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雨の夜、夜行列車に [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「今夜、九時の列車よ―」組織の金を盗んで命を狙われている逃走中の宮部は、
自宅で彼を待ち続けている妻の亜紀子と、夜行列車で落ち合う約束をしていた。
しかしその列車には、宮部を逮捕しようとする刑事たち、地方へ講演に出かける元大臣とその秘書
自殺しそうな元サラリーマンと駆け落ちしようとしている元部下など、
各々の幸せを掴むための人たちが、乗り込もうとしていた。彼らを待ち受ける衝撃の結末とは―。

かつて徳間文庫から刊行されていた本書を、角川文庫で再販した作品。
主人公の宮部は、どういう訳か女性が常に側におり、放っておけない存在のようです。
その妻・亜紀子もその一人。刑事から取引を持ちかけられ、体を許してまで、夫を助けようと
尽力します。
しかし、本作はこの宮部の浅はかな行動によって、次々と犠牲者が生まれます。

宮部が主人公と書きましたが、実質的には妻の亜紀子と刑事の小村、この2人を
中心に物語は進みます。

相棒の工藤が自分の妻と浮気していることを知った小村は、宮部と間違われ、
組織に工藤を殺害させようと画策します。

一方、物語最初の登場人物は、かつて一度だけ大臣を務めた富田恒宏と
その邸宅で働く中田貞子。
この富田、すでに政治家は引退しているようですが、視察や講演がその日その日に
入っていると思ってしまっている、困った老人で、貞子はそれをうまくコントロールする女性。
今日も、今夜9時の「夜行列車」で講演先に向かうようです。

さらに会社をリストラされた事を妻に話せず、自殺しようとする沼木正司。
しかしそれを以前の同僚米田恵理に止められ、二人で今夜9時の「夜行列車」で駆け落ち
することに。

物語は先に述べたように亜紀子と小村、そして宮部の逃亡劇が中心ですが
21時の「夜行列車」に乗るという、共通の目的を持った、そしてそれぞれいろんなものを
抱えた人物たちが織りなす、それぞれの物語であり、タイムリミットサスペンスでもあります。

物語最終では、ほとんど無関係で終わるかと思われた富田のある行動で
小村の目論見が崩れるのですが、この富田の行動が本作最大の驚きでした。
いや、こういう政治家って、今いるのかなあ。

沼木の物語は、娘の万里が父を取り戻すための奮闘劇。ラストが彼らの物語で
終わる所がまた良い。

まだまだ隠れた名作、多そうです。


雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

雨の夜、夜行列車に (角川文庫)




雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

雨の夜、夜行列車に (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/01/25
  • メディア: Kindle版



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コースケ

はじドラ様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2017-03-20 18:42) 

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2017-03-20 18:43) 

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