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猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 [北山猛邦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「成人までに嫁がねば一族を追放する」――
山に閉ざされた村にある名家・後鑑家の末娘に脅迫状が届いた。
事件は、相談を受けた大東亜帝国大学探偵助手学部二年・月々の体を張った解決策で一件落着、
と思われたが、ゼミ教官で女探偵の猫柳十一弦は、
これから連続見立て殺人が起こると推理。猫柳は惨劇を防げるのか!?

探偵の存在をある種否定するかのような、事件を未然に
防ぐ事が本作品最大の見せ場でしょう。

探偵が国家資格で探偵助手が職業として成り立つ世界であるにも
関わらず、本編で事件を防ぐ事をメインとしたのも面白かったです。

また山村の因習や和歌が、実は後鑑家しかほとんど知らないという
オチも面白い。金田一的な世界かと思いきや、でしたね。
もっとも和歌にはしっかり秘密がありましたが。

ところで、ずいぶんと猫柳探偵と君橋君人のラブコメ要素が
あまりにも盛り込まれすぎていて、読んでいて辛かったです。
そういうシリーズに持って行こうとしているのかなあ・・・やめてくれ。

それと各章に付されている探偵助手五箇条とその章内容が
ほとんど無関係、かつこの五箇条を作った扇孤月が登場するのですが、
ほとんど五箇条へも物語自体にも無関係(事件ではお世話になりますが)。
このあたりは意味がよくわからず。
もっと五箇条を活かした内容には出来なかったんでしょうかね。

音野順シリーズはいつ文庫化するのだろうか。


猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社文庫)

猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/07/15
  • メディア: 文庫



猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社ノベルス)

猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社ノベルス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/01/07
  • メディア: Kindle版



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猫柳十一弦の後悔 [北山猛邦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

大学の探偵助手学部に通う君橋と月々は、志望のゼミに落ち、
悪ふざけで出した第3希望の猫柳ゼミ行きが決定してしまう。指導教官は、
功績不明かつ頼りなさげな女探偵・猫柳十一弦(25歳)。
ショックを受ける二人だったが、名門ゼミとの合同合宿が決まり、
勇んで向かった孤島で、本物の殺人事件に遭遇する!

北山さんの新シリーズ。
本ブログでも「城」シリーズや音野順シリーズは
かつて記事で書かせて頂きました。

まずおもしろいのは、架空ではありますが、
探偵になるのではなく、探偵助手になるというのが
本作主人公君橋とその相棒・月々守。
どうやらこの世界では、名探偵になるには
頭脳だけでは駄目そうな感じですね。

そして博士号的なものとして、名探偵号があるようです。
ぜひほしいものです(笑

二人は、大東亜帝国大学探偵助手学部へと入学し、
各名探偵のゼミに属するのですが、
なんと第三希望の猫柳ゼミに二人して入る事に。
そこで人気No1の雪ノ下ゼミとの合同孤島合宿に参加する
事になる猫柳とクンクン、マモル。
なんと孤島では連続殺人が起こってしまい・・・


この連続殺人では、やはり最初と二番目の殺人が見事。
二番目の箱の中の殺人と一番目の杭を打たれた「奇妙な屍体」の
一見関係が薄そうなものが、犯人が実に周到に用意した
舞台装置のようなものだったというのは、本作では愁眉かなと思いました。

ただし物語の設定として、探偵助手学部や名探偵と呼ばれる人たちや
その辺りはほとんど掘り起こされていないのが残念ですね。
ノンシリーズで猫柳が探偵役を務める、でも話としては
成り立ってしまうので、せっかくおもしろい設定なんですから、
もっと活用してもらいたかったと個人的な感想です。

たとえば雪ノ下がどのような経緯で名探偵号を(周囲を騙して)
取得し、(この世界で)大学教員にまでなれたのかとか
さらっと語られますが、いかんせん舞台設定からすると弱すぎる
気がします。

次作もすでに刊行されてますから、そのあたりをちょっと期待。
ところで、音野順の次作はいつ文庫化されるんでしょうか・・・


猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社文庫)

猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/03/13
  • メディア: 文庫



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踊るジョーカー [北山猛邦]

<城>シリーズが有名な北山猛邦さんの新シリーズ。
以下はAmazonさんの紹介ページから。

類稀な推理力を持つ友人の音野順のため、推理作家の白瀬白夜は仕事場の一角に探偵事務所を開設する。
しかし当の音野は放っておくと暗いところへ暗いところへと逃げ込んでしまう、世界一気弱な名探偵だった。
依頼人から持ち込まれた事件を解決するため、音野は白瀬に無理矢理引っ張り出され、
おそるおそる事件現場に向かう。新世代ミステリの旗手が贈るユーモア・ミステリ第一弾。

日本一気弱かつひきこもりがちな名探偵音野順とその友人で推理作家の白瀬白夜の名コンビ。
友人の社会復帰(?)と自らの小説のネタ集め、そして<名探偵>のワトソン役に奮闘する白瀬が、
半ば強引に探偵事務所を開き、嫌がりながらも事件を解決する音野。
なかなかおもしろいコンビです。
そしてことある事に「名探偵」と称し、そしてまずは形からと事務所に合う家具やら電話やらを
買ってくる白瀬の姿が楽しい。

オススメは「時間泥棒」と「見えないダイイング・メッセージ」
前者は「奇妙な味」な一編。まさにホームズを読んでいるかのような感じでした。
なぜ時計、しかもアナログ時計ばかり盗まれるのか?
そこに意外な謎が。

後者はどう見てもメッセージらしきものは写ってないのですが、
そこから導き出される解答は?音野の推理が冴えます。

ところで依頼料はどのくらいなんだろうか?(笑
続編も早く読みたいです!


踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)

踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/06/29
  • メディア: 文庫



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『ギロチン城』殺人事件 [北山猛邦]

北山猛邦氏の「城」シリーズ、最新作が文庫で登場です。
前作『アリス・ミラー城』では見事にやられましたが、さて本作は。以下ネタバレ。


本作のメイントリックは二つ。
その1つは密室トリックです。
なぜ首と胴体がそれぞれ別人のモノが組み合わさっていたのか?
さらには物語冒頭の「スクウェア」の記述によるミスディレクション。
死体の数を首と胴体をわけることで、本来3人の死体を4人にみせる。
さらに3つの部屋しか行き来していないのに、可動式の廊下の存在により
4つの部屋を行き来したかのようにみせる。
この密室トリックはまさに秀逸でした。
図面でしっかりと説明されていたところも素晴らしい(笑・正直そうでないとわからないです)

問題はもう1つのトリック。
これは前作でもあった叙述トリックなのですが、
異様な犯人の正体とでも言いましょうか。
首から上と首から下が別の人物、それはあくまで認証システムが存在する
『ギロチン城』内だけで通用するのみですが、
この非常に複雑なトリックが僕を多いに悩ませている訳です(笑
つーかよくわからないんですよねえ。
別人てのはあくまで認証システム上であり、実際に二人いる訳じゃないんですよねえ。
だけどもなぜ頼科は勘違いしてるのかなあ・・・
馬鹿な僕には理解できません、誰か教えてくださいませ。
幕辺ナコは事件を解きはしましたが、この謎への説明はなかったな(笑
個人的には前作「アリス・ミラー城」の叙述トリックが勝ったかなという気がします。

彼の存在については最後に「藍」の口からほのめかされますが、
これは彼が「高貴な人間の血が流れている、そしてそれは優れた名探偵のものである」
と自ら述べていることと関連するのでしょうか。

ところで本作でも探偵という存在について否定的な描写が多く見られます。
この「城」シリーズでの探偵の存在意義なども今後どうなっていくのか楽しみですねえ。


『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫)

『ギロチン城』殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/03/13
  • メディア: 文庫



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『アリス・ミラー城』殺人事件 [北山猛邦]

北山さんの御著書は初めて読みます。
なんといっても裏面の紹介文と帯の文章で購入を決めました(笑
本書はクリスティの古典的傑作「そして誰もいなくなった」に挑んだミステリといえるでしょう。
以下ネタバレ。


本書のトリックは大いなる叙述トリックにあります。
最後まで読んで犯人の名前を見ても、「?」というのが第一印象です。
確かにそこまで読んで読み返してみると、いくつかおかしな点があることには気づきます。
そして「誰もいなくなった」でのインディアン人形ならぬ、チェス盤の白い駒の数が次々と
減っていくという心理トリックに、実は黒の女王駒も存在しているという矛盾も気づきます。

しかし入瀬が「あとはかれしかいないじゃない」と述べるところや
登場する探偵が「α」(=犯人の事です)について一切言及しない点もあるんですよね。
なぜ「α」を犯人のリストから除外するのかなあ。

もちろん、「α」を名指ししている探偵もいるんですよね(笑
しかしそれはうやむやにされている気が。
出てくる探偵の中で、もっとも頭がキレるのはおそらく観月か最後まで生き残った事を
考えて无多かなと。

観月は殺された探偵や堂戸・ルディの死体を確認しているにも関わらず、
「α」犯人説には傾かず、自ら罠だと言っていた密室トリックを解明することに
重点を置いたり、実際はその時生きていた古加持を死んだと見誤るなど・・・
やっぱり優れた探偵じゃないのかな?(笑

非常に印象的だったのはルディが述べた言葉。
「シャーロック・ホームズやエラリー・クイーンももういない。彼らが探偵として勝ち得た
はずの誇りは、現代において既に失われているのです。(中略)探偵は生きていてはいけない。
死ぬべきなのです。」
どこの箇所だか忘れましたが、「探偵は交換可能」という記述もありました。
名探偵不要論かな(笑
とはいえ、本作でのルディの目的がよくわからなかったです。
彼女は探偵を殺すのが目的だったんでしょか。
そして彼女は「α」の正体には気づかなかったのでしょうかねえ。

しかし本作は本格ミステリファンにはたまらない一冊であることは間違いないと思います。
ぜひご一読を。


「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)

「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: 文庫



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