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別れ、のち晴れ [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

最近、父親の様子がおかしいと高校生の宏枝はあやしんでいた。
別れた母と年に一度「離婚記念日」と称して会っているのだが、その日が近いからなのか? 
それとも仕事のトラブル? 宏枝は顔色を読むことにかけては天才なのだ。
一方、弟の朋哉も母親が落ち込んでいると連絡してきた。調べてみる必要がある? 
子たちは親を想い、親は子を想う。家族の再生を描く珠玉のホームドラマ!


殺人事件は起こりません。そして登場人物に一人も悪人は居ません。
それでもちょっとした日常、誰にでも起こりうることを、
こうして物語にできるのはさすが赤川御大。

強いて言えば、宏枝と朋哉が実に逞しいことでしょうか。
「子子家庭」シリーズまではいきませんが、本作のこの二人も負けてません。

そして彼らは江梨や市川との「出会い」を通じて、大人だけが持つ葛藤や苦しさを
学んでいきます。

徳間文庫にはこれからも復刊を望みます!


別れ、のち晴れ (徳間文庫 あ 1-100)

別れ、のち晴れ (徳間文庫 あ 1-100)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア: 文庫



別れ、のち晴れ (徳間文庫)

別れ、のち晴れ (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア: Kindle版



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迷蝶の島 [泡坂妻夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

太平洋を航海するヨットの上から落とされた女と、絶海の孤島に吊るされていた男。
一体、誰が誰を殺したのか?そもそもこれは、夢か現実か?男の手記、関係者の証言などで、
次々と明かされていく三角関係に陥った男女の愛憎と、奇妙で不可解な事件の、驚くべき真相とは!?

少し間隔が空いてしまいました。
河出文庫泡坂妻夫復刊第3弾は良質なサスペンス。
メインの登場人物はわずかに3名。
山菅達夫の手記、捜査官・関係者の証言、そしてトキコの告白という3章構成。

個人的に、達夫の「勘違い」はどう考えても気の毒ですが、
本人も認めている通り、それなら最初に訂正すべきだった。

メインの登場人物は3名と書きましたが、ほとんど達夫とトキコの物語ですね。
両者がそれぞれ仕掛けたトリックで、両者とも亡くなります。
達夫の死の謎は蓋を開けてみれば、ああーと思うものですが、
これは極めて難しい。
一方のトキコの死は完全に予想を超えていたものでした。

ところで、河出文庫泡坂妻夫復刊が終わり、今度は徳間文庫から復刊が。
うれしいことです。



迷蝶の島 (河出文庫)

迷蝶の島 (河出文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/03/03
  • メディア: 文庫



迷蝶の島 (河出文庫)

迷蝶の島 (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/03/06
  • メディア: Kindle版



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完全犯罪 加田伶太郎全集 [福永武彦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

資産家が住まう洋館に届いた英文の脅迫状と、奇怪な密室殺人――
迷宮入りとなった十数年前の事件に四人の男が推理を競う傑作短編「完全犯罪」。
著者である加田伶太郎は、日本推理小説の爛熟期に突如として登場、
本作を始めとする幾編かの短編小説をして斯界に名を知らしめた――。
その謎に包まれた正体は、文学者・福永武彦が創りだした別の顔であった。
精緻な論理と遊戯性を共存させ、日本推理小説史上でも最重要短編集のひとつに数えられる、
文学全集の体裁を模した推理小説集。

作品群は1950~60年代初頭に書かれたものですが、
そんな古さを感じさせない見事な探偵小説です。

本シリーズや各作品群の解説は本書の鼑談や法月綸太郎先生による
解説を読めば十分にわかります。
そこでそれ以外で、私が完全なる妄想で思ったことを含めつつ(苦笑)。
始まりの「完全犯罪」は安楽椅子探偵+多重解決、さらにいえば過去の事件という点から、
すでにこの段階で福永氏はシリーズ名探偵という存在へややもすれば批判的に
見ていたのではないかと感じました。
つまりこれは法月氏も評論した「後期クイーン的問題」の第一、
「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できないこと」
を意識しているのではないか?ということです。
多重解決+過去の事件のため、名探偵・伊丹英典の推理が真実なのかどうか、
実際のところはわかりません。
あくまでもその場に居た人たちを納得させるに留まっているとも考えられます。

この趣向は、読んで行くと急に変化球が出てきたと実際驚いた「眠りの誘惑」でも同じです。
ここでも依頼者からの手記から伊丹氏は推理を構築しますが、それもまた推理の一つであり、
真実とは伊丹氏自身も少し匂わせています(物的証拠はなく、心理的証拠ばかりですのくだり等)。

そしてこの2作は法月氏も指摘する、伊丹氏は安楽椅子探偵だと自認ながら、
実のところ、全8編中、上記2編のみしか安楽椅子探偵ものがないという所も面白いところ。

名探偵を道化師化させた(にみえる)「湖畔事件」も本格のパロディかつお遊び的な
色彩が強く、これもまた、名探偵の存在そのものへのアイロニーなのかもしれません。

とまあ、名探偵云々はそろそろ置きまして・・・
本作愁眉はなんと言っても「赤い靴」でしょう。
まさに集大成といって過言ではありません。
手記による推理から始まり、怪奇色が濃い奇妙な話や謎、機械トリック、
そして探偵が犯人にしかけるトリックによる事件解決と、これでもかと
詰め込んでいて、それでいて極めて完成度が高い作品です。

「完全犯罪」も不気味な脅迫状から始まる物語は、シャーロック・ホームズものを
思わせますし、読者を惹きつける作品になっています。

一方で、「温室事件」や「電話事件」は、探偵はともかく(後者についてはもう探偵家業は辞める
と言ってますが)、読者へはやや後味が悪い作品かもしれません。
謎そのものは面白いのですが、このあたりは法月先生の解説をぜひご一読あれ。



完全犯罪 加田伶太郎全集 (創元推理文庫)

完全犯罪 加田伶太郎全集 (創元推理文庫)

  • 作者: 福永 武彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/04/12
  • メディア: 文庫



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演じられた花嫁 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女子大生・塚川亜由美と親友の聡子は休日に演劇を楽しんでいた。切ない物語に涙を流していると、
カーテンコールで主演俳優がヒロインの佐々木伸子にプロポーズ!会場は沸き立つが、
幸せそうな二人の背後には、ある女の冷たい眼差しが―。
さらに、伸子の元には謎の脅迫状が送られて!?
大人気ユーモアミステリー。(「花嫁は時を旅する」併録)

花嫁シリーズも現在刊行されているまででなんと31作。
息の長いシリーズとなりました。

本書では表題作より「花嫁は時を旅する」がオススメ。
土砂崩れで亡くなった松井夫婦が実は大きな事件を鍵を握っているのですが、
この夫婦、物語では一切登場しません。
しかしながら、関係者や犯人の話を聞いていくと、
実に奇妙で興味深い(といっては失礼かも)夫婦です。
むしろ彼らはどういう生活をしていたのか逆に気になってしまう・・・

そして本書両編にいえるのは、亜由美以上の活躍を魅せるのが
愛犬のドン・ファン。
赤川作品の中でも三毛猫ホームズの次に大活躍かつ主役を食うレギュラーメンバーです。

殿長部長刑事、相当に優秀なんだから、そろそろ警部補昇進とかどうでしょうかね?



演じられた花嫁 (実業之日本社文庫)

演じられた花嫁 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: 文庫



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夜の終る時/熱い死角 警察小説傑作選 [結城昌治]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

実直な刑事の徳持が捜査に出たきり行方不明になった。捜査係は総力をあげて事件の解決に乗りだすが、彼とやくざについての噂が同僚のあいだに疑念を呼び起こす。そんな中、徳持はホテルで扼殺死体となって見つかる(『夜の終る時』)。二部構成の鮮やかさと乾いた筆致で描かれる警察組織の歪みのリアルさは今なお色あせない。日本推理作家協会賞を受賞した警察小説の金字塔に4作の傑作短篇を増補。

ミステリ短編傑作選に続く第2弾。
解説の日下三蔵さんによると、第1弾の売上が良く、今回刊行に至ったとのこと。
やっぱ本は買わないといけませんね。
今は読むことが中々難しい作品などを、こうした形で再刊してくれるのは有り難い。

警察小説傑作選とありますが、郷原部長刑事三部作はやはり同じ刑事を主人公としていても
別扱い。あれはやはりユーモアミステリ的区分になるのでしょう。

日本推理作家協会賞受賞の「夜の終る時」は、一人の刑事が本書に戻らない所から
始まります。
第一部と第二部は連続しているようで、第一部が事件を追う刑事たちと各刑事たちの物語。
第二部は犯人の語る事件の真相。そして結末。
シャーロック・ホームズのの「恐怖の谷」を思い出しました。

最後の解説で選評が掲載されているのですが、平野謙氏の選評が印象的。
「文学的に人間が書き込んである」という、推理小説、本格ミステリと呼ばれる
分野に対して言われがちな言葉。時代を感じさせますね。
一方で松本清張氏の選評はさすがだなあと思いました。
「氏がいろいろな方法を試みるのは、その方法を証明させる」と
本格からハードボイルド、さらには警察小説と、一つのジャンルに留まらない、
結城昌治氏の持つ魅力を見事に言い得ています。

「殺意の背景」はその動機と終わり方が見事。
「熱い死角」は刑事の妻と警察のブラックリストに載るいわくある男との関係を探る
刑事の物語。疑心暗鬼が続く中、最後の結末には驚かされます。

第3弾、ぜひお願いします。



夜の終る時/熱い死角 (ちくま文庫)

夜の終る時/熱い死角 (ちくま文庫)

  • 作者: 結城 昌治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/04/10
  • メディア: 文庫



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シャーロック・ホームズの蒐集 [シャーロック・ホームズ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

1927年、アーサー・コナン・ドイルによる最後のシャーロック・ホームズ活躍譚「ショスコム・オールド・プレース」が《ストランド・マガジン》に掲載されて以降も、この不滅の人気を誇る名探偵の贋作は、数多くの作家によって描かれてきた。本書はそれらに連なる最新の傑作である。大英帝国を縦横無尽に駆け巡るホームズと相棒ワトスン博士の〈語られざる事件〉を、世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて作品化した、最高水準のパスティーシュ。六編を収める。

日本屈指のシャーロキアンである北原さん執筆によるホームズパスティーシュがついに登場!
各編の最後に、どの「語られざる事件」なのか記述してあるのが、かっこいい。

オススメは「結ばれた黄色いスカーフの事件」と「ノーフォークの人狼卿の事件」
前者は依頼人には辛い思いをさせましたが、ホームズの解決が実に鮮やか。
そして「オレンジの種五つ」を彷彿とさせる謎めいた犯人からの脅迫も不気味です。
ホラーテイストの強さでは後者。
「バスカヴィル家の犬」や「這う男」を彷彿とさせる不気味さと奇妙な謎から、
ホームズがいかに合理的に謎を解いていくのかが楽しめる一編。

ある種の「らしさ」を感じるのは「詮索好きな老婦人の事件」
ホームズ&ワトソンではなく、老婦人ことホスキンズ夫人の活躍が一番の見せ場。

それにしても、聖典にほんの少ししか出てこない記述から、
いかに物語を膨らませるか、作り込んでいくかを考えると、
北原さん始め、多くのホームズパスティーシュを書かれた作家さんの苦労は
並大抵ではないでしょう。ホームズらしさを失わず、それでいてオリジナリティを
求められるのは、相当の技量が無いとまず書けません。

語られざる事件はまだまだたくさんあります。
北原さんにはぜひそれらの事件も書いてほしいですね。


シャーロック・ホームズの蒐集 (創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの蒐集 (創元推理文庫)

  • 作者: 北原 尚彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/03/22
  • メディア: 文庫



シャーロック・ホームズの蒐集 (創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの蒐集 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/03/23
  • メディア: Kindle版



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霧の夜にご用心 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

“霧の夜の殺人“こそがサラリーマン平田正也の求める「理想的な殺人」。
会議中、社員の小浜一美に悪態をついた顧問桜田に、平田は怒りを覚えた。殺してやる!
酔っ払った桜田を待ち伏せしていたが、何者かに桜田は殺されてしまう。
そして翌日、一美が行方不明に!さらに犯人らしき人物から謎の電話が平田へかかるようになり……。
切り裂きジャックになり損ねた男の近くで起こる連続殺人事件。

また久しぶりの更新になってしまいました。やれやれ・・・

最後まで読むと、ひたすら小浜一美が可哀想だったなあと思います。
登場人物の中では救われなさ過ぎる。

しかし相変わらず設定が面白い。
主人公の平田正也はなぜか「切り裂きジャック」に憧れていて、
殺人を「ジャック」と同じ状況下で犯そうと熱望しているところから物語は始まります。

途中から登場する大場妙子の行動力はまさに赤川作品の女性主人公そのもの。
平田も彼女に押されっぱなしですが、物語が進むにつれ、「切り裂きジャック」から
勇敢な男へと成長していくのがまた良いです。
そして途中は妙な三角関係、いやハーレム状態になるところがうらやましい。

犯人はだいたい想像が付くのではないかと思います。
というより、犯人がある事実を電話で伝えたことが、平田自身も気付いたように
決定的証拠ですしね。

しかしまだまだたくさん未読作品が多そうです。
徳間文庫の赤川作品復刊には今後も期待したいですね。


霧の夜にご用心 (徳間文庫)

霧の夜にご用心 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/05/02
  • メディア: 文庫



霧の夜にご用心 (角川文庫)

霧の夜にご用心 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2000/12/08
  • メディア: Kindle版



霧の夜にご用心 (中公文庫)

霧の夜にご用心 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1995/04/01
  • メディア: Kindle版



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あぶない叔父さん [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

寺の離れで「なんでも屋」を営む俺の叔父さん。家族には疎まれているが、
高校生の俺は、そんな叔父さんが大好きだった。鬱々とした霧に覆われた町で、
次々と発生する奇妙な殺人。事件の謎を持ちかけると、優しい叔父さんは、
鮮やかな推理で真相を解き明かしてくれる――。精緻な論理と伏線の裏に秘された、
あまりにも予想外な「犯人」に驚愕する。ミステリ史上に妖しく光り輝く圧倒的傑作。

久しぶりの更新です。ちょっとさぼっていました。

表紙の風貌や第1話の、主人公・斯峨優斗の「叔父さん」への描写から、
まず間違いなくあの名探偵を想起するでしょう。
しかし、表題作の「あぶない」とは一体どういう意味なのか?
以下ややネタバレ。


小さな田舎町、16年間何の変化もない、そして刺激もないという霧ヶ町に
超弩級の刺激をもたらしているのが、他ならぬ叔父さんであることが本書最大の
面白さではないでしょうか。

特に第1話「失くした御守」は、何度読んでもまず真相に到達することは不可能で、
それが雄斗のひょんな発見から、叔父さんが申し訳なさそうに「真相」を語るという。
ただこの事件の謎と真相が明かされた時の、読者と雄斗・叔父さんの衝撃の「落差」が
あまりに皮肉が効いているのです。

簡単にいえば、実は一連の事件は叔父さんがその原因を作り出している、
これでも控えめで、つまりは叔父さんが犯人なのですね(笑

しかしそこは麻耶先生。「貴族探偵」で魅せた華麗な変化球も当然ながら存在します。
それが第3話「最後の海」。
優斗からまた叔父さんが犯人なのではないかと指摘され(笑)、それを頑強に否定し、
こともあろうに、関係者、そして警察の前で見事な推理を披露し、真相を見抜きます。
それはまさに金田一耕助に他なりません。
というか知っていたのなら、早く話した方が良いのでは・・・という感想も(苦笑

ただし例外はこの一編のみで、他は全て叔父さん絡み。
しかし、真相聞かされても優斗は叔父さんを告発することなく、
なんだ、そうだったのか~という、大団円的な終わり方なのです。

しかし第三者からみれば、この霧ヶ町は小さな田舎町にも拘わらず、
殺人事件が数件にわたり未解決のままという、非常に恐ろしい町なのですが、
そこは一切触れないという、これもまた本作のある種の狂気なのかもしれません。

全てを見通していた神様や、推理はしないが真相は見抜く貴族探偵に
ある意味通じるところはありますが、本作が仮に続編を出すとしたら、
どのような物語が紡がれるのか、非常に興味深く、ぜひ読みたい。

叔父さんの「犯行」が白日の下にさらされることはあるのかどうか。
一方で優斗と真紀、明美との関係も気になるところです。



あぶない叔父さん (新潮文庫)

あぶない叔父さん (新潮文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/02/28
  • メディア: 文庫



あぶない叔父さん

あぶない叔父さん

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Kindle版



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妖盗S79号 [泡坂妻夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

神出鬼没の怪盗S79号!指輪に名画、名刀に化石まで、古今東西のお宝を、
奇想天外な手口で次々と盗み出す。そんな中、世間では、連続猟奇殺人事件も発生中で、大混乱!
果たして、警視庁のS79号専従捜査班は怪盗の正体とその真の目的を暴くことができるのか?
ユーモラスで見事なトリックが光る傑作、待望の復刊!

河出文庫泡坂妻夫復刊第2弾。
正体不明・神出鬼没、そして大胆不敵、警視庁のファイル名から名付けられたその名前。
かつての怪人二十面相やルパンを彷彿とさせます。

しかし本書の主人公は専従捜査班の東郷警部、その部下・二宮刑事。
特に東郷警部はS79号逮捕の執念から、突飛な行動や奇想天外な妄想?を
抱くなど、なんとなくダメな刑事の雰囲気を漂わせます。
一方でその部下の二宮刑事はそんな東郷を刺激することなく、過ごす毎日。
しかし、プライベートでは身内の不幸が続き、税金に追われる日々・・・
なんだかマヌケな刑事たちが、怪盗を追う、12編の物語、のようにみえますが・・・

すでに第1話「ルビーは火」で犯人らしき人物が名前を名乗って登場しているのですが、
一方でその後の話を読んでいくと、S79号=??と、まあここは伏せますが、
ある一つの推測は皆さん浮かぶのではないでしょうか。

オススメは「庚申丸異聞」と「檜毛寺の観音像」

先ほどマヌケな刑事と書きましたが、実のところ東郷警部は優れた名刑事であると
前言撤回します。
これまでどちらかというと、S79号がどうやって盗んだのか?が謎の中心でしたが、
本作はそれと全く異なるところが実に面白い。そして東郷警部はよくここまで
真相に辿り着いたという、ある種の感動さえ覚えました(笑
まあ、詰めが甘かったのは事実なのですけど(苦笑

後者は芸術家の田甲里黒墨が素晴らしく良い味を出しています。
というよりも、本作はお手伝いのつるも相当に図々しく、というか神経が図太く、
さすがの東郷&二宮もあきれかえる始末です。

最終話「東郷警視の花道」では、本書全編にわたって登場してきたある壮大な事件を
東郷と二宮の手により解決し、最後はS79号含め大団円というフィナーレ。
御大らしいまとめ方。

それにしても二宮刑事は気の毒を通り越して、哀れです。
突然豹変したのにも納得ですが、最終話で2階級昇進を果たし、本当によかった。

最後は「迷蝶の島」。現在読書中です。




妖盗S79号 (河出文庫)

妖盗S79号 (河出文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/05
  • メディア: 文庫



妖盗S79号 (河出文庫)

妖盗S79号 (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/10
  • メディア: Kindle版



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偶像崇拝殺人事件 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

人気絶頂アイドルグループのコンサート会場で女子高生が刺殺された。
被害者の手には、メンバーの携帯番号が。事件を担当することになった大貫警部だが…?(表題作)
空気を読まず、直感で捜査。無理を通せば道理が引っ込む!?
破天荒すぎる大貫が周囲を翻弄する、大人気ユーモアミステリーシリーズ最新刊!

数あるシリーズの中でも、最も破天荒な性格(本人はそう思っていませんが)を
しているのが本シリーズの大貫警部でしょう。

最近はその破天荒ぶりが少しなりを潜めているのが残念ですが・・・

「偶像崇拝殺人事件」はAKBをモデルにしたお話ですが、
箱崎捜査一課長が意外にもファンだったことが明らかにされます。

大貫警部は昔からマスコミを使うのがやたらに上手いなあと思うんですよね。
本作でも「殺人未遂殺人事件」で何度も過激発言を繰り返します。
「東西南北殺人事件」や「一触即発殺人事件」でも実に上手いのです。
いや、単なる出たがりなのかもしれませんが(笑)

主役であるにもかかわらず、実は「殺人事件」という舞台から一歩引いた所に
警部自身居るのではないかと最近の作品では感じます。
少し時間を進ませて、井上刑事と直子の結婚式を描いてほしいですねえ。


偶像崇拝殺人事件 (講談社文庫)

偶像崇拝殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/15
  • メディア: 文庫



偶像崇拝殺人事件 (講談社文庫)

偶像崇拝殺人事件 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/15
  • メディア: Kindle版



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御子柴くんと遠距離バディ [若竹七海]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

長野県警から警視庁へ出向中の御子柴刑事。すっかり東京のペースにも慣れ、
刑事としても中堅どころになり、わりあい平穏な日々を送っていた。
だが、その油断がたたったのか、年末押し迫ってから行く先々で事件にぶちあたり、
さらには凶刃に倒れてしまう! 相棒の竹花刑事は御子柴の死を覚悟するが……。
シリーズ第二弾は波瀾の幕開け。

久しぶりの更新です。このところ多忙でした・・・

遠距離バディとはもちろん長野県警の名刑事・小林警部補だと思っていたのですが・・・
なんと本巻では小林警部補は定年退職し、奥様の実家で畑を耕し、タクシー運転手を
しているという、ちょっと残念なことになってました。

小林警部補に代わり、新たに御子柴くんの相棒となったのが警視庁の竹花刑事。
ただし、なぜ遠距離バディなのかは「御子柴くんの災難」で判明します。

というか、この話。かなり破天荒な話で、結論から言えば、この「災難」により
御子柴くんは捜査共助課から、長野県警へ戻ることに。

ところが、なぜか御子柴くんと竹花刑事が扱うそれぞれの事件が、なぜか
密接に関係しているんですよね。

オススメは「火の国から来た男」
最後の結末も驚きますが、竹花と御子柴の偶然の「出会い」が一番強烈でした(笑

次のシリーズ、あるんでしょうかね。
もしあるなら、葉村晶とのコラボを再び見たい。



御子柴くんと遠距離バディ (中公文庫)

御子柴くんと遠距離バディ (中公文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 文庫



御子柴くんと遠距離バディ (中公文庫)

御子柴くんと遠距離バディ (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/12/25
  • メディア: Kindle版



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訃報・内田康夫先生 [内田康夫]

内田康夫先生が敗血症のため、ご逝去なされました。83歳でした。

浅見光彦シリーズは私にとってはミステリを読め始めるきっかけの一つでした。
伝説シリーズでは日蓮伝説殺人事件や隠岐伝説殺人事件がとても好きでした。

鐘、透明な遺書、箱庭の文芸三部作は何度も読み返した作品でした。
特に「鐘」のあのトリックは当時強烈な印象だったと記憶しています。

沃野の伝説、箸墓幻想、皇女の霊柩、遺骨・・・挙げればもはやきりがありません。
伝記、社会派、さらには「終幕のない殺人」といった本格ミステリパロディまで
多くの作風、ジャンル問わず、楽しませて頂きました。

水谷豊さん、高橋悦史さん、乙羽信子さんの浅見光彦シリーズが好きでした。
平岡祐太さんの浅見光彦、素晴らしいと思います。
今後も絶えず映像化されることを望みます。

内田康夫先生、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。





鐘 (講談社文庫)

鐘 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/11/04
  • メディア: Kindle版



透明な遺書 (講談社文庫)

透明な遺書 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/03/14
  • メディア: Kindle版



箱庭 (講談社文庫)

箱庭 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/03/06
  • メディア: Kindle版



終幕のない殺人 (祥伝社文庫)

終幕のない殺人 (祥伝社文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2017/02/15
  • メディア: 文庫



箸墓幻想 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

箸墓幻想 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/07/25
  • メディア: Kindle版



遺骨 (角川文庫)

遺骨 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2001/05/24
  • メディア: 文庫



遺骨 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺骨 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2003/10/10
  • メディア: Kindle版



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三毛猫ホームズの回り舞台 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

“劇団Z”の観劇に赴いた片山兄妹とホームズ。終演後、主宰の土方らと食事をしていたところ、
アイドルの安東マリエが「土方は先が長くない」という噂話を耳にしたことを知る。
そのマリエの父・拓郎が夜の街で知り合った女子中学生の死に始まる殺意の連鎖。
得体の知れぬ犯人は誰だ?大人気シリーズ、堂々の第50弾!
短編「三毛猫はジャスミンの香りがお好き」を特別収録。

複数の人間の視点を上手く描写し、それを最後に極めて上手く収斂させるのは
赤川次郎先生以上の方は居ないのではないでしょうか。
今回もまさに舞台のようにめまぐるしく物語は進みます。

ここ最近のシリーズ(といってもいつからかと言えないのですが)では、
ホームズは探偵というよりも、全てを初めから見通している印象を受けますね。
昔から、各人の重大な決断を下す時とかに、影響を与えたりしてましたが、
最近は何か起きることから、結末まで全てお見通し感が非常に強い気がします。

片山や晴美、そして石津、久々に登場した栗原捜査一課長も相変わらず変わらぬ
優しさを持っているのは、変わらぬ良さです。そして事件を
大団円にもっていくことができるのは、彼らが居るからこそでしょう。
(課長が未だに絵画に興味を持っていることに衝撃を受けましたが・笑)

惜しむらくは、初期から中期の(「狂死曲」「怪談」「騎士道」「駈落ち」etc)
ストーリー的なワクワク感が薄れてきているなあと感じます。
人間の持つ「狂気」のようなものを描いた「正誤表」「四捨五入」。
本格ミステリの「推理」や幻想的な面も含む「黄昏ホテル」「騎士道」「びっくり箱」
まさにホラーの「怪談」「降霊騒動」
長編なのにレギュラーメンバーが違う事件を追うという異例の長編「安息日」

書けばきりがありませんのでこの辺で。

初期や中期のような作品をまたぜひ拝読したいです。


三毛猫ホームズの回り舞台 (光文社文庫)

三毛猫ホームズの回り舞台 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/02/08
  • メディア: 文庫



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田舎の刑事の好敵手 [滝田務雄]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

県警本部より首席監察官が視察にやって来る。監察官とは警察内部の警察だ。この知らせに問題だらけの田舎の刑事たちは大慌て。しかもこの監察官、黒川鈴木の高校の同級生でありライバルだったのだが、警察官としては致命的な欠点があり……。はた迷惑な来訪者のせいで署内がパニックに陥るが、小劇団事務所荒らしの捜査に駆り出された黒川。無能な部下・白石や恐るべき黒川夫人、そして暴走する元ライバルに頭を抱えながら捜査を進めるが、やがて殺人事件に発展し?! 田舎でだってやっぱり難事件は起こる。大好評ミステリ第3弾。

久しぶりに黒川鈴木刑事の活躍を読んだ気がします。

シリーズ初の長編で、黒川鈴木刑事と黒川夫人が別々に動き出すという、
中々面白い趣向があります(笑
トリックは説明されないとたぶんわからない、それと確実にバルーンが
関係してくるのだろうな、くらいでしょうか。

本編途中に入る<幕間>はそこまで意味があるのかどうか、いまいち不明。
推理力がまるでない透山首席監察官の「ある行動」が、実は事件の鍵を握っていた
というのが一番面白かったですね。

シリーズとしては実は短編が向いているような気がします。


田舎の刑事の好敵手 (創元推理文庫)

田舎の刑事の好敵手 (創元推理文庫)

  • 作者: 滝田 務雄
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: 文庫



田舎の刑事の好敵手 《田舎の刑事》シリーズ (創元推理文庫)

田舎の刑事の好敵手 《田舎の刑事》シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: Kindle版



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キン肉マン 第62巻 [コミック]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

サグラダ・ファミリアに侵攻した“オメガ・ケンタウリの六鎗客"を食い止めるため現れた、正義超人達!ヘイルマンにより必殺技を封じられたティーパックマンに危機が迫る!
そんな中、カナディアンマンが気炎を上げ!?

久しぶりの更新です。
このところ多忙すぎる&Switchのゼルダの伝説をやっているため(笑

web上では正義超人最後の一人・ウルフマンが戦っていますが、
コミックスではカナディアンマンが登場。
カナディアンマンの、これまでにない「プライド」が光りました。

ティーパックマンが本巻でやられてしまうのですが、
タザハマさんが中継ヘリの中で紅茶を飲んでいるシーンが登場します。
超人オリンピックではティーパックマンの頭部そのままで
紅茶飲んでましたが、このヘリの中では頭部なのかカップなのかわからん。
こうした昔の小ネタ挟みがいいですねえ。


キン肉マン 62 (ジャンプコミックス)

キン肉マン 62 (ジャンプコミックス)

  • 作者: ゆでたまご
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/03/02
  • メディア: コミック



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花嫁のさけび [泡坂妻夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

映画界のスター・北岡早馬と再婚し、幸せの絶頂にいた伊津子だったが、北岡家の面々は数ヶ月前謎の死を遂げた先妻・貴緒のことが忘れられず、屋敷にも彼女の存在がいまだに色濃く残っていた。そんなある夜、伊津子を歓迎する宴の最中に悲劇が起こる。そして新たな死体が…。傑作ミステリ遂に復刊!

更新が滞ってました。このところ業務繁多すぎ・・・



本作はある種、完璧な叙述トリックです。これは脱帽です。
伊津子の一人称視点に見せかけて、実は三人称の視点なのです。
これはすごい。
泡坂妻夫、ここにあり。
亜愛一郎シリーズは当然として、私は『妖女のねむり』がこれまでのベストだったのですが、
いやいや、まだまだ傑作揃いです。

ところでやはり探偵役は山遊さんでした。『喜劇悲喜劇』パターンとでもいうか、
少し変わった人が探偵役なのも、泡坂妻夫。
いや、普通は変わった人だからこそ、探偵あるいは探偵役なのですがね(笑


花嫁のさけび (河出文庫)

花嫁のさけび (河出文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/11/07
  • メディア: 文庫



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新装版 鬼面の研究 [栗本薫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

九州の秘境にある集落を、大手テレビ局のドキュメンタリー番組で取材することになった森カオル。
なぜか伊集院大介は同行を申し出る。鬼の子孫を自称し伝説と因習に生きる住民と、
やらせ体質の強いテレビスタッフが対立するうち次々と犠牲者が。
不可解な連続殺人の謎に伊集院大介が挑む、探偵小説の傑作!

昨年の新本格30周年を記念しての、自分の中での新装版刊行第2弾。
栗本薫さんの作品も初で名探偵伊集院大介シリーズももちろん初。
作品名に惹かれて、そして新たな開拓という意味も込めて購入。

伊集院大介の一貫して飄々とした姿が一番印象的でしたね。
かつて本格と言われた要素をこれまでかと詰め込んだ上に、
「読者への挑戦」まで挟み込む、てんこ盛り状態です。

ただ私が考えるに、この真相は本格=作り物、という批判を
逆手に取ったミステリなのかなとも思いました。
テレビクルーが登場人物なのも、そのためなのでしょう。


新装版 鬼面の研究 (講談社文庫)

新装版 鬼面の研究 (講談社文庫)

  • 作者: 栗本 薫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 文庫



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シャーロック・ホームズの栄冠 [シャーロック・ホームズ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

シャーロック・ホームズ――作家アーサー・コナン・ドイルが生み出した紙上の登場人物にして、世界中の人々を惹きつけてやまない名探偵の代名詞である。彼の活躍はドイル自身の手も離れて、初登場から130年も経った今なお、数多くの新たな冒険譚が語り続けられている。著名な推理作家による本邦初訳の一品から異色作家による珍品まで、星の数ほどある“知られざる"冒険譚のなかから選び抜いた類稀なるホームズ・アンソロジー。

ホームズアンソロジーは星の数ほどあれど、それが文庫化するというのは極めて稀です。
本書も2007年発売から10年の時を経て、文庫化されました。
しかし、それだけ内容は非常に充実しています。
特に本当に失われた物語のようなものまで採録されていて、
シャーロキアンならずとも、ミステリ好きにはとても充実した時間をプレゼントしてくれます。

やはり一番のオススメは「一等車の秘密」。
謎から解決までが極めて鮮やかかつまさにホームズそのもの。
変わり種として「シャーロック・ホームズなんか怖くない」
ホームズという名前の偉大さと、警察の対応を逆手に取った見事な作品。

海外では多くパスティーシュやパロディが編まれるホームズ作品。
日本でもぜひ次々と刊行されてほしいものです。


シャーロック・ホームズの栄冠 (創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの栄冠 (創元推理文庫)

  • 作者: ロナルド・A・ノックス
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: 文庫



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ジョジョリオン 17-ジョジョの奇妙な冒険Part8 [コミック]

Amazonさんの紹介ページから。

ドロミテのスタンド攻撃をかいくぐり、ようやく植物鑑定人・豆銃礼と落ち合うことができた定助と康穂。だが、その時すでに、新たな岩人間が3人の間近に迫っていた! 姿を見せずに襲ってくる謎多き敵の正体とは…!?

岩人間アーバン・ゲリラのスタンド「ブレイン・ストーム」はトンデモない能力ですね。
植物鑑定人と定助のコンビでようやく勝てたという印象。
それにしても普段は医者として生活しているとは、いったいどういう状況なのか。

あと定助のシャボン玉の中身が判明しましたね。糸とは・・・「ストーンフリー」と
何か関係あるのか。今後の鍵になりそうです。

しかし、また新たな敵が登場しましたね。まだ終章が見えない。


ジョジョリオン 17 (ジャンプコミックス)

ジョジョリオン 17 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/19
  • メディア: コミック



ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/19
  • メディア: Kindle版



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新装版 頼子のために [法月綸太郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて刺殺、自らは死を選ぶ――という手記を残していた。しかし、手記を読んだ名探偵法月綸太郎が真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が。著者の転機となった記念碑的作品。長く心に残る傑作!

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

新年一発目は、昨年の新本格30周年で発売された、法月綸太郞先生の転機となる作品。
私自身、名探偵法月綸太郞シリーズは、実は「生首に聞いてみろ」から読み始め、
その後に3作の短編集、そして「生首」以後の作品を読んで来たため、
「誰彼」や「ふたたび赤い悪夢」等は未読なのです。
今回、新装版が発売されましたので、年末年始を利用して一気読みしました。

犯人の「手記」から物語は始められ、この「手記」が真実なのかどうか、
法月綸太郞が真実を探っていきます。
彼が最後に選んだ選択は正しかったのか、そしてラストに待ち受ける本作の本当の主人公
ともいうべき人との短い会話が印象的。

祥伝社から出ているのも、講談社で復刊をお願いします。


新装版 頼子のために (講談社文庫)

新装版 頼子のために (講談社文庫)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 文庫



新装版 頼子のために (講談社文庫)

新装版 頼子のために (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: Kindle版



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ぼくのこのミス2017 [ミステリ]

今年も大晦日になりました。
2017年に読んだ私なりの「このミス」を。

周木律「眼球堂の殺人~The Book~」
 館シリーズ、S&Mシリーズの系譜を継ぐ、堂シリーズ。
 完結まで目が離せません。

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: Kindle版



大倉崇裕「蜂に魅かれた容疑者」
 警視庁生き物係、久しぶりの文庫化。
 ドラマ化もされましたし、今後も活躍の期待大。

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: 文庫



蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: Kindle版



青柳碧人「ウサギの天使が呼んでいる」
 シリーズ化への期待大。
 ホームズ&ワトソンの正当を継ぎつつ、稼業に絡めたお話も良い。

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/21
  • メディア: 文庫



ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: Kindle版


皆様、良いお年をおむかえください。
今年もありがとうございました。


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哀しい殺し屋の歌 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

毎夜酒場で泥酔する「元・殺し屋」が目を覚ましたのは、捨てたはずの実の娘の屋敷だった。
戸惑いつつも再会を喜ぶ男だが、別れた妻は既に病で亡くなり、
娘はなんと夫を殺されて若き未亡人になっていた。
さらに、男の元へ謎の少年から殺人の依頼が舞い込んでくる。
一連の事件の裏にはかつての仲間の影が――!?

表題作ほか「パパは放火魔」を収録。
国民的大作家がおくる、ユーモア×ハードボイルド×ミステリー!

今年ももう終わりですが、駆け込みアップ。
実業之日本社から刊行され、角川文庫で発売された本書が
装いも新たに実業之日本社文庫から復刊です。

殺し屋というのが普通に出てくる所が実に赤川先生らしい作品。
かつて凄腕の殺し屋だった、という現在進行形で無いところも良いですね。

本編ではお手伝いのハナ子が個人的にMVP。
杉山が襲撃されても「まるで『ゴッドファーザー』だわ!」と驚くだけ(笑
肝が据わってるお手伝いです。

もう一編の「パパは放火魔」は女子中学生の冒険物語。
解説にもありますが、『家族カタログ』を思い出します。

来年も先生のご活躍を祈念します。


哀しい殺し屋の歌 (実業之日本社文庫)

哀しい殺し屋の歌 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/12/05
  • メディア: 文庫



哀しい殺し屋の歌 (角川文庫)

哀しい殺し屋の歌 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2001/07/13
  • メディア: Kindle版



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あるフィルムの背景ーミステリ短編傑作選 [結城昌治]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。
普通の人々が歪んだ事件を引き起こす恐ろしさと悲しみを巧みに描き、読者の予想を裏切る驚愕の結末を鮮やかに提示する。昭和の名手の妙技を堪能できる、文庫オリジナルの短篇傑作選。

結城昌治さん、超ひさしぶりです。
郷原部長刑事三部作以来。

いわゆるイヤミスが多い短編集になっています。
オススメはかなりホラー寄りの「うまい話」
なぜ訪ねてしまったのか首をかしげる「雪山讃歌」
今のオリンピックへの皮肉にもとれますが、実はどんでん返しがまっていた「絶対反対」

昔は誰の葬式でも同じ人が来ていたという話を聞いたことがありますが、
「葬式紳士」も似たような話。
しかし、その紳士にはある目的が・・・

ちくま文庫のこうした復刊ではありませんが、中々読むことのできない作家さんの
作品を集めて出して頂くのは本当にありがたい。
今後もぜひ続けてください。


あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

  • 作者: 結城 昌治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/11/09
  • メディア: 文庫



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このミステリがすごい!2018年版&2018本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

毎年恒例のシリーズ。
さらに「ミステリが読みたい!2018年版」も購入しています。

本格ミステリ・ベスト10では三世代座談会と称し、
法月綸太郎さん、三津田信三さん、青崎有吾さんの三者対談が掲載されています。
これは必読かも。

また大倉崇裕さんのインタビューも掲載されており、ドラマ化された「いきもの係」等の
お話も読めて満足。

「ミステリが読みたい」には今話題の「オリエント急行殺人事件」が小特集されていて、
それ目当てに購入したという動機もあります。
しかしまあ、映像化ではスーシェ版を超えるのは難しいでしょう。
あれこそ最高傑作では。

さてこの三紙でこのミスと本格は第1位は「屍人荘の殺人」ですが、
ミステリが読みたいでは「機能警察」が第1位で、なんと「屍人荘」はベスト10にも
入ってません。
中々興味深いランキングですね。購読者層が違うのか、そもそも「本格」や「ミステリ」
というものの捉え方が違うのかもしれませんね。
「屍人荘」は文庫化したら買おう。

倉知淳さんの近況報告(「本格ミステリ」)内でついに猫丸先輩の新作が来年
刊行予定とのこと!楽しみです。


このミステリーがすごい! 2018年版

このミステリーがすごい! 2018年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 単行本



2018本格ミステリ・ベスト10

2018本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本



ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 雑誌



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化石少女 [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、
恐ろしい場面を……。京都の名門高校に次々起こる凶悪事件。
古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、
奇天烈な推理の数々とは?

久しぶりの更新です。
本書も読んだのは2ヶ月くらい前ですね。
摩耶さんの作品ということで期待して読みました。

本書最大の特徴は古生物部の部長・神舞まりあが披露する推理が本当に正しいのか?
ということが全く証明されないままに物語が進行することでしょう。
というのも、まりあが信じ込んでいる「生徒会役員が犯人」という大前提があるため、
生徒会役員が犯人という前提の推理を構築しているためでしょう。

もしまりあの推理をワトソン役である桑原彰が証明しようとすると、
生徒会役員が犯人という大前提が崩れる可能性があるため、これはできないのでしょう。

最終話「赤と黒」では、生徒会役員が犯人ではないという大前提を崩すために、
彰がとある行動にですのですが、これは予測できませんでした。

ただ、不満な点もあります。
生徒会との確執は部の存続というものがあるものの、生徒会役員が犯人である
合理的理由はそもそも何なのか?というのがよくわからないのです。
各事件にて生徒会役員はそれぞれが動機を持つのでしょうが、そこが
うまく説明出来ていないのではないかと感じました。

ラストを読む限りでは続編はなさそうですが、さてどうなりますか。


化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: 文庫



化石少女 (徳間文庫)

化石少女 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: Kindle版



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その絆は対角線-日曜は憧れの国 [円居挽]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内気な性格に悩む中学生の千鶴は、自身を変えるための新しい挑戦として、“憧れの国"と呼ばれる四谷のカルチャーセンターに通い始める。そこで出会ったのは、性格も学校もばらばらだけれど、似たような悩みを抱える桃、真紀、公子。なぜかいつも講座でささやかな謎に遭遇する彼女たちは、時にぶつかり合い、時に支え合いながら、事件を通して内面を見つめ直していく……。芸術講座で聞いた、死の間際に骨董コレクターが取った不可解な行動。創作講座で絶賛された作者不明の原稿。不思議な謎を解き明かしていくたびに、少女たちは成長する。温かく優しい筆致で描いた青春ミステリ第2弾。

日常の謎を主体とした連作短編集ですが、Amazon説明文にあるように、
まさに青春ミステリ。
本作では暮志田千鶴・先崎桃・神原真紀・三方公子それぞれの関係性も垣間見え、
また前作よりさらにミステリ度が落ちているものの、中学生を主人公とした作品として
極めて良質なジュブナイル(+ミステリ)ではないでしょうか。

第1話から登場するエリカ・ハウスマン先生が、最終話で突然衝撃的な事実が明らかになる
のですが、これはあのニュース(ショーン・○)がモデルなのだろうか(笑

オススメは「胎土の時期を過ぎても」
二人ずつに分かれての推理合戦。実際に陶芸を体験した真紀と千鶴のコンビ、中々良いです。
特に千鶴の積極さが他話より群を抜いて出ています。
いずれの推理が正しいのか、それはわかりません。多重解決なのかもしれませんが、
本書はコンビに分かれた事で、また各人の見方も広がったところが良いですね。

進級後、進学後の彼女たちも見てみたいなあ。


その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (創元推理文庫)

その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (創元推理文庫)

  • 作者: 円居 挽
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/10/21
  • メディア: 文庫



その絆は対角線 日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

その絆は対角線 日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: Kindle版



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遺譜-浅見光彦最後の事件- [内田康夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

本人の知らぬ間に企画された浅見光彦34歳の誕生日会。初恋のひとである稲田佐和との再会に心躍る浅見は、美貌のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハからボディガードを頼まれる。
一度は断ったものの、陽一郎からの要請でアリシアのコンサートが行われる丹波篠山に赴くことに。
彼の地で彼女の祖母の遺譜を捜索するが、手がかりである「インヴェ」に繋がる男が殺され
浅見に嫌疑がかかり!? 
国民的名探偵〈最後〉の事件

70年の時を経て甦る陰謀に、浅見家の人間として下す光彦の決断とは――
ドイツと日本、二つの国で次々に見つかる新事実、「遺譜」に記されていた内容とは?
第二次世界大戦当時から現代へと綿々と続く「盟約」を護り続ける者と、それを狙う者。
浅見光彦が迎える史上最大の危機!

ちょっと更新が滞ってました。

だいぶ前に読んだ本。ついに最終巻を迎えた浅見光彦シリーズ。
本作は殺人事件は起こります、光彦も推理を魅せます。
しかし、そこが本書の見せ場ではなく、70年前の歴史的事実と浅見家、さらには雪江の実家
との関わりがメインでもあり、一方で歴代ヒロインたちのお祭り的小説なのかもしれません。

ちなみにシリーズとしては「孤道」がありますが、こちらは未完のため、
個人的にはシリーズとしてカウントするのか疑問です。
内田康夫先生のご病気が良くなり、完結させて欲しいと思います。

結局浅見は誰と結婚するのかというのが、最後まで実のところ不明。
まあ確かに流れ上は稲田佐和さんなのでしょうが、うーん。
光彦の幼なじみで、唯一の「閉鎖された館」事件をともにした野沢光子でも
良かったような。さらに言えば、僕は本命は須美ちゃんだと思ってたのになあ。

物語は戦前の日本とドイツ、さらには浅見家などの過去を知る壮大なストーリーですが、
事件としてはイマイチです。「北の街物語」の方が面白い。

社会派的、歴史モノでいえば、「遺骨」や「箸墓幻想」、「箱庭」、「皇女の霊柩」
といった作品群が浮かんできますが、本作はどうしても最終作という意味合いが強く
出過ぎており、作品内容そのものの評価は難しいですね。

とはいえ、今後もう読めないのかと思うとやはり寂しい。
映像化も最近下火ですし、ちょっと哀しい気持ちもあります。
しかしシリーズをきちんと完結させて頂けたという意味で内田康夫先生には感謝。
先生本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。


遺譜 浅見光彦最後の事件 上 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 上 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/23
  • メディア: 文庫



遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 下 (角川文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/09/23
  • メディア: 文庫



遺譜 浅見光彦最後の事件 上 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 上 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



遺譜 浅見光彦最後の事件 下 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件 下 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】 (角川文庫)

遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: Kindle版



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鍵の掛かった男 [有栖川有栖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

中之島のホテルで梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺と断定。だが同ホテルが定宿の作家・影浦浪子は疑問を持った。彼はスイートに5年住み周囲に愛され2億円預金があった。影浦は死の謎の解明を推理作家の有栖川有栖と友人の火村英生に依頼。が調査は難航。彼の人生は闇で鍵の掛かった状態だった。
梨田とは誰か? 他殺なら犯人は? 驚愕の悲劇的結末!

火村英生シリーズ文庫版最新作にして、最大の異色作。
まず探偵役である火村が物語の終盤までメインで登場しないという異例さ。
そしてこれまでワトソン役として火村をサポート(?)してきたアリスが
事実上、探偵役を務めています。

さらにこれまでのシリーズでは、殺人事件が起きる、あるいは疑わしいという所から
始まるのが特徴でしたが、本作は「自殺とは考えられない」という作家・影浦浪子の依頼から、
全てがスタートしています。

一方、梨田稔というか「鍵の掛かった男」の鍵が開いた瞬間から、
彼を殺した人物は果たして誰なのか?というさらなる難問が降りかかります。
アリスの聞き込みから、ホテル関係者、宿泊客の人柄、抱えている事等々、
それらを読者は知った上で、この謎に衝突するのです。
正直なところ、犯人は相当意外です。
ここもこれまでのシリーズと一線を画していると感じました。
読者にこの犯人を指摘するのはおそらく無理なので、
いわば「読者への挑戦状」は挟めないのではないかと思います。
(実際に影浦にそれらしい謎かけをしていますが、読んでいてわかった人、いたのかなあ。)

一方、影浦が奇しくも指摘するもう一人の「鍵の掛かった男」=火村英生。
解説では、火村の鍵が開くときこそ、本シリーズの終焉ではないかと述べられていますが、
有栖川先生が、本シリーズをどう終幕させるのかは、確かに気になるところ。

本作がこれまでと異色であることから、違和感を持つ方もいるかもしれません。
しかし、本作によりシリーズにさらなる幅ができたのではないかと私は感じました。


鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: 文庫



鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: Kindle版



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シュークリームパニック [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「兄ちゃん――金、欲しいないか?」人生大逆転を狙って、場外馬券売り場で見知らぬおっさんが持ち掛けてきた、1人あたり1億円ゲットの銀行強盗計画に参加することにした僕。しかし、その計画は綿密なようでどこかがおかしい。僕の人生は、どうなる!?――スリルと笑いが溢れ出す「現金強奪作戦!(但し現地集合)」。
高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシーンのロケ場所から、彼女の姿が消えた―!?感動的な結末に心がほっこりする中編「夏の終わりと僕らの影と」はじめ、本格ミステリの名手の技が光る。
25歳のOL、真紀の暮らすワンルームマンションに通ってくる、おなかの横に渦巻き模様のある猫――いつしか真紀は、猫を部屋に招き入れ、「うずまきちゃん」と名付けて部屋で遊ぶようになった。そんな日常の中、近隣で傷害事件が発生! 所轄署の若手刑事にして真紀の彼氏である満久は、なんと、うずまきちゃんに事件にかかわる秘密が隠されているという――本格ミステリーなのにかわいさ満点(?)の「通い猫ぐるぐる」。

意外とAmazonの紹介が長くて驚きました(笑
「通い猫ぐるぐる」にはアノ人が登場するかと期待したのですが、残念。

表題作は主人公の推理が冴え渡りますが、結末は・・・

本書オススメは「強運の男」
ホラーミステリとでも言えばいいのか、強運であるのが良いのか悪いのか。

「名探偵南郷九条の失策」は反則ぎりぎり(いや、反則?)のトリック。

最終話はさわやかな青春ミステリ。ラストにはもってこいの話です。


シュークリーム・パニック (講談社文庫)

シュークリーム・パニック (講談社文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫



シュークリーム・パニック (講談社文庫)

シュークリーム・パニック (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: Kindle版



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伽藍堂の殺人~Banach-Tarski Paradox~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる“瞬間移動”殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く“堂”シリーズ第四弾。

本シリーズは森博嗣氏の<真賀田四季>的な立場である善知鳥神と探偵役である十和田只人、
さらには宮司兄妹の物語なんだろうと思ってきました。

しかし、シリーズ最初から登場する数学界の天皇・藤衛<藤天皇>が本書では大きく
クローズアップされ、本シリーズの見方がかなり変わりました。
それは本書の結末を読めば否応なくわかります。

トリックそのものは、本シリーズを読んでいれば多少は予想できるものの、
相変わらずアクロバティックです。
もはやこのシリーズで島が廻ることなど、驚きもしません(笑

本書でのラストを読んで、次作がますます楽しみになりました。


伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫






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