
全てがスタートしています。

一方、梨田稔というか「鍵の掛かった男」の鍵が開いた瞬間から、
彼を殺した人物は果たして誰なのか?というさらなる難問が降りかかります。
アリスの聞き込みから、ホテル関係者、宿泊客の人柄、抱えている事等々、
それらを読者は知った上で、この謎に衝突するのです。
正直なところ、犯人は相当意外です。
ここもこれまでのシリーズと一線を画していると感じました。
読者にこの犯人を指摘するのはおそらく無理なので、
いわば「読者への挑戦状」は挟めないのではないかと思います。
(実際に影浦にそれらしい謎かけをしていますが、読んでいてわかった人、いたのかなあ。)

一方、影浦が奇しくも指摘するもう一人の「鍵の掛かった男」=火村英生。
解説では、火村の鍵が開くときこそ、本シリーズの終焉ではないかと述べられていますが、
有栖川先生が、本シリーズをどう終幕させるのかは、確かに気になるところ。

本作がこれまでと異色であることから、違和感を持つ方もいるかもしれません。
しかし、本作によりシリーズにさらなる幅ができたのではないかと私は感じました。


鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: 文庫



鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: Kindle版



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シュークリームパニック [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「兄ちゃん――金、欲しいないか?」人生大逆転を狙って、場外馬券売り場で見知らぬおっさんが持ち掛けてきた、1人あたり1億円ゲットの銀行強盗計画に参加することにした僕。しかし、その計画は綿密なようでどこかがおかしい。僕の人生は、どうなる!?――スリルと笑いが溢れ出す「現金強奪作戦!(但し現地集合)」。
高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシーンのロケ場所から、彼女の姿が消えた―!?感動的な結末に心がほっこりする中編「夏の終わりと僕らの影と」はじめ、本格ミステリの名手の技が光る。
25歳のOL、真紀の暮らすワンルームマンションに通ってくる、おなかの横に渦巻き模様のある猫――いつしか真紀は、猫を部屋に招き入れ、「うずまきちゃん」と名付けて部屋で遊ぶようになった。そんな日常の中、近隣で傷害事件が発生! 所轄署の若手刑事にして真紀の彼氏である満久は、なんと、うずまきちゃんに事件にかかわる秘密が隠されているという――本格ミステリーなのにかわいさ満点(?)の「通い猫ぐるぐる」。

意外とAmazonの紹介が長くて驚きました(笑
「通い猫ぐるぐる」にはアノ人が登場するかと期待したのですが、残念。

表題作は主人公の推理が冴え渡りますが、結末は・・・

本書オススメは「強運の男」
ホラーミステリとでも言えばいいのか、強運であるのが良いのか悪いのか。

「名探偵南郷九条の失策」は反則ぎりぎり(いや、反則?)のトリック。

最終話はさわやかな青春ミステリ。ラストにはもってこいの話です。


シュークリーム・パニック (講談社文庫)

シュークリーム・パニック (講談社文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫



シュークリーム・パニック (講談社文庫)

シュークリーム・パニック (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: Kindle版



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伽藍堂の殺人~Banach-Tarski Paradox~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる“瞬間移動”殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く“堂”シリーズ第四弾。

本シリーズは森博嗣氏の<真賀田四季>的な立場である善知鳥神と探偵役である十和田只人、
さらには宮司兄妹の物語なんだろうと思ってきました。

しかし、シリーズ最初から登場する数学界の天皇・藤衛<藤天皇>が本書では大きく
クローズアップされ、本シリーズの見方がかなり変わりました。
それは本書の結末を読めば否応なくわかります。

トリックそのものは、本シリーズを読んでいれば多少は予想できるものの、
相変わらずアクロバティックです。
もはやこのシリーズで島が廻ることなど、驚きもしません(笑

本書でのラストを読んで、次作がますます楽しみになりました。


伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫






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虹の歯ブラシー上木らいち発散 [早坂吝]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

『○○○○○○○○殺人事件』で鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!
上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口
――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、
本格ミステリは新たな扉を開く! さらにパワーアップした傑作短編集登場。

日本一エロい探偵とされる上木らいちの第2作にして、連作短編集。
オススメはやはりアリバイ崩しというど真ん中に、その暴き方がらいちらしい「紫」。
そして意外な犯人ならぬ意外な被害者というただ一点のみの「青」

「橙」から、上木らいちの過去の話が登場してきて、
「赤」では各話で太字になっていた箇所の意味と、ある種メタ的な作者による謎解き。
探偵の謎に迫っているようで、実はかなりふざけているようにも読めて、
この「赤」は賛否が分かれるところでしょう。
読んでいて、私はよくわかりませんでした。

しかし本シリーズはこの後も第4作目まで出ており、この上木らいちの正体に
改めて迫っているのかいないのか、そのあたりは読み所?な気がします。


虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

  • 作者: 早坂 吝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫



虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: Kindle版



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探偵ファミリーズ [天祢涼]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

カワイイあのコは、妹?姉?それとも…?
このシェアハウスに集まる家族は全員、探偵!

格安家賃のシェアハウスに住むことになった元・美少女子役の五月女リオは
見返りとして大家の営む「レンタル家族業」を手伝うことに!
リオが演じてみせるのは、人気漫画家の妹役からワケあり老人の息子役まで多種多様。
ひと筋縄ではいかない依頼と次第に増える「家族」たちが、思いもよらない事件を呼び込む!?
結末までイッキ読み、笑いと衝撃の本格ミステリー。

シェアハウスを舞台に、主人公の五月女リオが「レンタル家族業」を通じて
疑似家族を形成していく物語です。
で、その疑似家族を構成していく過程がちょっとした事件となっています。
リオは探偵役という訳ではなく、リオが住むシェアハウス「チロリアンハウス」の大家
である大家さん。

連作短編集の形を取っており、大家さんがどうも物語の核心だなあと思いつつ、
最後どのような形で締めくくるのか楽しみだったのですが、なるほど、そうきたかと。

かなり濃いキャラクター設定になっているのですが、その中で大家さんだけは
どこかイメージしにくいキャラクターでした。
しかし、それは最後のオチを描くための方策だったのかもしれません。
ただし、そのために謎は残ったのですが(笑


探偵ファミリーズ (実業之日本社文庫)

探偵ファミリーズ (実業之日本社文庫)

  • 作者: 天祢 涼
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/08/05
  • メディア: 文庫



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風ヶ丘五十円玉祭りの謎 [青崎有吾]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

夏祭りにやって来た、裏染天馬と袴田柚乃たち風ヶ丘高の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物しても、お釣りが五十円玉ばかりだったのはなぜ?学食や教室、放課後や夏休みを舞台に、不思議に満ちた学園生活と裏染兄妹の鮮やかな推理を描く全五編。『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続き、“若き平成のエラリー・クイーン”が贈るシリーズ第三弾は、連作短編集。

『体育館』と『水族館』、そして未文庫化の『図書館の殺人』直前までの
主人公たちの「日常の謎」を描く短編集。

表題作はもちろん『競作五十円玉二十枚の謎』のオマージュ。
ただし本家と違い、謎は比較的早くわかるかもしれません。
それよりラストの方が面白い。

あとは「おまけ」が気になりました。父親を嫌い家を出ている天馬ですが、
一応「会話」(という名の「推理」)はするようです。
裏染家の「謎」については『図書館の殺人』で少しは語られるのでしょうか。


風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: 文庫



風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: Kindle版



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四次元の花嫁 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

姿を見せない花嫁なんて、まさか、妄想じゃ――?

ブライダルフェアに遊びに来た女子大生・塚川亜由美と親友の聡子は、
会場で不思議な新郎・一柳と出会った。
スタッフのみどりによれば、彼は結婚式のドレスも日程も自分一人で決めて、
新婦は一度も現われていないのだという。
調査を依頼された亜由美だが、帰宅途中のみどりが何者かに襲われて……!?
表題作ほか「花嫁たちの袋小路」を収録。
大人気ロングランミステリー、「花嫁」シリーズ!

表題作では久しぶりに谷山准教授がほんのすこ~しだけ登場。
亜由美&准教授での探偵コンビも久しぶりに読んでみたいものです。

「花嫁たちの袋小路」は何気ない日常が一気に崩壊し、ドラマの世界かのような
事が突然自らに降ってくる、そんな物語です。
最後の大団円は相当に強引な気もしますが、そこが赤川ワールドなのでしょう。

「忙しい花嫁」以来の長編を今度期待します!







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満願 [米澤穂信]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。
鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。
史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

更新がちょっと止まっていました。
ドラクエのせいです(笑

さて米澤穂信先生の作品は古典部シリーズを主に読んでいますが、
ノンシリーズは初かもしれません。

ミステリーなのですが、各話を覆うどこか薄暗い、もの悲しいのが特徴です。
「夜警」は個人的にかなり好きな作品です。殉職した川藤警部補の裏に
隠された謎とは・・・柳岡の推理が行き着いた先とは。

ホラーミステリともいえる「関守」
次々と事故が起き人が亡くなるという峠を取材に来た一人のライターと
ドライブインの老婆が主な登場人物で、老婆の一人語りのような形で
物語は進みます。本作もいったいどういう結末を見せるのか、
読んでいて楽しみだったのですが、その気持ちは裏切られませんでした。

「万灯」はあるビジネスマンが陥った悲劇(あるいは自業自得)
意外な所から足がついてしまうという作品です。

他作品もかなりおもしろく読め、ちょっとノンシリーズにも
手を出したくなりました。


満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 文庫



満願

満願

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: Kindle版



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歴女美人探偵アルキメデス―大河伝説殺人紀行 [鯨統一郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

美人歴史学者の静香、ひとみ、東子(はるこ)の三人が集まるウォーキングの会
〈アルキ女(メ)デス〉の旅の目的地はなぜか川。
北海道の石狩川の岸を歩く三人の目前に、川を仰向けになり流れる女性の姿が。
幸いにして救出され一命を取りとめるが、その女性の夫は数日前に不審な溺死を遂げていた。
事故か事件か、彼女たちの推理は露天風呂でひらめく!?
傑作トラベル歴史ミステリー。

シリーズ第3弾。
今回は河川を舞台としています。
探偵役の早乙女静香、さりげなくヒントを出す桜川東子、物語の登場人物に恋をして、
かつコメディリリーフ的立場である(笑)翁ひとみ。
彼女たち三人が旅する所、事件あり。

本書ではこの必ず殺人事件が起こるという事実を逆手にとって、
彼女たちが遭遇した事件を小説にしている作家がいると物語で語られます。
金田一耕助の「成城の先生」か浅見光彦の「軽井沢のセンセ」等のように、
今後物語に登場してくるのでしょうか?

犯人が絶対に(といって良いと思いますが)合理的に見抜けないのは「石狩川殺人紀行」
これは意外だった。

本シリーズは新たなトラベルミステリーとして確立してほしいと思います。
ミステリ初心者でも気軽に読めて、かつ楽しめる。

しかしもし2時間ドラマになったら配役はどうなるのか・・・


歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行 (実業之日本社文庫)

歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/08/05
  • メディア: 文庫



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さよなら神様 [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「犯人は○○だよ」。クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。やつは神様なのだから。
神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の捜査に乗り出すが…。
衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させ、本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。
他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!第15回本格ミステリ大賞受賞。

神様シリーズ第2弾。
本作の特徴は、最初にその事件の犯人が示されることでしょう。
どんなにその人物に強固なアリバイがあったり、動機がみつからなくても、
神様の言う事に「嘘」はないということが大前提である以上、
逆算でどうすればその人物が犯人なのかを考察していくこととなります。

一方そうしたパターンの中で本書で一番強烈だったのは「バレンタイン昔語り」
そもそもその神様が犯人として挙げた人物は物語に登場すらしていないのです。
そしてさらに本作では被害者に対しても強烈なサプライズを持ってきています。
こうした展開は、神様の言う事は絶対であるという、本作の大前提があるからこそ
生まれる衝撃であり、傑作です。

貴族探偵といい、本書といい摩耶先生の作品には毎回驚かされっぱなしですが、
先生の新作にまた期待したいです。


さよなら神様 (文春文庫)

さよなら神様 (文春文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 文庫



さよなら神様 (文春文庫)

さよなら神様 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: Kindle版



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不思議の国のサロメー第九号棟の仲間たち [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

母親が愛人の首を切り落とした現場を目撃してしまった今村まどか。十四歳の少女の心のケアのため、
ホームズたちがいる“第九号棟”へ入院することになった。ところが入院したその日、看護人が同じように首を切り落とされ殺害されてしまう。自分を“サロメ”だと思い込んだまどかの犯行なのか?
病院から失踪したまどかを追って、ルパンやダルタニアンたちは調査を進める!

今回は九号棟が舞台となる作品。
ホームズやダルタニアンの活躍はいつも通りですが、
ルパンにピンカートン、サラ・ベルナール、ロビン・フッド、
アニー・オークリー、ベートーヴェンにクレオパトラ・・・
まさに(現時点での)シリーズ最終話に相応しい、九号棟の仲間たち
が大活躍します。

一方で主人公の鈴本芳子より、大川一江が本作ではメインを張っていて、
その点でもおもしろい作品です。
というか、これはシリーズを通して、この大川一江の成長を描く作品でもあり、
主人公はもしかしたら彼女なのかもしれません。

最後の大団円も相変わらずですが、しかしシリーズがこれで
終わってしまうのかと思うと、残念でなりません。
ぜひ続編を期待します。


不思議の国のサロメ: 第九号棟の仲間たち6 〈新装版〉 (徳間文庫)

不思議の国のサロメ: 第九号棟の仲間たち6 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: 文庫



第九号棟の仲間たち6 不思議の国のサロメ 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち6 不思議の国のサロメ 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: Kindle版



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禁じられた過去 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

経営コンサルタントの山上忠男は、かつて憧れていた美沙から相談を受けた。
彼女の恋人が、横領の嫌疑をかけられているという。この横領事件をきっかけに、
山上は大きな謀略に陥れられていく。家族、かつての友人、女性秘書…、
周囲の人物までも巻き込んで、事件は目まぐるしく進展する。初恋の女性に心を一瞬奪われ、
危機に陥ってしまった山上の運命は!?

息もつかせぬ赤川作品。
次々と予期せぬ出来事や登場人物が増えていき、まさにジェットコースターサスペンス。

山上忠男の娘であるエリが赤川作品常連の強い女性。
そして何気にほとんど脇役なのですが、MVPといっていい活躍をしたのが
山上夫妻が宿泊した旅館のマネージャー・平松弓子。
彼女の旅館をメインとした短編集でも書いてほしいです。

いかにも怪しげな情報屋や、事件を追う村内刑事と安西刑事の因縁。
ひょんなところで出会った大学時代の旧友・津田との再会、そして事件も
加わり、本筋である、殺害された水野智江子の事件にどう絡むのか。
最後に一気に収斂させるのはさすが赤川次郎先生。
しっかり救いも入ってます。

復刊は本当にありがたいですね。


禁じられた過去 (光文社文庫)

禁じられた過去 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/07/11
  • メディア: 文庫



禁じられた過去 (角川文庫)

禁じられた過去 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/07/13
  • メディア: Kindle版



禁じられた過去 (角川文庫)

禁じられた過去 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫



禁じられた過去 (双葉文庫)

禁じられた過去 (双葉文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 1994/12
  • メディア: 文庫



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ペンギンを愛した容疑者 [大倉崇裕]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「人間の視点で物を考えないでください」 動物オタクの天然系巡査・薄圭子のアニマル推理が大爆発!
ペンギン、ヤギ、サル、ヨウム……現場に残されたペットの生態から、
常識はずれの発想で真犯人をあぶり出す。コンビを組む元捜査一課の鬼刑事・須藤友三も、
薄を認め始めるが。大好評シリーズ、待望の第3弾。

ドラマ化に合わせて過去作の表紙がリニューアルされましたね。
相も変わらず須藤警部補&薄巡査のコンビは見事にペットの世話から
事件を探り出し、解決します。
しかし、そんな「いきもの係」の活躍に対して、所轄や捜査一課などなど、
本来殺人事件を捜査する部署の輩から良く思われていない様子・・・
それだけ彼らの活躍が知れ渡っているのでしょうが、
「いきもの係」設立を主導した鬼頭管理官や石松警部補が止められるのか、
次作以降はそこも心配です。

本書オススメは「サルを愛した容疑者」
二転三転するミステリで、「モルグ街の殺人」を彷彿とさせる内容。

それにしても「小鳥を愛した容疑者」から「蜂に惹かれた容疑者」までが5年(文庫化まで)
とシリーズとしては非常に遅い歩みで進行していましたが、
ここにきて、最新作「クジャクを愛した容疑者」と立て続けに出ていることに驚き。

動物の生態について勉強した上でなければ、このミステリは書けないので、
大倉さん自身、相当な知識を蓄えた上で執筆されているのでしょう。
その点もすごいですね。


ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/15
  • メディア: 文庫



ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Kindle版



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ほうかご探偵隊 [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ある朝いつものように登校すると、僕の机の上には分解されたたて笛が。しかも、一部品だけ持ち去られている。―いま五年三組で連続して起きている消失事件。不可解なことに“なくなっても誰も困らないもの”ばかりが狙われているのだ。四番目の被害者(?)となった僕は、真相を探るべく龍之介くんと二人で調査を始める。小学校を舞台に、謎解きの愉しさに満ちた正統派本格推理。

元々は講談社で企画された、"かつて子どもだったあなたと少年少女のための"<ミステリーランド>から
刊行されたジュブナイルの一冊。

主人公の藤原高時が学校に登校すると、自分の机の周りにクラスメイトが集まって
なにやら騒がしい・・・なんともう使っていないが高時のたて笛の真ん中だけが
無くなっていたのだった。

そういえば、このところクラスでは奇妙なことが。
棟方くんの描いた絵画が消失、さらに学校で飼育していたニワトリの三太までも。
一体どういうことなのだろう・・・

そんなとき、江戸川乱歩を通じて仲良くなった、クラスメイトの龍之介くんと
明智探偵と小林少年ばりの、探偵団を結成し、これらの謎に挑むことに。

驚天動地のトリックや奇想天外な舞台設定などは一切登場しません。
しかし、三太が居なくなった密室状態の不可思議さや、
それを実に論理的に説いていく、本書三分の一を占める解決編、
二重三重にひっくり返る結末と、読み応え十分。
行間にはいる「これでおわりのはずはない」「これではやっぱりおわれない」が
さらに物語に引き込ませます。
謎解きの醍醐味を味わえる秀作です。

ところで探偵役を務めた龍之介には、東京に住む、特に決まった職に就いていない叔父が居て、
彼はその叔父に憧れているようです。

その叔父は「日常が面白くなければ、自分で捜せばいいんだって。物の見方さえ変えて捜せば、
愉快なことなんかいくらだって、そこらじゅうに転がってる」が口癖。

そういえば、龍之介の見た目は「背が小さくて顔が小さくて、そのっくせ目だけはリスみたいに
まん丸で大きい。森の小動物みたいなヤツ」だそうです。

まさかこの叔父とは・・・そして龍之介の苗字が一切でてこないのは、まさか?!
と倉知さんのシリーズ探偵を匂わせ終幕。
というか、ミステリーランドの表紙は明らかに狙っている(笑

そろそろ叔父さんの新しい物語もぜひお願いします!


ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)

ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/06/21
  • メディア: 文庫



ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/11/25
  • メディア: 単行本



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江神二郎の洞察 [有栖川有栖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、すれ違いざまにぶつかって落ちた一冊―中井英夫『虚無への供物』。この本と、江神部長との出会いが僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)入部のきっかけだった。アリス最初の事件「瑠璃荘事件」など、昭和から平成へという時代の転換期である一年の出来事を描いた九編を収録。ファン必携の“江神二郎シリーズ”短編集。

学生アリスが江神先輩と初めて出会うエピソードから、
マリア登場までを描く、まさに連作短編集。

シリーズ第1作『月光ゲーム』がアリスや望月、織田の中で相当な出来事(当然ですが)
として捉えられている様が実によくわかり、本書を読んだ後、改めて『月光ゲーム』を
再読したい思いに駆られました。

オススメは「瑠璃荘事件」
江神先輩の推理は見事です。ただ、アリスや織田も感心はしているものの、
いわゆるミステリに登場する名探偵とは全然・・・と感じているようです。
しかしこれが、『月光ゲーム』で一変するわけです。
アリスが発した一言、「名探偵も他人を信じることができる」。名言です。

マリアにも結局この『月光ゲーム』での出来事を話したアリス。
それが決め手なのかわかりませんが、マリアはEMCに入部します。
そして、彼女の入部こそが第2作『孤島パズル』に繋がります。


江神二郎の洞察 (創元推理文庫)

江神二郎の洞察 (創元推理文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/29
  • メディア: 文庫



江神二郎の洞察 <江神シリーズ> (創元推理文庫)

江神二郎の洞察 <江神シリーズ> (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/29
  • メディア: Kindle版



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五覚堂の殺人~Burning Ship~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

放浪の数学者、十和田只人は美しき天才、善知鳥神に導かれ第三の館へ。
そこで見せられたものは起きたばかりの事件の映像―それは五覚堂に閉じ込められた哲学者、志田幾郎の一族と警察庁キャリア、宮司司の妹、百合子を襲う連続密室殺人だった。
「既に起きた」事件に十和田はどう挑むのか。館&理系ミステリ第三弾!

すでに起きてしまった事件かつ今も続いているのか?それとももう
事件は終わってしまったのか?それが分からないままの状態というのは
中々おもしろいシチュエーションでした。

善知鳥神から出されたヒントはただ一つ、「回転」
相変わらずトリックは見事です。
なので、前書と同じく、後半の動機部分は不要な感じもしました。

シリーズとしてどう進むのか、まだ見えてこない。
早く次々と文庫化を!


五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社文庫)

五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 文庫



五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)

五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: Kindle版



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都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ [天祢涼]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

弁舌巧みなイケメン元国会議員・漆原翔太郎は国民人気を武器に東京都知事へ転身をとげた。
だが都議会襲撃予告、ゆるキャラ殺害など五つの難事件が都政を揺るがす。
問題発言が続き支持率急落の漆原とマジメすぎる秘書・雲井が真相を暴くとき、
東京が、そして日本が変わる!?
ラスト一行まで目が離せない、笑ミス(=笑えるミステリ)連作短編集。

前作に続き、本作も連作短編集です。
都知事になるという前作ラストをそのまま継承し、出馬へ。そして当選!
が、話を進めていくごとに支持率が下落(苦笑
国会議員と違い、都知事は支持率がはっきり出ますからねえ。

第一話から登場する、時の総理大臣・正宗謙吾。
なぜ彼は翔太郎の出馬を止めようとしているのか?
その理由とは?

「第二話 襲撃」はある種のバカミスなのではないかと思いますが、
犯人がどうアイスをぶつけるのかは確かに分からなかった。

本作の鍵となるのが「第三話 馬鹿」。
本編はケンダマーなるゆるキャラを巡るお話なのですが、
最初に出てくる新宿大停電が、物語のキーでもあり、
前作の「第四話 取材」ほどの不気味さはありませんが、
単なる話のマクラかと思いきや・・・

最終話で翔太郎を「危険な政治家」と評する正宗総理。
前作・本作と読了し、なんとなく「暴走する正義」という印象を
翔太郎に持ちました。
彼が行っていることは間違いなく正しい。しかし・・・
まあしかし、雲井がわからないよう、彼が本当に天才なのか、
真性の馬鹿なのか(笑)本作を読んでもわからず。
次はどんなステージで彼の活躍が読めるのでしょうか。



都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

  • 作者: 天祢 涼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/16
  • メディア: 文庫



都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: Kindle版



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今だけのあの子 [芦沢央]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、
どうして私だけ結婚式に招かれないの……(「届かない招待状」)。
環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」
心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと変わった。
「女の友情」に潜む秘密が明かされたとき、驚くべき真相と人間の素顔が浮かぶ、
傑作ミステリ短篇集全五篇。

初めての作家さん、再び。
初めて率が今年は高そうです。

オススメは「帰らない理由」と「答えない子ども」
前者は探偵役が最後の最後で物語を反転させる役割まで担う
離れ業の作品。
探偵役である須山が、最後に見せる感情が、彼の将来を心配してしまいますが、
この彼の将来は次作「答えない子ども」で明かされます。

本作収録の各短編はどこかで物語が繋がっており、
それを探すのも楽しみの1つ。
特に、上記挙げた2作品が連続なのも上手いと思いました。
探偵役である須山が、立派な大人になっていることが素晴らしい。

内容紹介ではイヤミス感のある本書ですが、
それを最後で反転させる構成も見事。
ぜひみなさまご一読を。


今だけのあの子 (創元推理文庫)

今だけのあの子 (創元推理文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/04/12
  • メディア: 文庫



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ウサギの天使が呼んでいる [青柳碧人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ショッピングサイト“ほしがり堂”を経営する深町ユリオ。節操なく色々なモノをほしがり、
方々から集めたガラクタ(お宝)をほしい人に売っている。そんな彼はお宝をゲットしに行くと、
なぜか必ず事件に巻き込まれてしまう!身元不明のゾンビの死体の謎、ゴミ屋敷に隠された秘密など、ほしがり探偵が苦労人の妹と共に、お宝をめぐる数々の事件に挑む。ポップな連作ミステリ。

初めての作家さん、再び。
今後十分にシリーズ化が望める作品です。

そこにお宝があれば、どんな場所でも、どんな状況でも伺います!
たとえ、そこに殺人事件が絡んでいても。
彼の行動理念は明確で、上記の通り(笑

ワトソン役に常識人の妹・深町さくらを配し、日常生活についての知識はほとんど
ゼロなのに、マニアックな知識は群を抜いているという、<名探偵>の条件を
完全に満たしています。初期のシャーロック・ホームズ。

愁眉はやはり表題作「ウサギの天使が呼んでいる」。
ゴミ屋敷になった、のではなく、ある目的のためにゴミ屋敷にしたという、
犯人の狙いや、意外なところでつながる編集者がかつて特集した記事など、
そこかしこにちりばめられた伏線を一気に回収していくのが見事。

「顔ハメ看板の夕べ」はコメディを見ているかのような作品。
読者もおおよそ気付きそうですが、ユリオの観察眼は素晴らしい。

次シリーズも期待したいです。


ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: 文庫



ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: Kindle版



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真夜中の騎士-第九号棟の仲間たち- [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

悪名高い実業家添田が、白馬にまたがった黒い鎧の騎士に剣で殺されるという謎の事件が発生。
しかも愛人今日子の目の前で!次に騎士が現れたのは、あるパーティ会場。
製薬会社会長の黒川の心臓を槍でひと突きにした。騎士の正体とは?何が目的なのか?!
現場に居合わせた鈴本芳子は、被害者の娘黒川さつきに相談を受け、
おなじみ“第九号棟の仲間たち”と「黒い騎士事件」に迫る!

馬に乗ってどこからともなく現れる「黒い騎士」
悪い噂や悪名高い者たちの首を次々と刎ねていく、その様はなんだか
「必殺」シリーズのようでもあります。

ダルタニアンの八面六腑の活躍は相変わらずで、
双璧をなすホームズが今回は影が薄いですね。

鈴本芳子だけでなく、今日子や黒川さつきといった、赤川作品おなじみの
強い女性の活躍も相変わらずで、読んでいて安心感を覚えてしまいます。

1点不満があるとすれば、黒い騎士の背景が描かれなかったことでしょうか。
あえて描かなかったのかもしれませんが、騎士がなぜあのような状況に
なってしまったのか、もう少し触れて欲しかったです。

復刊も次が最終刊みたいですね。寂しい限りです。


真夜中の騎士: 第九号棟の仲間たち5 〈新装版〉 (徳間文庫)

真夜中の騎士: 第九号棟の仲間たち5 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/05/02
  • メディア: 文庫



第九号棟の仲間たち5 真夜中の騎士 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち5 真夜中の騎士 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/05/02
  • メディア: Kindle版



真夜中の騎士 (徳間文庫)

真夜中の騎士 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1993/02
  • メディア: 文庫



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双孔堂の殺人 ~Double Torus~ [周木律]

Amazonさんの紹介ページから。

二重鍵状の館、“Double Torus”。警察庁キャリア、宮司司は放浪の数学者、十和田只人に会うため、
そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。
建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さ
が溢れる。“堂”シリーズ第2弾。

今後のシリーズキャラクターとなる宮司兄妹が初登場となる本作。
放浪の数学者である十和田は他に合理的に考えられないとし、
犯人として逮捕されるという、とんでもない場面から物語がスタートします。

例のシリーズキャラクターはおそらくすぐにわかるはず。
明らかに怪しいので(笑

本作も構造物を実に上手く使ったトリックが用いられています。
それと、ダブル・トーラスという対称性を十和田自身が
一貫して全ての出来事に当てはめていくのが面白い。
宮司のように唖然とするのが普通でしょうが、そこが十和田自身の魅力でもあります。

ところで、本作の第Ⅴ章では謎解きが行われますが、
個人的にはその後の動機解明と犯人独白は蛇足に感じました。
通常のミステリであれば当然あってしかるべきなのですが、
このシリーズは十和田自身も重視していないですが、
動機云々よりも、この<堂>でいかにして事件が起きたのか、が
最大の関心事で、それが解ければ終了なのではないかと。

あと宮司の妹がいまいちよくわからないキャラなので、
次作にその辺も明らかになるのか期待したいところです。


双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社文庫)

双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: 文庫



双孔堂の殺人 ~Double Torus~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)

双孔堂の殺人 ~Double Torus~ 数学者十和田只人 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: Kindle版



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かくも水深き不在 [竹本健治]

Amazonさんの紹介ページから。

森に包まれた廃墟の洋館で次々と鬼に変化(へんげ)していく仲間たち。
何故か見るだけで激しい恐怖に襲われ るCM。想い人のストーカーを追及する男の狂気。
大御所芸人の娘を狙った不可解な誘拐事件。浮かび現われては消える4つの物語は、
異能の精神科医・天野の出現により誰も見たことのない局面へと変容していく。
全ての謎を看破する超越的論理(ロジック)と幻想の融合で煌めく、
めくるめく万華鏡(カレイドスコープ)を体感せよ!

なんと、竹本健治先生の御著書も初めてという、いったいおまえは
ミステリを読んでいるのかと言われそうなブログですが・・・(汗

本作は連作短編集の形を一応は取っているのではないかと思います。
「鬼ごっこ」から「怖い映像」への繋がりは主人公が同一人物かと
匂わせています。

一方で全ての短編に登場する精神科医・天野不巳彦が、この主人公の同一性を
否定しており、天野こそが本作の主人公であると印象付けられます。

短編本体で見た場合、やはり群を抜いているのは「零点監視の誘拐」でしょう。
犯人の真の目的は何なのか?天野が見事なまでの推理を披露します。

最終話「舞台劇を成立させるのは人ではなく照明である」は
これまでの全ての謎を解くという、名探偵の見せ場であり、
これまでの物語全てを反転させる役割を持つ、衝撃作品です。
最終話はサイコホラーな面を全面に出しつつも、本格ミステリとして本書をうまく
まとめている印象を持ちました。名作です。


かくも水深き不在 (新潮文庫)

かくも水深き不在 (新潮文庫)

  • 作者: 竹本 健治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: 文庫



かくも水深き不在

かくも水深き不在

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: Kindle版



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○○○○○○○○殺人事件 [早坂吝]

Amazonさんの紹介ページから。

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。
赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。
さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは? 
「タイトル当て」でミステリランキングを席巻したネタバレ厳禁の第50回メフィスト賞受賞作

ノベルス版の表紙が印象的で(笑)
文庫版はどうなるのかなーと期待してましたが、案外と落ち着いてました。

初っ端から「読者への挑戦状」が入り、作者の煽りが強烈ですが、
このタイトル当て(ミステリとしては初めての試み?)に引っ張られすぎると
本書の犯人当てを見失ってしまう恐れがあります。

孤島での殺人、仮面を付けた登場人物、電話は不通に・・・etcと
これでもかとミステリの「ひな形」を持ってきている本書。

しかし一方で、南国モードとい、一見「厨二病」かと思うような記述が入り込み、
(読んでいてやや苦痛)
語られ始める主人公と成瀬の本格ミステリファンの話などなど。
途中で誰もが疑うある「トリック」について筆者自身が否定するのですが、
これこそが、作者の仕掛けたトリック。

タイトル当てに目を惹かれがちですが、本書の特徴は1つの大仕掛け?
なトリックで、まあバカミスでしょう(笑

私は一度しか読んでないのですが、これは叙述トリックに分類できるのかどうか・・・
どうなんでしょう。


○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 早坂 吝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/04/14
  • メディア: 文庫



○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/04/14
  • メディア: Kindle版



○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)

○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)

  • 作者: 早坂 吝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/04
  • メディア: 新書



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眼球堂の殺人~The Book~ [周木律]

Amazonさんの紹介ページから。

神の書、“The Book”を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人が記者・陸奥藍子と訪れたのは、
狂気の天才建築学者・驫木煬の巨大にして奇怪な邸宅“眼球堂”だった。
二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。
密室、館。メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!

再び新しいシリーズを読み始めてみました。
元々気になっていたのですが、中々文庫化しないなあと。
ここにきて、3冊一気に文庫化しましたので、まとめ買い(笑

本書帯には第1回メフィスト賞受賞作『すべてがFになる」の森博嗣さんが
コメントを寄せています。
「懐かしく思い出した。本格ミステリィの潔さを。」

今年2017年が綾辻行人さんの『十角館の殺人』刊行から30年という節目。
つまりは新本格30周年記念となります。
その前年とはいえ、本シリーズが文庫化したのは極めて大きい意義がありますね。

というのは、本書には「館」シリーズと、「S&M」シリーズの2つの
特徴を備えている、まさに新・新本格とでも言うべき作品。

登場するいくつもの「堂」は沼四郎という人物が建てた奇妙な建築物。
これぞまさに「館」シリーズの中村青司。
そして、探偵役を務める十和田只人の元に常に現れる善知鳥神という、天才数学者の存在。
「S&M」シリーズ(森博嗣作品全般ともいえる)の真賀田四季を彷彿とさせます。
理系ミステリというのも森さんを連想させます。

さて本書はなんといってもこの眼球堂に仕掛けられたトリックが秀逸。
名は体を表すとはよく言ったもので、なぜこの堂が眼球と名付けられたのか、
それが全てです。

また本書は「迷路館の殺人」と同様、作中作の形を取っています。
これも筆者が仕掛けた大きなトリック。
とはいえ、これは本格を読み慣れた読者なら見抜けるでしょう。

本シリーズは大きく変貌を遂げているようで、
早速に次作も読了。しかしどうも次々作で変貌?なのかわかりませんが。
これから読むのが楽しみな作品です。


眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: Kindle版



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議員探偵・漆原翔太郎-セシューズ・ハイ [天祢涼]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

イケメン世襲議員・漆原翔太郎が連発する問題発言でネットやマスコミは大盛り上がり。
一方で評判はガタ落ち、次は落選必至!?政界一のマジメ秘書・雲井は人気回復を狙い、
公園取り壊し計画の不可解な謎や官僚の疑惑など選挙区内の五つの事件に漆原と挑むが…。
ミステリファン笑って大満足の連作短編集。

天祢涼さんの著作は初めてです。
今年は初めての方を次々と読んでいく?!かもしれません(苦笑

小説のみならず、2時間ドラマ含め、探偵役を務める職業は数あれど、
政治家というのは私見ではほとんど聞いたこと(見たこと)がありません。

その政治家が説く謎は、いわゆる「日常の謎」
自分の選挙区内でおける有権者からの「陳情」にひたすら耳を貸し、
問題を解決するのが二世議員・漆原翔太郎。
そのワトソン役かつ語り手は被書の雲井。

この翔太郎。政界や世間の評判は上がったり下がったり、
とてもおもしろい政治家です。
そして雲井が言うように、「キレる」のに馬鹿な振りをしているのか、
それとも正真正銘の「馬鹿」なのか、果たしてどちらなのでしょうか?

連作短編集の形を取っており、オススメは「第三話 選挙」
なんとなくバカミスの気もしますが、この一件で翔太郎株も爆上げに(笑

そして物語が急展開を見せ始めるのが「第四話 取材」
この第四話が布石となり、「第五話 辞職」に繋がります。
この最終話にて、実はワトソン役の雲井が翔太郎最大の切り札であるというのも
またおもしろい。
潔く議員辞職する翔太郎の姿は今の政治を皮肉っているとも捉えられますね。

そして次作「都知事探偵」ももうすぐ文庫化のようです!
こちらも楽しみです。


議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

  • 作者: 天祢 涼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 文庫



議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: Kindle版



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クレオパトラの葬列-第九号棟の仲間たち [赤川次郎]

Amazonさんの紹介ページから。

鈴本芳子二十歳。奇妙な仲間――ホームズ、セルバンテス、ダルタニアンらとともに探偵業を楽しんでいる。
ある日、三矢産業の社長令嬢、大矢朋子から相談をもちかけられた。
浅井聖美という女に経営陣たちが骨抜きにされ、会社を乗っとられそうだというのだ。
さらに朋子の母があやうく殺されそうになって……。
『華麗なる探偵たち』でおなじみの仲間たちがまたまた大活躍! 長篇ユーモア・ミステリ。

三人で始めた会社に現れた一人の女性・浅井聖美。
彼女の目的は会社の乗っ取り?
元夫の浅井文吉も彼女に殺されると話し出す始末で・・・

ホームズとダルタニアンの活躍はいつも通りですが、
今回はダルタニアンを巡って二人の女性が「決闘」するという異常事態も(笑
それだけではなく、大川一江にも恋人が!

浅井聖美の目的を探るうちに殺人事件までが発生し、
混迷を深めていくばかりですが、そこはホームズ。
そして大矢朋子の奮闘も忘れてはいけません。

しかし本書のMVPはやはりルパンでしょう。
鈴本芳子の危機を見事に救っていますし、彼女もこれには
気付いていなかった様子。

彼女とホームズたち九号棟の仲間たちの冒険が
いつまでも続いてほしいですね。


クレオパトラの葬列: 第九号棟の仲間たち4 〈新装版〉 (徳間文庫)

クレオパトラの葬列: 第九号棟の仲間たち4 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: 文庫



第九号棟の仲間たち4 クレオパトラの葬列 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち4 クレオパトラの葬列 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: Kindle版



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回想のぬいぐるみ警部 [西澤保彦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

殺人現場に遺されていた、パンダの特大ぬいぐるみ入りの段ボール箱。
被害者とは別人の名前で伝票も用意されており、集荷直前に襲われたらしい。
音無美紀警部は、なぜ購入店で直接配送を頼まなかったのか、をヒントに捜査を進めると
被害者の意外な人間関係と真相が明らかになる――。
ますます冴える推理と美貌で周囲や事件関係者を驚かせる音無警部と、その部下たちの活躍を描く全5編。一方で、音無のぬいぐるみへの偏愛ぶりが周囲にも知られ始め……。
強烈キャラクターも加わりパワーアップした、ユーモア推理第3弾。

前作では音無警部の「ぬいぐるみ」好きを知る桂島刑事がワトソン役だった印象が
強いのですが、本書ではその側面はかなり後退し(というか、桂島刑事があまり出てこず)、
警部を「小説上の名探偵」と持ち上げている(実際そうですが・笑)江角刑事。
そして警部に恋する則竹佐智枝刑事。
この二人がメインを張る(ただし探偵役ではないところがおもしろい)2編も収録。

特に、則竹刑事主人公の「離背という名の家畜」は彼女の同級生・材瀬理恵が
偶然にも事件に巻き込まれていた?お話なのですが、
ラストは描かれず、彼女が果たしてこの後どう行動したのか、とても
興味が惹かれます。
にしても、実の母親の殺人事件が意外なところで結びつくというのは、
西澤先生はさすがに上手い。
名前がやたら難しいのに、なぜすんなり読めたのかの伏線もきいてます。

ところで、本書では江角も則竹も音無警部がぬいぐるみ好きであることに
どうも気付いている感じですね(いや、前からそうだったのか?)。
であるからこそ、桂島刑事登場の必然性が薄れたか。

そして筆者も「あとがき」で書いていますが、恐れていたもう一人の名探偵
が登場しました。
前作に登場した階堂美月その人。なんと5編中2編で探偵役を!
「腕貫探偵」シリーズと同様、もう一人名探偵が生まれるかもしれません。


回想のぬいぐるみ警部 (創元推理文庫)

回想のぬいぐるみ警部 (創元推理文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/03/11
  • メディア: 文庫



回想のぬいぐるみ警部 (創元推理文庫)

回想のぬいぐるみ警部 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/03/11
  • メディア: Kindle版



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新仮面ライダーSPRITS 15 [コミック]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

思念体となることで「虚無の牢獄」への侵入を果たしたライダーマンは、
一騎討ちで大首領JUDOを討ち果たさんとする。
“異端の仮面ライダー”ゆえの勝機を見いだした刹那に、反撃の機を探るJUDOが掴んだ「記録」
‥‥それは理想と現実の狭間でもがき苦しむ若き日の結城丈二の姿だった──。

ライダーマンこと結城丈二が、イレギュラーの仮面ライダーであることを逆手に
とって、大首領へ戦いを挑む本巻。
自らの命を賭けて挑みましたが、JUDOは彼の過去を知ることで、彼を殺さず
生かす判断を下します。

本巻見所は、上記述べた結城の過去が語られることでしょうか。
どういう経緯でデストロンに入ったのか。首領をV3から庇うシーンも描かれています。

それにしても、BADANとの決着もそろそろ付けてほしいなあ。
結構な長期連載になってますしねえ。
もちろん、ライダー個人個人の物語は非常におもしろいのですが、
話の前進もぜひ。


新 仮面ライダーSPIRITS(15) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

新 仮面ライダーSPIRITS(15) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

  • 作者: 村枝 賢一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/17
  • メディア: コミック



新 仮面ライダーSPIRITS(15)特装版 (プレミアムKC 月刊少年マガジン)

新 仮面ライダーSPIRITS(15)特装版 (プレミアムKC 月刊少年マガジン)

  • 作者: 村枝 賢一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/17
  • メディア: コミック



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雨の夜、夜行列車に [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「今夜、九時の列車よ―」組織の金を盗んで命を狙われている逃走中の宮部は、
自宅で彼を待ち続けている妻の亜紀子と、夜行列車で落ち合う約束をしていた。
しかしその列車には、宮部を逮捕しようとする刑事たち、地方へ講演に出かける元大臣とその秘書、
自殺しそうな元サラリーマンと駆け落ちしようとしている元部下など、
各々の幸せを掴むための人たちが、乗り込もうとしていた。彼らを待ち受ける衝撃の結末とは―。

かつて徳間文庫から刊行されていた本書を、角川文庫で再販した作品。
主人公の宮部は、どういう訳か女性が常に側におり、放っておけない存在のようです。
その妻・亜紀子もその一人。刑事から取引を持ちかけられ、体を許してまで、夫を助けようと
尽力します。
しかし、本作はこの宮部の浅はかな行動によって、次々と犠牲者が生まれます。

宮部が主人公と書きましたが、実質的には妻の亜紀子と刑事の小村、この2人を
中心に物語は進みます。

相棒の工藤が自分の妻と浮気していることを知った小村は、宮部と間違われ、
組織に工藤を殺害させようと画策します。

一方、物語最初の登場人物は、かつて一度だけ大臣を務めた富田恒宏と
その邸宅で働く中田貞子。
この富田、すでに政治家は引退しているようですが、視察や講演がその日その日に
入っていると思ってしまっている、困った老人で、貞子はそれをうまくコントロールする女性。
今日も、今夜9時の「夜行列車」で講演先に向かうようです。

さらに会社をリストラされた事を妻に話せず、自殺しようとする沼木正司。
しかしそれを以前の同僚米田恵理に止められ、二人で今夜9時の「夜行列車」で駆け落ち
することに。

物語は先に述べたように亜紀子と小村、そして宮部の逃亡劇が中心ですが
21時の「夜行列車」に乗るという、共通の目的を持った、そしてそれぞれいろんなものを
抱えた人物たちが織りなす、それぞれの物語であり、タイムリミット・サスペンスでもあります。

物語最終では、ほとんど無関係で終わるかと思われた富田のある行動で
小村の目論見が崩れるのですが、この富田の行動が本作最大の驚きでした。
いや、こういう政治家って、今いるのかなあ。

沼木の物語は、娘の万里が父を取り戻すための奮闘劇。ラストが彼らの物語で
終わる所がまた良い。

まだまだ隠れた名作、多そうです。


雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/01/25
  • メディア: 文庫



雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/01/25
  • メディア: Kindle版



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