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かくも水深き不在 [竹本健治]

Amazonさんの紹介ページから。

森に包まれた廃墟の洋館で次々と鬼に変化(へんげ)していく仲間たち。
何故か見るだけで激しい恐怖に襲われ るCM。想い人のストーカーを追及する男の狂気。
大御所芸人の娘を狙った不可解な誘拐事件。浮かび現われては消える4つの物語は、
異能の精神科医・天野の出現により誰も見たことのない局面へと変容していく。
全ての謎を看破する超越的論理(ロジック)と幻想の融合で煌めく、
めくるめく万華鏡(カレイドスコープ)を体感せよ!

なんと、竹本健治先生の御著書も初めてという、いったいおまえは
ミステリを読んでいるのかと言われそうなブログですが・・・(汗

本作は連作短編集の形を一応は取っているのではないかと思います。
鬼ごっこ」から「怖い映像」への繋がりは主人公が同一人物かと
匂わせています。

一方で全ての短編に登場する精神科医・天野不巳彦が、この主人公の同一性を
否定しており、天野こそが本作の主人公であると印象付けられます。

短編本体で見た場合、やはり群を抜いているのは「零点監視の誘拐」でしょう。
犯人の真の目的は何なのか?天野が見事なまでの推理を披露します。

最終話「舞台劇を成立させるのは人ではなく照明である」は
これまでの全ての謎を解くという、名探偵の見せ場であり、
これまでの物語全てを反転させる役割を持つ、衝撃作品です。
最終話はサイコホラーな面を全面に出しつつも、本格ミステリとして本書をうまく
まとめている印象を持ちました。名作です。


かくも水深き不在 (新潮文庫)

かくも水深き不在 (新潮文庫)




かくも水深き不在

かくも水深き不在

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07/20
  • メディア: Kindle版