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『アリス・ミラー城』殺人事件 [北山猛邦]

北山さんの御著書は初めて読みます。
なんといっても裏面の紹介文と帯の文章で購入を決めました(笑
本書はクリスティの古典的傑作「そして誰もいなくなった」に挑んだミステリといえるでしょう。
以下ネタバレ。


本書のトリックは大いなる叙述トリックにあります。
最後まで読んで犯人の名前を見ても、「?」というのが第一印象です。
確かにそこまで読んで読み返してみると、いくつかおかしな点があることには気づきます。
そして「誰もいなくなった」でのインディアン人形ならぬ、チェス盤の白い駒の数が次々と
減っていくという心理トリックに、実は黒の女王駒も存在しているという矛盾も気づきます。

しかし入瀬が「あとはかれしかいないじゃない」と述べるところや
登場する探偵が「α」(=犯人の事です)について一切言及しない点もあるんですよね。
なぜ「α」を犯人のリストから除外するのかなあ。

もちろん、「α」を名指ししている探偵もいるんですよね(笑
しかしそれはうやむやにされている気が。
出てくる探偵の中で、もっとも頭がキレるのはおそらく観月か最後まで生き残った事を
考えて无多かなと。

観月は殺された探偵や堂戸・ルディの死体を確認しているにも関わらず、
「α」犯人説には傾かず、自ら罠だと言っていた密室トリックを解明することに
重点を置いたり、実際はその時生きていた古加持を死んだと見誤るなど・・・
やっぱり優れた探偵じゃないのかな?(笑

非常に印象的だったのはルディが述べた言葉。
「シャーロック・ホームズやエラリー・クイーンももういない。彼らが探偵として勝ち得た
はずの誇りは、現代において既に失われているのです。(中略)探偵は生きていてはいけない。
死ぬべきなのです。」
どこの箇所だか忘れましたが、「探偵は交換可能」という記述もありました。
名探偵不要論かな(笑
とはいえ、本作でのルディの目的がよくわからなかったです。
彼女は探偵を殺すのが目的だったんでしょか。
そして彼女は「α」の正体には気づかなかったのでしょうかねえ。

しかし本作は本格ミステリファンにはたまらない一冊であることは間違いないと思います。
ぜひご一読を。


「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)

「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: 文庫



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