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屋上の名探偵 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

最愛の姉の水着が盗まれた事件に、怒りのあまり首を突っ込んだおれ。残された上履きから割り出した容疑者には完璧なアリバイがあった。困ったおれは、昼休みには屋上にいるという、名探偵の誉れ高い蜜柑花子を頼ることに。東京から来た黒縁眼鏡におさげ髪の転校生。無口な彼女が見事な推理で瞬く間に犯人の名を挙げる! 鮎川賞作家が爽やかに描く連作ミステリ。文庫オリジナル。

筆者には鮎川哲也賞を受賞した『名探偵の証明』から始める「名探偵」シリーズが
ありますが、シリーズ名探偵が蜜柑花子。
本作は彼女の高校時代の物語、ということなのでしょうか。

本作愁眉は「人体バニッシュ」、人間消失モノです。
急に消えた室先輩。鍵はPC部が握っているようなのですが、
このトリックとPC部の繋がりはまず出てこないだろうなあ。

主人公のシスコンぶりがひどいのがかなり読みにくくしていて、
それでいて、姉との関係性は、語る場面はあるものの、本作では明らかにされず。

主人公と名探偵も関係もあからさまなのだけど、主人公は気付かず、
結局こっちも何の進展もなく終わり。

という感じで、各短編自体は面白いと思いますが、
連作かつ学園モノとしてみると、かなりの消化不良。
(「名探偵」シリーズと何か関連があるのかは、そちら未読なのでわかりませんが)

作品内で時間も経過しているため、続編も考えにくく、
伏線回収もできなそうですしねえ。

ただ、今後「名探偵」シリーズが文庫化されたら、
本作既読済みだと、蜜柑花子に感情移入はしやすいかも。


屋上の名探偵 (創元推理文庫)

屋上の名探偵 (創元推理文庫)

  • 作者: 市川 哲也
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: 文庫



屋上の名探偵 (創元推理文庫)

屋上の名探偵 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: Kindle版



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ランチ探偵 容疑者のレシピ [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

大仏ホームのOL・麗子は「トラブルが起こっている」の一言で、
ランチの外食を渋る同僚・ゆいかを誘い出すことに成功。
訪れた洋食店には、呪われた社宅に住んでいると悩む男性が…
(「その部屋ではなにも起こらない」)。
閉ざされた美容室での盗難、命を狙われるペットなど、
合コン相手が持ち込む謎にOLコンビが挑む全5話。好評シリーズ第2弾。

合コン相手の風貌よりも、彼らが持ち込む謎に惹かれるOL天野ゆいかと
合コンはしているものの、中々相手がみつからない阿久津麗子コンビ
が送る第2弾。

本書では彼らの上司が異動したり、ゆいか自身にも辞令が
降りたりと、物語に大きな変化が見られます。

所収されている5編のうち、オススメは「密室における十人の容疑者」
美容室という密室で、誰がスマホを移動させることができたのか。
血なまぐさい殺人事件とは違いますが、見事な密室で、
ゆいかが解き明かした構図も見事です。

タイトル的には「小日向家の犬はなぜ狙われる」も本歌取りが
上手くて好きですね。
依頼人が必ずしも全てを話しているとは限らない所まで見抜く
ゆいかもさすがです。

ラストでは再びこのコンビが本社に揃いますが、次作も期待したいです。


ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

  • 作者: 水生大海
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/12/03
  • メディア: 文庫



ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/12/03
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2016 [ミステリ]

今年最後の更新です。
1月から12月まで、私が読んだミステリで
印象に残ったものを。

東川篤哉「私の嫌いな探偵」
やはり東川さんといえば、烏賊川市シリーズ。
ギャグと本格ミステリの融合も実にうまくできています。
久しぶりのシリーズ文庫化でよかった。


私の嫌いな探偵 (光文社文庫)

私の嫌いな探偵 (光文社文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/12/08
  • メディア: 文庫



私の嫌いな探偵 烏賊川市シリーズ (光文社文庫)

私の嫌いな探偵 烏賊川市シリーズ (光文社文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/12/20
  • メディア: Kindle版




北森鴻「天鬼越-蓮丈那智フィールドファイルⅤー」
シリーズ最終作。できれば浅野里沙子先生の手で、
続けてほしいなあ。


天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV (新潮文庫)

天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV (新潮文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/27
  • メディア: 文庫



天鬼越―蓮丈那智フィールドファイルV―(新潮文庫)

天鬼越―蓮丈那智フィールドファイルV―(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/04/01
  • メディア: Kindle版



ヘレン・マクロイ「二人のウィリング」
今年一番の収穫。シリーズ作品はまだまだありますので、
これからも読むのが楽しみです。


二人のウィリング (ちくま文庫)

二人のウィリング (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 文庫



若竹七海「静かな炎天」
葉村晶が不惑を迎え、再び探偵稼業を再開した第2弾。
相変わらず不運に見舞われる彼女も見物ですが、
年例から来る衰えも、なんだか人ごとじゃなくなってきて、共感してしまうなあ・・・


静かな炎天 (文春文庫)

静かな炎天 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: 文庫



静かな炎天 (文春文庫)

静かな炎天 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: Kindle版



麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」
「こうもり」の衝撃、再び。
各話のタイトルに秘められた「謎」も魅力的です。


貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 文庫



貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: Kindle版



赤川次郎「華麗なる探偵たち-第九号棟の仲間たち-」
まず本シリーズが復刊したことがとてもうれしいです。
こんなにもおもしろい作品がまだあったのかという驚きと
楽しみで、来年刊行作も早く読みたい。


華麗なる探偵たち: 第九号棟の仲間たち1 〈新装版〉 (徳間文庫)

華麗なる探偵たち: 第九号棟の仲間たち1 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: 文庫



第九号棟の仲間たち1 華麗なる探偵たち 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち1 華麗なる探偵たち 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: Kindle版



皆様、よいお年をお迎え下さい。


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このミステリーがすごい!2017年版&2017本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

今年もこの時期が来ました。
例年同様、今年も2冊とも購入。

私が取り上げるのは、やはり自分が読んだ本で。

若竹七海『静かな炎天』はこのミスで第2位、本格で第18位
平石貴樹『松谷警部と向島の血』はこのミスで第22位、本格で第9位。

基本文庫化したものしか読まない私としてはうれしい限り。
一方で、文庫作品がランクインするというのは、
いわゆる「いきなり文庫化」というのが、かなり広まってきたからでしょうか。

やや穿ってみれば、単行本があまり売れなくなってきたため、
初めから文庫で販売という形式が増えてきたのかもしれません。

海外編ではこれまた2作。
『ルーフォック・オルメスの冒険』は、フランス版ホームズ・パスティーシュ(パロディ)
幕開きの事件からカツラが登場するというぶっ飛んだ作品で、
笑いすぎ注意。未読な方はぜひ。

『二人のウィリング』も見事ランクイン。
しかし60年以上前の作品が今になってランクインとはすごいことですね。
再評価された作品(作家)ということでしょうか。

『ささやく真実』も読みたいのですが、なんで版元が違うのか。
各作品ごとで版権が違うのでしょうけど、個人的には同じとこで
出版してほしいなあ。

本格ミステリベスト10ではベスト・オブ・ベスト10が掲載。
『星降り山荘の殺人』がランクインとは。
これは僕はノベルズで購入しました。当時相当驚いたなあ。

来年もおもしろい良作に出会えることを祈ります。



このミステリーがすごい! 2017年版

このミステリーがすごい! 2017年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/12/10
  • メディア: 単行本



2017本格ミステリ・ベスト10

2017本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2016/12/05
  • メディア: 単行本



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シャーロック・ホームズの事件録 芸術家の血 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

1888年。はじまりは、ベイカー街221Bに舞い込んだ1通の手紙――
ホームズ × ワトスン、知られざるもうひとつの事件!

ベイカー街221Bにパリから1通の手紙が届いた。 二重仕掛けになった文面には、
失踪した10歳の息子を捜してほしいという 切羽詰まった女性の訴えが。
子供の父親が別件で美術品窃盗の疑いがある曰くつきの伯爵と知り、
ホームズとワトスンは一路パリへ。すぐにこれがただの失踪事件ではないと気づき――
子供の失踪と国際的な美術品窃盗、その周囲ではびこる謎の連続殺人。
全ての事件はやがて繋がりを見せる!

ホームズパスティーシュの一作。
1888年のホームズの語られざる事件。

マイクロフトとフランス人女優の二人から事件を依頼されるホームズ。
美術品窃盗と子どもの失踪という2つの事件、はたしてどう関係するのか?

本作ではホームズがまさに「瀕死の探偵」になる場面が描かれます。
あの時のホームズは少しばかり焦りすぎたように見えましたねえ。

事件はかなり奇妙で、果たして誰が犯人なのか、それが最後まで
見えない所がとてもおもしろい。
依頼人やフランス人探偵にも翻弄されてしまうホームズ。
それは依頼人にやや惹かれているからなのかもしれないですね。

ところで、物語終盤で、子どもがなぜ「失踪」したのか語られるのですが、
これが『絹の家』を思い起こさせました。
それにしても奇しくも類似の話とは・・・ちょっと興ざめしてしまいました。
あくまで個人的ですけど。

解説の日暮氏によれば、本シリーズは三部作とのこと。
果たしてどういう終わりを見せるのか。気が早いですが、
楽しみです。


シャーロック・ホームズの事件録 芸術家の血 (ハーパーBOOKS)

シャーロック・ホームズの事件録 芸術家の血 (ハーパーBOOKS)

  • 作者: ボニー・マクバード
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: 文庫



シャーロック・ホームズの事件録 芸術家の血 (ハーパーBOOKS)

シャーロック・ホームズの事件録 芸術家の血 (ハーパーBOOKS)

  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2016/10/20
  • メディア: Kindle版



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大癋見警部の事件簿 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

この男、警視庁捜査一課の係長なのに、事件を解決する気、まったくなし!
思いつきで部下をこき使い、暴言と居眠り三昧。
それでいてなぜか検挙率100%の大癋見(おおべしみ)警部。下ネタ大好き、
ブルドッグのような容姿の「警視庁最悪の警部」が、“本格ミステリーのお約束”を薙ぎ倒し、
踏み躙りながら難事件を次々解決!?
著者のミステリーへの愛と造詣に満ち溢れた抱腹絶倒の連作集!

本格ミステリへのメタといえば、個人的にはその頂点には
東野圭吾さんの『名探偵の掟』があると思っています。

本作は上記『掟』とは違う、というか、chapter1「国連施設の殺人」を
読むとすぐわかります(笑
というか、この話は本当に驚いた。解決する気が無い。
と思っていたら、後の事件で解決されたことが明らかにされるんですよね。

個人的に本格の常識をある意味打ち破ったのは
次の「耶蘇生誕節の殺人」と「現場の見取り図」

前者は犯行日時が絶対である以上、どこにトリックがあるのかを
考える作品ですが、これは驚愕した。
日本でも江戸時代と明治時代とか考えるとよくわかる。

後者のトリックは見た事がない(笑
というか、完全に逆手に取ってますよね、見取り図を。

「宇宙航空研究開発機構(JAXA)での殺人」は
JAXAならではのトリックが使われています。これも見事。

ちなみこれ、リターンズと題してなんと続編も出ました。
早く文庫化希望!



大癋見警部の事件簿 (光文社文庫)

大癋見警部の事件簿 (光文社文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/10/12
  • メディア: 文庫



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ランチ探偵 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

大仏ホーム経理部のOL・阿久津麗子は、
同僚の天野ゆいかを誘ってランチ合コンへ。
恋人に振られたばかりでいい出会いを求める麗子だが、
なぜか男性陣から持ち込まれる話題は、
犯人探しや暗号解読ばかり。
深夜に動くエレベーター、金曜日に大量の弁当を
購入する美女、ストーカー事件の真犯人、
失踪した新婦が残したメッセージ、アパートの窓に日替わりで
現れる動物、消えた結婚指輪。
ミステリマニアのゆいかは、それらの「謎」に興味を示し……。
オフィス街の怪事件に安楽椅子探偵のニューヒロイン・天野ゆいかが挑む!

アームチェア・ディテクティブには数々あれど、
仕事の合間のランチ、しかも合コン中に謎を解くというのは
かなりの難技!
しかしそれをやってのけるのが本作ヒロイン。天野ゆいか。

オススメは日替わりで現れる動物「「窓の向こうの動物園」
結末がほっとします。

相棒の阿久津麗子は合コンするも、中々良い人には
巡り会わないようです。
ゆいかの方がこれだけ良い「謎」に巡り会えているのに・・・(苦笑

すでに次作もあるとのこと。楽しみです。


ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 水生大海
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 文庫



ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: Kindle版



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いつもが消えた日-お蔦さんの神楽坂日記 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

中学三年生の滝本望は祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。
芸者時代の名前でお蔦さんと呼ばれる祖母は、粋で気が強く、ご近所衆から頼られる人気者だ。
後輩の有斗が望の幼なじみとともに滝本家へ遊びに訪れた夜、
息子ひとり残して有斗の家族は姿を消していた―。
神楽坂で起きた事件にお蔦さんが立ち上がる!粋と人情、
望が作る美味しい料理が堪能できるシリーズ第二弾。

シリーズ第二弾。
まず驚いたのが、長編だったこと。
前作同様、連作短編集と思ったのですが、これは予想外。

前作同様に楽しめるのは、望が作る様々な料理の数々。
学校行きながら、美術部入っていて、毎日よく作れるよなあ(笑

今回は楓との話はほとんど登場しません。
神楽坂という「街」の持つ、優しさを描いた作品ではないでしょうか。
ただそれも、お蔦さんのこれまでの経験がモノを言うからですねえ。

事件自体は殺人事件が起きる、これも「日常の謎」シリーズかと
思いきやの予想外をかましてくれますが、物語の本質は、
事件そのものよりも、上記述べた神楽坂の「街」がメインなのだと
やはり(個人的には)思いました。

その意味では、やはり神楽坂を舞台に、「日常の謎」が
本作で読んでみたいなあと思います。


いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

  • 作者: 西條 奈加
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/08/20
  • メディア: 文庫



いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/08/20
  • メディア: Kindle版



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白骨の処女 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

神宮外苑に放置された盗難車両から、青年の変死体が…
その婚約者が大量の血痕を残し謎の失踪…連続殺人?の容疑者には
大阪駅にいたという鉄壁のアリバイが…。
新聞記者が謎の真相を追う…。乱歩も見出した“日本探偵小説”の父、
幻の最高傑作待望の初文庫化。テンポのいい文体はまったく古びていない!

ミステリあれやこれや」さん
をいつも楽しみに拝読させていただいております。
そこで紹介されていたのが本書。
早速購入して私、いやいや小生も拝読しました。

主人公は二人。毎朝新聞の司法記者神尾龍太郎とN新聞社の客員・永田敬二。
自動車盗難事件、青年の変死事件。山津瑛子の失踪事件と次々と起こる事件に、
神尾も永田も全ての事件は一連の関係性があるとし、調査を行いますが、
常に鉄壁のアリバイにぶち当たる探偵役ふたり。
さらに永田までが襲われ・・・

本作はアリバイ崩しがメインを張ってはいますが、核はやはりこの一連の事件の
根源はどこにあるのか?この謎が最大の読み所でしょうか。
犯人を追い詰める神尾の推理には実の所完璧な証拠は無く、
おそらくは神尾だけが隠していた「ある事実」を突きつけた事が
犯人の自白を引き出したのでしょう。

この「ある事実」、読者はおそらく早い段階でわかるのではないかなあと。
私も「あーこれは」と思いました(苦笑

書かれた年が1932年であることを鑑みても、現在にも十分通用する
ミステリでしょう。復刊させた河出書房さんに感謝。


白骨の処女 (河出文庫)

白骨の処女 (河出文庫)

  • 作者: 森下 雨村
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/06/07
  • メディア: 文庫



白骨の処女

白骨の処女

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/06/07
  • メディア: Kindle版



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日曜は憧れの国 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷の
カルチャーセンターの講座を受けることに。
彼女はその料理教室で、同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。
ところが、教室内で盗難が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推理することに。
多感な少女たちが、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む!
気鋭の著者が贈る校外活動青春ミステリ。

暮志田千鶴・先崎桃・神原真紀・三方公子、性格が全く違う4人が
カルチャーセンターで出会い、そしてちょっと不思議な謎に挑んでいく物語。

四人がそれぞれ主人公の話があり、そこでは主人公=探偵ではなく、
彼女たちのこれまで歩んできた(中学生ながら)生き方を
振り返る物語でもあります。

最終話「いきなりは描けない」では各人がそれぞれのポジションで
謎を解いていく大団円的な内容。

個人的には暮志田千鶴の話が好きです。
単なる窃盗事件ではなく、その先の旗手先生の思惑まで推理を
進ませ、それでいて最後はスッキリ終わるところが好きです。

また彼女がいつのまにか自分の母親のようになっていると気付くことや、
一方で、母親がカルチャーセンターを薦めた理由を実はかなり深い理由が
あるのではと考えてしまった自分がいました(笑

もう少し成長した彼女たちもぜひ観たい。


日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 作者: 円居 挽
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: 文庫



日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



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二人のウィリング [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、
「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。
驚いたウィリングは男の後を追ってパーティー開催中の家に乗り込むが、
その目の前で殺人事件が…。
被害者は死に際に「鳴く鳥がいなかった」という謎の言葉を残していた。
発端の意外性と謎解きの興味、サスペンス横溢の本格ミステリ。

超がつくほど久しぶりに初めての作家さんの著書を手に取りました。
とはいえ、超がつくほど有名な方ですが。

ヘレン・マクロイ氏は「幽霊の2/3」をかつて読んでみようかと
思ったことがありますが、それっきりとなってました。
ちくま文庫から本書が発売されていて、ふと手に取り購入しました。

本書は導入部分にかなり惹かれました。
「発端の意外性」、言い得て妙。

自分と同じ名前を名乗る男。彼はいったい何者で、
どこに行くのか?ウィリング博士は彼の後を追うことに・・・

突然自らに訪れた不思議な出来事から、
博士は華やかなパーティーと殺人事件に遭遇することに。

集まりに参加していた人々に、それぞれ事情を聞きにまわる
博士。彼彼女が抱えているモノは何か。
パーティーの真の目的とは何か。
被害者の「鳴く鳥がいなかった」の言葉の意味とは・・・

最後のウィリング博士の「パーティー会場」への訪問で
ついに被害者の言葉の意味が明らかとなり、
そこには華やかなパーティーとの対極にあるような陰惨さ。
ここの対比も鮮やかです。

犯人のトリックは実はかなり単純なものなのですが、
これがパーティーの中で、実に巧妙に行われており、
まず気付かない(笑

しかし、この犯行動機(つまりはパーティーの意味)は
予想外の真相で、驚きました。
登場人物、というか容疑者は物語序盤と変わらず。
犯人はなんとなく予想はつくものの、この犯行動機と
パーティーの意味は予想できませんでした。

魅力的な導入から、徐々に明らかになる容疑者たちの背景。
パーティーに隠された謎、予想外の真相と、
ミステリとしての魅力をしっかり詰め込んだ作品。
オススメです。


二人のウィリング (ちくま文庫)

二人のウィリング (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 文庫



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ディスリスペクトの迎撃 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

銀座にある文壇バー『ミューズ』の常連客、大御所ミステリー作家のサンゴ先生こと辻堂珊瑚朗。
彼は不思議な事件について鮮やかに推理する、名探偵でもあった!
ライバル作家が持ち込んだ、チェスセットに仕掛けられた謎を解く「チェスセットの暗号」、
サンゴ先生原作のドラマをめぐって起きた、
奇想天外な“誘拐"の解決に乗り出す「ポー・トースターの誘拐」など、五つの事件を収録。
『ミューズ』のボーイ・了の視点から、サンゴ先生の華麗な活躍を描く、
安楽椅子探偵ミステリー第2弾。

待ってました第2弾!
今回は連作短編集。

サンゴ先生の著作がドラマ化されることとなり、
賀茂Pといかにおもしろくしていくかを話し合うサンゴ先生。
しかし、色々なトラブルが発生し・・・

「ファンサイトの挑戦状」では主人公・了が見事に嵌められてしまいます。
(お店や名前もネットに書き込まれる事態に)
でもこの話はかなり現実に近い話で、
今の時代では普通にあり得る話でしょう。
ただし、本作ではサンゴ先生がネットの挑戦に真正面から挑み、
見事な「推理」でネット住民をあっと言わせるところも読み所です。

「トラブルメーカーの出題」は殺人事件が本格的に絡む事件。
撮影現場で起きた事件、犯人はスタッフの中にいるのか?
了とサンゴ先生の推理が良い。

今回は了がかなり目立っていて、かつそれなりに活躍も
しているなあと思いました。
慣れが出てきたのか、かなり積極的に行動してますね。
第3弾はまたしばらく先ですかねえ・・・


ディスリスペクトの迎撃 (創元推理文庫)

ディスリスペクトの迎撃 (創元推理文庫)

  • 作者: 竹内 真
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/01/21
  • メディア: 文庫



ディスリスペクトの迎撃 :サンゴ先生シリーズ (創元推理文庫)

ディスリスペクトの迎撃 :サンゴ先生シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/01/22
  • メディア: Kindle版



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祟り火の一族 [ミステリ]

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて本年一発目は、昨年読了本から。
まずはAmazonさんの紹介ページから。

殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。
包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった
劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。
舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、
火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる―。精緻に組み立てられた謎と、
驚愕の結末に感嘆必至の長編ミステリー。

十三回忌」以来の名探偵海老原浩一が活躍する物語。
一冊抜かしていたのか・・・

本作も帯でかなり煽ってます。
事件がリアルタイムで起こるのではなく、事件の話を聞き、
一気に解決に持ち込む方式です。
4つだけ聞きたいことがあり、それがわかれば解決と言う海老原は
間違いなく名探偵でしょう。天才型です。

相変わらずこれでもかとトリックを放り込んできているなあという印象。
話が三人称でなく、一人称で語られるのは、あるトリックのためでしょうが、
ここは上手いと感じました。実際読んでいて、おかしくね?と思う箇所、
多かったですし。

お伽話のような怪談が全て合理的に解決できるというのは、見事とは
思うのですが、あまりにその怪談(言い伝え)が多すぎて、少し興ざめしました。
ただ「ヒ素」だけで全てが解決するのか、知識がないのでなんとも言えませんが・・・

それから現代版「犬神家」というのも、言い過ぎ。
というか、確かに狩野家自体や使用人である池ノ井家との因縁などは
それに繋がる所もありますが、物語自体はそんな深くなくて、
やはり、やりすぎなまでに謎を詰め込む方に重点を置いていて、
横溝正史的世界には程遠い気がしますねえ。
バカミスなのかとも思いますが、名探偵の海老原浩一が
十三回忌より良くなってきているので、また文庫化したら
おそらく購入すると思います。


祟り火の一族 (双葉文庫)

祟り火の一族 (双葉文庫)

  • 作者: 小島 正樹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 文庫



祟り火の一族

祟り火の一族

  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2015 [ミステリ]

今年も明日で終わりです。
個人的にはほとんど何もしなかった年でしたねえ・・・
とはいえ、恒例の今年読んだミステリの集大成。

歌野晶午 「密室殺人ゲーム・マニアックス」
密室殺人ゲームシリーズの変化球的作品。
基本骨格を変えず、いかに読者を驚かせるか、
こんな難しいことをやってのけるんですから、本当にすごい。

青崎有吾 「体育館の殺人」
新たなる「館」シリーズとして、今後のシリーズ文庫化も購入確実。
探偵役がなぜ学校に住んでいるのかは明らかにされるのだろうか。

綾辻行人 「奇面館の殺人」
こちらはいよいよラストが見えてきた「館」シリーズ。
改めて本書を読みなおしてみると、いわゆる本格ミステリで
批判の的となる、人物描写(人物の記号化)を
逆に全面に押し出している作品(=登場人物が仮面を付けている)
なんですよね。
仮面を全員が付けていることによって、被害者どころか、容疑者すら
判然としない状況下で、探偵は推理を進めていくのです。
「館」シリーズの、新本格への原点回帰な作品と感じました。

西村京太郎 「発信人は死者」「神話列車殺人事件」
改めて語るまでもないですが、御大の初期作品はどれも素晴らしい。
前者は十津川警部シリーズものなのですが、主人公は別にあり。

西澤保彦 「ぬいぐるみ警部の帰還」
良作かつどれも一筋縄ではいかない短編集。
毎年西澤さんには驚かされる。

麻耶雄嵩 「神様ゲーム」
神様という絶対的存在が探偵役というまさに異色のミステリ。
神様が間違えないとしたら、本作ラストをどう考えるのか?

有栖川有栖 「論理爆弾」
ソラシリーズ第3弾。八つ墓村のオマージュでありながら、
最後の最後で、探偵を全否定したすごい作品(私感)

来年も良いミステリに出会えることを祈念します。


密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫




体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 文庫





奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫



奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫





発信人は死者 (徳間文庫)

発信人は死者 (徳間文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: 文庫



神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/11/02
  • メディア: 文庫




ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/05/11
  • メディア: 文庫




神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: 文庫




論理爆弾 (講談社文庫)

論理爆弾 (講談社文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/09/15
  • メディア: 文庫




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2016本格ミステリ・ベスト10&このミステリーがすごい!2016年版 [ミステリ]

今年ももうこの2冊が発売される時期になってしまいました。
いつのまにか2015年も終わり、特段何もせずに終了だなあ・・・
代わり映えなく、毎年ですが。

今年のランキングでは久しぶりの葉村シリーズ『さよならの手口』
が双方ともにランクイン。
文庫読みの自分としては、すでに読了した本がランクインしているのは
初めてではないかと思います。

倉知淳さんの『片桐大三郎とXYZの悲劇』は購入確実。
これシリーズ化していくエンドになっているのか、
それともドルリー・レーン4部作と同じなのか気になる所です。

「隠し玉」では近藤史恵さんの女清掃人探偵キリコシリーズが最終作を
来年迎えるようです。これは気になる。

二階堂黎人さんのところでは水乃サトルシリーズはなしか・・・

来年もおもしろいミステリが読めることを期待しましょう。


2016本格ミステリ・ベスト10

2016本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: 単行本



このミステリーがすごい! 2016年版

このミステリーがすごい! 2016年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 単行本



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シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち 2 [ミステリ]

最近ホームズものが多いですが、やっぱりホームズはおもしろい!
1に続いて購入しました。内容的には2の方がオススメ。

最初にAmazonさんの紹介ページから。

ホームズ・パスティーシュの新機軸、その後編。
ドイルの同時代人、E・W・ホーナングが生んだ紳士泥棒A・J・ラッフルズとの知恵比べ、
地下鉄の工事現場に夜な夜な現れるミイラ男の怪。
ホームズがタバコ入れとしている“ペルシャ製スリッパー”の謎が明かされ、
あのH・G・ウェルズが登場する。そこはなんと、“宇宙戦争後”の世界なのだ!
エリック・ブラウン、リチャード・ディニック、マーク・ライトら、
俊英が妄想力と遊び心を詰め込んだ奇想天外な8編。お楽しみあれ。

「閉ざされた客室」と「ハドソン夫人は大忙し」の2編がオススメ。
前者は正典を彷彿とさせる物語で、ホームズ、ワトソンともに活き活きとしています。
いわゆる奇妙な謎や不可解な事から物語が始まるのが、ホームズものの特徴の1つだと
思いますが、本書はその点は若干弱いかもしれません。

しかし内容的には十分おもしろい。密室の謎や被害者に残された100ポンド近い
現金等々・・・

後者はホームズが解決したと言われている事件は、実はハドソン夫人が
解決していたという、パスティーシュ。
この物語に出て来るホームズとワトソンは実に滑稽に描かれていて、
それだけでも楽しめます。
ハドソン夫人の捜査方法が拝めるのは必読です(笑

海外では多く出されるホームズパスティーシュ。日本でも翻訳、そして
文庫化を改めて御願いしたい。



シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち 2 (扶桑社ミステリー)

シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち 2 (扶桑社ミステリー)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2015/11/01
  • メディア: 文庫



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シャーロック・ホームズ 絹の家 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ホームズの下を相談に訪れた美術商の男。アメリカである事件に巻きこれまて以来、
不審な男の影に怯えていると言う。ホームズは、ベイカー街別働隊の少年達に捜査を手伝わせるが、
その中の1人が惨殺死体となって発見される。手がかりは、死体の手首に巻き付けられた絹のリボンと、
捜査のうちに浮上する「絹の家」という言葉…。
ワトスンが残した新たなホームズの活躍と、戦慄の事件の真相とは?

コナン・ドイル財団公認という、まさに「正典」の続編を与えられた作品です。
年老いたワトソンが事件を回顧し、お馴染みのチャリング・クロスにあるコックス銀行に預けられている
原稿という所から、物語は始まります。

ホームズというと、やはり短編がおもしろいと想いますし、
これまで無数に出ているパスティーシュやパロディも大半は短編でした。
しかし、本作は「恐怖の谷」以来の長編作品で、さてどうかなあと思いつつ読み始めました。

本作のホームズは監獄に入ってからはめまぐるしい活躍ですが、
それまでの行動がちょっと残念な印象です。

ある人物から、(警告ではなく)暴いてほしいという意味で送られた「絹のリボン」に
気付くのがちょっと遅かったり、手掛かりが全くなく、直感で動いたり。

新聞広告で大々的に挑戦状を叩き付けるのはさすがだと思いましたが、
その後がいくらなんでも簡単に罠にかかりすぎでは・・・しかも少女を犠牲にしてしまって
ますしね。ここはホームズらしくない。

それと、マイクロフトが「絹の家」を全く知らないというのも、ちょっと不思議ですね。
彼はある意味では政府そのものではなかったか、と。

ところで、事件そのものは「絹の家」は人によっては受け付けない、ホームズものではない、
と思われる方も多いと思います。
ただ最初のカーステアーズが持ち込んだ事件と「絹の家」事件、
双方の関係には驚きました。
ベイカー街別働隊のロスが一体何を見たのか?ここに全ての謎が収斂されているのです。

次作も長編のようですが、ぜひ作者には短編も書いてもらいたいですね。


シャーロック・ホームズ 絹の家 (角川文庫)

シャーロック・ホームズ 絹の家 (角川文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/10/24
  • メディア: 文庫



シャーロック・ホームズ 絹の家 (角川文庫)

シャーロック・ホームズ 絹の家 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/10/25
  • メディア: Kindle版



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シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち 1 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

『千夜一夜物語』の翻訳でおなじみのリチャード・バートン卿、ゴシック小説の有名な怪物…
さまざまな実在の人物、架空のキャラクターとの遭遇が描かれるホームズ物語の最新コレクション。
モダンホラーもあれば、スチームパンクもある。設定はしばしば突飛だが、
どの作品にもホームズの魂が息づいている。編者のジョージ・マンをはじめ、
マーク・ホダー、マグス・L・ハリデイ、キャヴァン・スコットといった
新進気鋭の作家陣が腕を競うホームズ・パスティーシュの新機軸、その前編。

久しぶりの更新。あまり読書がこのところ捗らず。

ホームズパスティーシュの文庫化はなかなか無いのですが、
書店に偶然発見。

「失われた二十一章」や「対フランケンシュタインの怪物」は
聖典を彷彿とさせる展開で、とても面白く読めました。

「クリスマス・ホテルのハドソン夫人」は異色作ですが、
これが一番オススメですね。すでにホームズは引退し、養蜂生活へ。
時折ワトソンの元へ手紙が送られてくるのですが、
この手紙の中に、ある宝石が・・・
ハドソン夫人が主人公、そして最後にあっといわせる展開があり。
また物語はほぼ全てがハドソン夫人からの書簡で進むところも特徴的。

チャレンジャー教授の元に今は居るという衝撃の事実も明らかになります(笑

本作は前編ということで、後編も楽しみです。


シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1 (扶桑社ミステリー マ 34-1)

シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1 (扶桑社ミステリー マ 34-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 文庫



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シャーロック・ホームズ 恐怖!獣人モロー軍団 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

“神の息吹殺人事件”の解決後まもなく、シャーロックのもとに兄マイクロフト・ホームズが現れる。
表向きは政府の役人だが、実は重要なポストについているマイクロフトは、
天才的な生理学者チャールズ・モロー博士と彼にまつわる奇想天外な話を語りだした。
残虐な動物実験が公となり学界を追放されたモローは、
マイクロフトの申し出で南海の孤島で新たな実験に取り組んでいたが、8年前に音信不通となる。
一方、海難事故に遭った若者プレンディックは、流れ着いた島でモローの生体実験によって
作られた獣と人間のハイブリッドを目撃していた。
ロザハイスで発見された動物に噛み殺された死体から、
モローがロンドンに舞い戻ったと危惧するマイクロフトは、
シャーロックに真相の解明を依頼するが…。

前作「神の息吹」も読みましたが、そちらはまだホームズさを残していたかなと
思います。
ただ本作はホームズパスティーシュとしてはぶっ飛びすぎという印象。
おそらくたくさんあるとは思うのですよ、そうした作品は。
個人的には、いわゆる「聖典」のような、物語が好きなので、
本シリーズにそれを望むのはなかなか難しいとは思いますが・・・

クライマックス部分はワトソン一人称の語りでなく、
様々な人物からの視点で描かれていて、ここは結構おもしろい。

後、本作というか本シリーズをさらに楽しむには、
登場する作品を読んでないと無理だなと思いました。
本作でいえば「モロー博士の島」(H・G・ウェルズ著)は必読でしょう。

ところで次作は出ているのか、どうなんでしょうね。
なんだかんだと購入している未来が見えます(笑


シャーロック・ホームズ 恐怖!獣人モロー軍団 (竹書房文庫)

シャーロック・ホームズ 恐怖!獣人モロー軍団 (竹書房文庫)

  • 作者: ガイ・アダムス
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2015/05/28
  • メディア: 文庫



シャーロック・ホームズ 恐怖!獣人モロー軍団 (竹書房文庫)

シャーロック・ホームズ 恐怖!獣人モロー軍団 (竹書房文庫)

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2015/05/28
  • メディア: Kindle版



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シュロック・ホームズの冒険 [ミステリ]

早川から復刊していたので購入しました。

本作は事件そのものもおもしろいと思いますが、
やはりシュロック・ホームズとワトニィの会話が一番おもしろい。

それとかなり駄洒落や聖典からのオマージュが見受けられるのも特徴の1つ。
英語が出来るなら、より楽しめる作品なのでしょう。

「シュロック・ホームズ最後の事件」はあまりにも衝撃な作品(笑
宿敵マーティ教授のラストもそうですが、ホームズの最期には驚きます。

続編はないんですかねえ。




シュロック・ホームズの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 42-1)

シュロック・ホームズの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 42-1)

  • 作者: ロバート L.フィッシュ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1977/03
  • メディア: 文庫



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シェルター終末の殺人 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

目覚めた場所は硬くて冷たい床の上だった―。「私」は自称ミステリ作家の富豪、
火照陽之助の屋敷を取材する。目当ては庭の迷路に隠されたシェルターだったのだが……。
そこで発生する極限状況下の連続密室殺人事件。地の底で待つ謎と恐怖と驚愕の結末とは何か?
「作家三部作」に連なるホラー&ミステリ長編。

個人的には、岡嶋二人「そして扉は閉ざされた」以来の
シェルターを舞台にした作品。

ただし、岡嶋作品と違い、本作ではどうやらシェルター外でも何らかの異常が起きているようで、
本作に出て来る人物たちは、シェルター内で起こる連続密室殺人と、
外で起きた何らかの放射性物質大量放出事件の2つが同時に起こります。

とはいっても、外部で何が起きたのかは全く不明で、物語のほぼ全ては
シェルター内部の連続密室殺人がメイン。

初めてであった人物たち、そして外では核爆発らしきものが起こっていると
いう状況に拘わらず、なぜ次々と殺人が行われるのか?
作者と同姓同名のミステリ作家・三津田信三がその謎を解き明かしていきます。

とここまでは前フリ(笑
本作ラストはこれまで読んできたお話のどんでん返しとなっているので
注意が必要です。
ネタバレになるかもしれませんので、未読の方はご注意を。



僕個人としては、この結末はあり得ない。
確かに「探偵」によって、シェルター内の事件には一応の説明はつきましたが、
実際の所、この「探偵」自体も甚だその存在が怪しい。
密室殺人としては、おもしろいと思いますし、
物語が、「私」が記録したPCの文章である事を(むろん読者は知っているのですが)
そこにトリックが実はあるという。
(星影の発言がいつPCに記録されたのか、という探偵の指摘は慧眼でした。)

また物語序盤に部屋に人形が置いてあるのですが、これこそが
物語の鍵を握るんですねえ。

僕が一番不満なのは、物語の「外」になるのでしょうが、
結局シェルター外では何が起こっていたのかが全く明らかにされていない点。

それと物語の登場人物たちは「外」にも居ないという事。
ここは探偵の推理なので、微妙に信じて良いのかわかりませんが、
少なくとも、この物語が「私」の中で構築されていったものであれば、
直近まで接していた人物像を当てはめるのが妥当な気もします。
(むろんシェルター見学でそれぞれ自己紹介したとも書かれていないので、
「私」が知る事が出来たとも言えないのですが)

あとタイトルですが、
「終末の殺人」よりも「仮面の殺人」の方がより良かったんじゃないだろうか。





シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫



シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: Kindle版



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吹雪の山荘 [ミステリ]

豪華作家陣によるリレーミステリ。
各作家さんのシリーズキャラクターが共演し、
事件を解決していきます。
まずはAmazonさんの紹介ページから。

雪の舞う大晦日。
山荘村にナディア・モガール、刈谷正雄、“私”、若竹七海、法月綸太郎、有栖川有栖らが
各人の思惑を胸にやってきた。やがて新年へと日付が変わるころ、
幽霊山荘を探索していたメンバーは首なし死体を発見する!吹雪で周囲から隔絶された中、
次々と起こる不気味な事件。彼らは真相を暴けるのか?
人気シリーズの名探偵たちの競演で贈る、本格リレーミステリ!

法月綸太郎と矢吹駆の共演が見たかったですが残念。
首なし死体のトリックが実におもしろかったです。
ここまでひねってくるかと思いました。

法月綸太郎の活躍が大半を占める印象が強かったのですが、
改めて読み直すと、若竹七海や<私>の活躍も十分すぎる。

今度は「孤島」を舞台にやってほしいなあ。


吹雪の山荘 (リレーミステリ) (創元推理文庫)

吹雪の山荘 (リレーミステリ) (創元推理文庫)

  • 作者: 笠井潔
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: 文庫



リレーミステリ 吹雪の山荘 (創元推理文庫)

リレーミステリ 吹雪の山荘 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2014 [ミステリ]

本年最後は今年読んだミステリのお気に入りを。
順不同です。

西澤保彦「赤い糸の呻き」
ノン・シリーズ短編集で、ここまで良作揃いなのも珍しい。
おススメの「対の住処」だけでなく、表題作やぬいぐるみ警部登場
も嬉しい作品集となっています。


赤い糸の呻き (創元推理文庫)

赤い糸の呻き (創元推理文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/06/21
  • メディア: 文庫



赤い糸の呻き

赤い糸の呻き

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/06/21
  • メディア: Kindle版



綾辻行人「霧越邸殺人事件」
完全改訂版として出された角川文庫版。
綾辻さんが描く「館」はやはり絶品。
ミステリとホラーが見事に融合した作品です。

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



霧越邸殺人事件(上)<完全改訂版> (角川文庫)

霧越邸殺人事件(上)<完全改訂版> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: Kindle版



霧越邸殺人事件(下)<完全改訂版> (角川文庫)

霧越邸殺人事件(下)<完全改訂版> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: Kindle版



若竹七海「さよならの手口」
シリーズものとしては、今年最大の発見。
葉村晶シリーズ、来年ぜひ読みたいです。
そして新シリーズもどうかお願いします!

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 文庫



さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/10
  • メディア: Kindle版



赤川次郎「仮面舞踏会」(新装版)
大御所赤川先生からは本作を。
大貫警部も捨てがたい!しかしあえてノン・シリーズを。
「もう一人の私」が織りなす5つの物語。
短編集でも単なる短編集でなく、何かの共通項を持たせて
違う意味での連作短編集に仕上げるというこの手腕はさすがとしか
言いようがありません。


仮面舞踏会 新装版 (光文社文庫)

仮面舞踏会 新装版 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 文庫



平石貴樹「松谷警部と三鷹の石」
どんでん返し、最後の1行、奇想天外・・・
昨今のミステリの帯や書店のポップなどでよく見かけます。
しかし、本格ミステリとはそうした大掛かりなしかけを
施さなくても十分に描けるという、お手本のような作品。


松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

  • 作者: 平石 貴樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/07/22
  • メディア: 文庫



愛川晶「ヘルたん‐ヘルパー探偵誕生」
これは最近記事をアップしたので、そちらをご覧ください(笑
続編の文庫化を早く望みます。


ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

  • 作者: 愛川 晶
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/23
  • メディア: 文庫



ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/25
  • メディア: Kindle版



今年も1年ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。


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郷愁という名の密室 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

矢住鼎は誤って老女を殺め、絶望して雪山で自殺を図った。
だが、彼が目覚めたのは秋たけなわの古い温泉宿の一室だった!
目の前にいたのは高校時代の後輩・風早雫、しかも彼女は少女のままの姿なのだ。
異常な背景の中で宿泊客の男女が刺殺され、つづいて若い女性の死体が
完璧な密室状態の部屋で発見される。鼎の幼少時の記憶の謎、風呂に浮かぶ死体の移動、
凶器の刃物の消失―そして密室はいかにして構築されたのか。
奇妙なこの世界で、鼎と雫の前に殺人者の黒い影が迫る。
そして、深夜0時54分。その時、あらゆる知覚が暗転した。驚くべき長篇変格ミステリ。


牧薩次名義の第2長編。
前作「完全恋愛」では牧自身も登場していましたが、
本作ではなんと「あとがき」のみ。
つまり、完全に作中作の作家さん的なポジション。

同じ日が繰り返されるという、不思議な空間に迷い込んだ主人公。
このあたりはさすが辻先生。
そして、なぜ主人公の後輩・風早雫が高校生のままなのか?
ほとんどのヘルパーとそりが合わない芦谷たねと、なぜ鼎は気に入られているのか?
このあたりの謎が最後に一気に収斂していき、
郷愁というタイトルに見事にマッチしたラストでもあります。

ところで、本作で起きた密室殺人は本当に起きたのか?というところが
最後まで明らかにされず。
どこまでが事実で、どこからが彼の夢、イメージの世界なのか?
おそらくその後も芦谷たねから聞く事も、また鼎から聞く事もできないだけに、
殺人事件が起こったのかどうかすら、わからないままなんですよねえ。
だから悪いというのではなく、このあたりのぼかしもうまいなあと。

それと、タイトルの「密室」。これは主人公・矢住鼎の今回体験した
一連の世界(同じ日が繰り返される・リセット)という密室と
その中で起きた密室殺人の密室、そして雫の17年間という密室、
と、まさに「密室」づくしの作品だったんだろうと推測しました。


郷愁という名の密室 (小学館文庫)

郷愁という名の密室 (小学館文庫)

  • 作者: 牧 薩次
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 文庫



郷愁という名の密室

郷愁という名の密室

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/10/31
  • メディア: Kindle版



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天使は探偵 スキー探偵大鳥安寿 [ミステリ]

初笠井潔先生!
矢吹駆シリーズでも、天啓シリーズでもなく、今の所
本書のみの刊行であるスキー探偵シリーズです。

まずはAmazonさんの紹介ページから。

乗っていたはずのリフトから消失し、空中浮遊する男。ゲレンデに転がる切断死体。
白銀の世界に起きた怪事件の背後には、カルト教団の影が…。
“事件が起きたときから、その真相が分かっている”という特異能力をもつ、
美人スキー・インストラクター大鳥安寿の推理が冴え、事件は奇跡のように解決する!
本格ミステリ界をリードし続ける著者の新たなる境地!

本書は連作短編集となっており、
主人公大鳥安寿とワトソン役矩巻濫太郎が住む八神村が舞台。
そして物語全般を通して、この八神村に本拠地を置いていた天啓教と安寿
との対決が描かれます。

オススメは「吹雪山荘事件」と「白骨屍体事件」。
前者はダブルトリック。犯人と共犯者の2人がそれぞれトリック
をしかける所がおもしろい。

後者は白骨死体は誰なのか?というシンプルな謎から始まる、
一連の「なりすまし」というべき事件が見事。

ところでワトソン役の矩巻氏も良い味を出しています。
同名の名探偵を主人公とする作品を書くミステリー作家。
(どこかで聞いたような・・・)
そして安寿は実は養子である事が語られるのですが、
それは天啓教と関係しているのかどうか。
解説でも書かれていますが、やはり本作の続編がぜひ読みたい。


天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫)

天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫)

  • 作者: 笠井 潔
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/11/12
  • メディア: 文庫



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ヘルたん ヘルパー探偵誕生 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

両親の破産で一家離散となった淳は、浅草の元名探偵・成瀬老人宅の居候となる。
そこへ偶然ヘルパーとして現れたのが、かつて淡い恋心を抱いていたヤンキーの先輩。中本葉月。
淳は葉月のすすめでヘルパーを目指しつつ、成瀬氏の探偵助手も務めることになる。
老人介護と本格推理が見事に融合した浅草人情ミステリー開幕!

老人介護と本格推理が見事に融合した、とありますが、
本書はそんなに甘くない。
また3編が収録されていますが、これは連作短編集です。

主人公・神原淳はいじめが原因で不登校となってしまうも、
とある事によりなんとか高校は卒業。
しかし、両親の破産により一家離散となり、遠縁の田代信策の元で世話になるも、
奥さんが「キレて」しまい、田代さんの紹介で、成瀬老人の元を訪れることに。
そこには、なんと高校時代の先輩で、彼にとって忘れられない出来事を経験
させてくれた、中本葉月先輩が、ヘルパーとして来ていたのだった!

成瀬氏は元々は名探偵として名を馳せていた事が徐々に明らかになりますが、
最初の「バルティアン・ショット-甘い抱擁の謎-」では、長年淳が抱えてきた
謎を見事に解き明かし、未だにその頭脳は衰えていない事を彷彿とさせます。

そして淳も、成瀬老人や葉月先輩との出会い、さらにはひょんな事から、
葉月先輩のヘルパーを携わる事で、ヘルパー2級を取得するという決意を持つ。
そんな時、音信不通の両親から50万の仕送りも届き、
彼は資格取得に邁進していく(「ミラー・ツイン-双子を襲った惨劇-」
そして、第2話「ミラー・ツイン」では、成瀬名探偵からのヒントを元に、
志賀家を襲った惨劇の謎を看破します。

このように書くと、主人公・神原淳の成長物語のような感じを受けますが、
その一面よりも、遙かに大きな問題がこの物語には潜んでいます。

葉月先輩がヘルパーの仕事をなぜしているのか、淳の両親は今どこにいるのか、
なぜ高校時代の担任が上京してきたのか・・・
これらの全ては最終話「シュガー・スポット-愛染明王の涙-」で明らかになります。

が、それ以上に成瀬名探偵には大きな秘密がある事がわかります。
それが「モノローグ」として成瀬氏自身が語る場面。

この「モノローグ」を読むことで、主人公神原淳と成瀬老人の微妙な行き違いが
あるも、まさに探偵と助手として見事なコンビを見せていた関係が、一変するんですよね。
これは実に見事であり、さらにいえばとても悲しい事実を読者は突きつけられます。

ただこの「モノローグ」、最終話最後にだけ挿入されれば、さらにその効果は
大きかったんじゃないかなあと思います。

ただ、最終話で成瀬氏が準備していた対策はこれまたさすがはかつて名探偵として
馳せた名に恥じない活躍でした。これがなければ、淳も葉月もその運命は大きく
変わっていたでしょう。
また最終話では淳の両親が実は心中していた事が明かされ、これまでの「仕送り」は
実は田代氏がしていた事が判明したのも、衝撃だったなあ・・・
本当に最終話では物語が反転するので、このもの悲しくも鮮やかなラストは
印象深い。

葉月先輩はヘルパーを辞め、地元に戻ってしまいます。
しかし今年、本作の続編が発売された事により(!)彼らのその後が再び読める事は
とても楽しみです。

ミステリとしてとても良作であり、その中に人間の老いという避けては通れない
問題をうまく物語に組み込んだ本作は傑作。
今年の「ぼくのこのミス」候補には間違いなく挙がるでしょう(笑



ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

ヘルたん - ヘルパー探偵誕生 (中公文庫)

  • 作者: 愛川 晶
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/23
  • メディア: 文庫



ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

ヘルたん ヘルパー探偵誕生 中公文庫

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/10/25
  • メディア: Kindle版



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2015本格ミステリ・ベスト10&このミステリがすごい!2015年版 [ミステリ]

今年のミステリの総決算。

米澤穂信さん、麻耶雄嵩さんは相変わらず強い。

満願

満願

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: 単行本



さよなら神様

さよなら神様

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 単行本



さよなら神様

さよなら神様

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/08/10
  • メディア: Kindle版



ただ今年のランキングを見ると、
有栖川さんや法月さん、歌野さん等、ランクイン常連の作家さんの
お名前が見えず、という印象。

私が読んだ中では、本格ミステリにこれがランクイン。

松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

松谷警部と三鷹の石 (創元推理文庫)

  • 作者: 平石 貴樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/07/22
  • メディア: 文庫



隠し玉では綾辻さんの奇面館がそろそろ文庫化らしく、
これは読もうかなと思っています。

倉知さんの猫丸はまだか!?


2015本格ミステリベスト10

2015本格ミステリベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 単行本



このミステリーがすごい! 2015年版

このミステリーがすごい! 2015年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/12/10
  • メディア: 単行本



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偽りの殺意 [ミステリ]

光文社文庫より出る中町信氏の短編集第2弾。
創元推理もそうですが、中町氏の復刊や新刊は「~の殺意」で統一なんですねえ。

本書には3編が収録。
そのどれもに本庁の津村刑事が登場し、
そしてどれも教育関係の人物が事件に関わってきます。

非常にオーソドックスなアリバイ崩しもの3編。
ひさしぶりに時刻表が出ているミステリを読みました。

オススメは「愛と死の群像」。
犯人側にもあるどんでん返しがある所が良いです。



偽りの殺意 (光文社文庫)

偽りの殺意 (光文社文庫)

  • 作者: 中町 信
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/10/09
  • メディア: 文庫



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眼鏡屋は消えた [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

部室で目覚めると、8年間の記憶が失われ高校時代に逆戻り。
どうやら母校で教師をしているらしい。おまけに親友の実綺が高二の文化祭前に亡くなっているなんて!?
二人で『眼鏡屋は消えた』を上演するべく奮闘していたのに。あたしは最も苦手としていた、
イケメンの元同級生・戸川涼介とともに真相を探る決意をしたが…。
ハイテンションな筆致で贈る、第21回鮎川哲也賞受賞作。

自分の記憶が8年間まるまる消えてしまっているという驚愕の事実を
微塵も感じさせない主人公の藤野千絵。
なんとか教師もこなし、親友である竹下実綺の死の真相を追う事に。

一番頼みたくない同級生の戸川涼介、登場がホームズの「唇のねじれた男」を
彷彿とさせました(笑

本作は親友である実綺の死と、彼女が書いた「眼鏡屋が消えた」の中の
モデルとされる橋本ワタルの事故死、この2つの謎を解いていくことになります。

実綺の死については、おそらくはだいたいの人が予想できたのではないかと
思います。
ただ、橋本ワタルの事故死だけで、この長編を引っ張ったのは
ちょっと(良い意味で)意外でした。
次々と謎が出て来る、という訳ではなく、あくまで最初の千絵の調査依頼
から少しもぶれずに淡々と調査を行っていき、少しずつ事実が
明らかになっていく過程は実に緻密でした。
最後は関係者を一堂に集めて推理を披露する涼介もさまになっています(笑

多少強引な所もあったかなと思いますが、良くまとまっていたと思います。
ただし、終わり方を良しとするか、後味悪しとするかは読んだ方次第でしょうね。


眼鏡屋は消えた (創元推理文庫)

眼鏡屋は消えた (創元推理文庫)

  • 作者: 山田 彩人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/09/29
  • メディア: 文庫



眼鏡屋は消えた 第21回鮎川哲也賞受賞作

眼鏡屋は消えた 第21回鮎川哲也賞受賞作

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/09/30
  • メディア: Kindle版



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シャーロック・ホームズ 神の息吹殺人事件 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

新世紀の幕開け直前のロンドン。人々を恐怖させ、大混乱に陥れたその事件は、
宵のうちから降りだした雪が風に舞うなかで始まった。
翌朝、一人の男の死体が発見された―体中の骨が砕け、青あざだらけで膨張した、見るも無惨なもの。
しかし、周囲には足跡ひとつなく、ましてや凶器もなかった。
まるで空気、いや“神の息吹”に殺されたかのようだった…。
このあまりにも“不自然な死体”の謎がシャーロック・ホームズのもとに持ち込まれた。
相談にやってきたのは、“心霊医師”の異名をとるジョン・サイレンス博士。
うさんくさげな人物に難色を示すシャーロックだったが、
「事件はこれだけでは終わらない」、と告げられ相棒のワトソンと共に、
“神の息吹”の謎を解明すべく行動を開始する。
それはロンドン中を巻き込む、大事件の始まりだった…。

ホームズのパスティーシュものは単行本等では結構出ているかと
思いますが、文庫化までいくのはあまりないと個人的に思っています。

創元推理文庫のジューン・トムスンの一連のシリーズは非常に有名だと
思いますが、それ以外だとなかなかないですね。

本書作者のガイ・アダムス氏は、スペイン在住の俳優経験もある方との事。
すでに第2作目も上梓されているようです。

本作はかなりオカルト色が強い作品になっています。
ワトソンが体験する「経験」はどう読んでもオカルト的解決しかないんじゃないか
と思ってました(笑
ホームズがいかにそれを合理的に解決していくのか、が物語の見せ場です。

ただ、本書を読んで思ったのは、
ホームズものは短編の方がおもしろいのかなという印象。

いわゆる聖典は別として、トムスンのように「語られざる事件」を
短編集形式が良いのかなあ。

本作は同じような現象を結構引っ張って引っ張って、
最後はあっさりな感じで、やや拍子抜け。
ラストに名台詞はでるものの、オカルトか合理的かはやや
ホームズ自身も中途半端です。

この中途半端さは、おそらくは実在の人物を
物語に登場させたことも一因にあるのかもしれませんねえ。

第2作も翻訳されて出版されたら読む予定です。


シャーロック・ホームズ 神の息吹殺人事件 (竹書房文庫)

シャーロック・ホームズ 神の息吹殺人事件 (竹書房文庫)

  • 作者: ガイ・アダムス
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 文庫



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