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密室殺人ゲーム・マニアックス [歌野晶午]

“頭狂人”“044APD”“axe”“ザンギャ君”“伴道全教授”。
奇妙なハンドルネームを持つ5人がネット上で仕掛ける推理バトル。
出題者は実際に密室殺人を行い、トリックを解いてみろ、とチャットで挑発を繰り返す。
謎解きゲームに勝つため、それだけのために人を殺す非情な連中の命運は、いつ尽きる!?

本書は歌野さんによれば「外伝的」作品との事。
これまでと同様に、同じハンドルネームを持つ5人が自らの殺人を
説明し、それをいかに行ったのかを、他の4人に解明させる・・・

しかし本書ではそれを4人に限らず不特定多数のネット閲覧者たちに
これまで「密室」5人の中で行われていたやりとりを公開するという
暴挙に出ます。

これにより「axe」こと東堂竜生が指名手配される事になりますが、
「頭狂人」がこれまで通り殺人の出題を出す事に。

外伝であるというのは、完全ネタバレになるので詳しくは書けませんが(苦笑
これはこれでありだろうと思います。

「王手飛車取り」「2.0」で触発された模倣犯を一段昇華させた犯人とでも
言えばいいでしょうか。

ところで「Q2 本当に見えない男」では驚愕の、というかSFトリックのようなものが
出て来るのですが、この事件は結局解明されてないのがやや気になります。

三部作ラストはまだ執筆されていませんが、
どういう物語になるのか、早く読みたいですね。


密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)




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舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵 [歌野晶午]

前作『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』の続編。

前作が主に叔父である刑事の舞田歳三の視点からであったのに対し、
本作では、舞田ひとみの小学生時代の友人・高梨愛美璃の視点による
物語になります。

前作では「探偵」とまではいかず、あくまで何気ない(本人も意図せず)ヒントを
叔父に出していたひとみですが、本作では完全に名探偵として登場します。

一方で前作でメインを張っていた歳三やひとみの父親・理一は脇役に。
父親に至っては名前すら登場せず、すごく哀れな登場で終わってます(苦笑

ただこの登場のしかたはまさにひとみが多感な思春期を迎えた事を意味する
訳で、11歳から14歳への成長が、父親の描き方でわかるようになっている、と
私は解釈しました。

歳三の方は相変わらずちょこちょこと登場しますが、前作と違い、メインを
張りません。事件が起きるため、彼を媒介としているというのが色濃く出ています。

そして本作最大の特徴は、ひとみの成長とともに、友人高梨愛美璃の家庭
が抱える問題が物語を追うごとに浮かび上がっていく事です。
本作愁眉は「誘拐ポリリズム」と私は思いましたが、この話からがぜん物語は
愛美璃、そしてひとみが抱えている家庭の問題へシフトしていく(と思いました・苦笑)

本書最終話のタイトルは「母」。
てっきりひとみの「母」の事か?と思いきや、そちらも登場しますが、
メインはやはり高梨愛美璃の母親の事です。
「誘拐ポリリズム」で愛美璃が感じた違和感を未だ伝えられずにいる心情
が描かれます。
物語自体もある事情で離ればなれになった母と子の話であり、
よりひとみと「母」、愛美璃の「母」への想いがうまくリンクしています。

とまあ、中身の事件メインでなく、全く違う描写がとても気になって感想を書いてみました(苦笑
ひとみが名探偵として活躍するのは間違いないので、11歳からどのように
成長したのかをぜひ読んでみてください。
というか、これは続編はあるのか?!無いのは残念すぎる・・・





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舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 [歌野晶午]

いつも拝見させて頂いているブログで紹介されており、
気になったので続編とともに購入しました。

姪っ子の何気ない一言が、意外な事件の内幕を
暴いていく、というシリーズのようです。

オススメは「金、銀、ダイヤモンド、ザックザク」
結末はいかにも子どもらしいですが、その子どもらしさが生んだ悲劇ですね・・・
「いいおじさん、わるいおじさん」「いいおじさん?わるいおじさん?」は
タイトルが示すように大きく関連しています。
主人公舞田歳三はよくまあこの真相を見抜いたというふうに感じました。

「そのひとみにうつるもの」ではこれまでちょくちょく登場していた
アナウンサーの野々島愛と歳三、そしてひとみとの関係が明かされます。
歳三と兄・理一は、この物語の後、ひとみにどう接したのか、それは続編で明らかになるのでしょうか。





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密室殺人ゲーム2.0 [歌野晶午]

ようやく超多忙な時期が一段落しました・・・
ブログも通常更新にたぶん戻ります。

さて復帰後(?)第1段はもうだいぶ前に読んだもので恐縮ですが、
歌野晶午さんから。
本格ミステリ大賞受賞作にして、
前作「密室殺人ゲーム王手飛車取り」の続編!

さて本作では前作の主人公たちがどうなったのか、
それが語られています。
そしてそのあまりにショッキングな内容から、
公表は伏せられていましたが、
その内容を含んだデータが流出した事で、
第二の頭狂人らが登場することになったのです。

探偵であり殺人鬼でもある「今回の」五人は
前作のハンドルネームをそのまま用いて、彼らに敬意を表します。

個人的にはQ3「切り裂きジャック三十分の孤独」が秀逸でした。
なぜ死体を損壊する必要があったのか、この問いに実に見事に答えてくれています。
若干バカミスな気もしますが、これは純粋にすごいと思う。

ところで、このQの表題は本歌取りですよね?前作もそうでしたけど。
Q3は島田荘司御大、Q4は有栖川有栖さん、Q?は岡嶋二人さん、
えーと後は・・・Q5はカー?Q6、高木彬光さん?、Q1はごめんなさい、わかりませんでしたm(_ _)m

このシリーズは間違いなくまさに現代の本格だろうなあ。
実際の所、こうしたゲームが行われていても、不思議に思わないというのが
怖いところです。
次作「マニアックス」ではどんな謎を用意してくれるのでしょうか・・・


密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)

密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)




密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 文庫



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密室殺人ゲーム王手飛車取り [歌野晶午]

「葉桜の季節に君を想うということ」で
日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞など
2004年のあらゆる賞を総なめにした作者の渾身(?)の作品
解説によると本書は三部作構想になるとか。
(すでに第2作「密室殺人ゲーム2.0」は発売)

さて本書はハンドルネーム、チャット、という
インターネットの仮想空間での4人が登場します。

こうしたネットの仮想空間やハンドルを利用した
作品で真っ先に思い出すのは
小説版金田一少年の事件簿「電脳山荘殺人事件」です。
この作品では、パソコン通信で知り合った男女複数名が
それぞれの「役割」をこなすことで、一人の男性を殺害する
という内容。
オフ会にてそれぞれのハンドルを名乗った彼らが
次々と殺害され、金田一はその連続殺人の謎を解きます。

そこで本書に立ち戻ると、
本書は<044APD>、<axe>、<ザンギャ君>
<伴道全教授>、そして本作の語り手である<頭狂人>
の5名が映像と音声によるAVチャットを行うという設定になっています。

そしてそこで語られるのは各人が起こした現実の殺人事件。
他の4人はその事件の謎を解く、<探偵役>となるのです。
4人からすれば犯人はわかっている、なので
犯人から示された謎(ミッシング・リング、アリバイ、密室etc・・・)
を、犯人から与えられたヒントやネットなどからの情報を基に
解き明かしていくわけです。

本書を読んで思ったのは、探偵とはなんともやるせない存在ですね(苦笑
目の前に犯人が居て、犯人からのヒントや情報が無いと、
どうすることもできない。
<axe>による連続殺人は止めることはできませんでした。
探偵とはなんと無力なのか?(笑

あくまで自らが実行したい計画に乗っ取った殺人。
そこに動機も怨恨もそうした個人的感情は存在しない。
だからこそ純粋に推理ゲームとして、彼らは楽しめるのでしょう。

それにしても度々出てくる本格への皮肉やらネタがおもしろい。
それに「生首に聞いてみる?」は死体焼失トリックとして見事。
法月さんのアレが元ネタですよねえ(笑

本編途中からクライマックスまでは、
<頭狂人>が暖めに暖めた殺人を実行。
まあこれこそ彼でなければできなかったというものですね。
そしてラストはさらなる欲求や興奮を求めて
彼はとてつもない行動に打って出ます・・・

さて続編は再び彼らが登場するのか、
それともまた別の登場人物による話なのか、
早く読みたいなあ。


密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 文庫



葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫



生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫



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そして名探偵は生まれた [歌野晶午]

歌野晶午さんの御著書を読むのは初めてです。
やっぱりタイトルに惹かれました。
本作収録の各短編については解説を読むとよ~くわかります。
以下、ネタバレ。


本作オススメは「生存者、一名」。
屍島に閉じこめられてしまったとある宗教団体のメンバー。
彼らはその宗教団体の教えからテロ行為を行ってこの屍島に逃げてきました。
1,2ヶ月後には海外へ行けるとの約束だったのですが、それは宗教団体の嘘であり、
実際には見捨てられてしまったのです。
さて、そのような状況にも関わらず、なぜかメンバー5人の内、
一人、また一人と殺害されていきます・・・
一体誰が、何のために?
その動機は「そういうことか!」と思わず納得してしまいましたが、
犯人の思惑とは全く違うラストが待っていました。
それはまあ我々しか知り得ない、挿入される新聞記事で知ることができます。

「そして名探偵は生まれた」は本格のパロディでもあり、本格ミステリでもあります。
本編に登場する探偵・景浦逸見は間違いなく名探偵です!
しかし本当に愚痴ばっかだなあ(笑
ただ現実に本格ミステリのような事件が起きた場合、
そしてそれを名探偵が解いた場合、ここで述べられているような事が
実際に起こりそうですねえ。

彼の後を受け継いだ探偵は、名探偵にはなれないんじゃないかなあ。
あくまで景浦の推理を述べたに過ぎないし、
景浦は酔っぱらっているにも関わらず、話を聞いただけで、事件を見抜いていましたからね。
あれはすげえ!と思ってしまいました(笑





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