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完全恋愛 [ミステリ]

第9回本格ミステリ大賞受賞、このミステリーがすごい!2009年版第3位
となった大型新人?牧薩次の作品「完全恋愛」です。

まあもちろん牧薩次とは、辻真先さんが描く
ポテト&スーパーシリーズに登場する人物で、
彼が本庄究(柳楽糺)が書いた伝記という体裁を取っています。
以下若干のネタバレあり。



本作はまさに本庄究が一生涯を通して貫いた「完全恋愛」、
そして恋は盲目とはよく言ったもので、その恋の力から
犯した事件について描いたものです。

もっとも謎が多いのはやっぱり最初の事件ですかねえ。
究自身の口から語られますが、
どうもこの事件の後の、「彼女」の行動や考えが
全くわからない。
究の行為を知らなかったとは思えないし、
なんとも思わなかった訳はまずないしなあ、不満です(笑

もう1つはもう一人の「彼女」の究への取った夜這い(笑
やっぱり好きだったのかなあ。

2つめの事件は凶器が飛んだという突拍子もない
謎からスタートしますが、この謎よりも
ポテトが明かした「蟻巣」での会話からの推理が見事。
なるほどなあと。確かにあだ名で呼んでいるのは
分かったのですが、そういうことかと。

これは3つめの事件にも関わってきますが、
最初の究と「みィちゃん」の描写。
ここにトリックを持ってくるとは思わなかったです。
まあその後お金の出所が「三億円事件」てのは
若干蛇足だった気もしましたが(笑

最後に究が言った「騙さされていたのは私かもな」という言葉、
これは非常に重いというか、
誰に、そして何を、ひょっとしたら魅惑の事なのかもしれないし、
朋音の事なのかもしれないし、
ここの解釈は読み手に任せた、という事なのでしょうか。

牧薩次名義での発表はやはり名前のトリックに拠るもの
なんですかね。

推理小説というよりも、戦前から現在までの一人の伝記、
それも一人の女性に捧げた恋愛の物語として読む方が
楽しめるかもしれません。
また各事件よりも、その伏線の張り方が見事。
物語の最初から最後まで、全てに伏線を張り巡らせて
それを一気にポテトの推理によって収斂させる鮮やかさは
さすが大御所辻先生。

しかしポテト&スーパーシリーズ、「改訂~」以後の作品も
創元推理文庫で復刊してくれないかなあ。


完全恋愛 (小学館文庫)

完全恋愛 (小学館文庫)




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