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あぶない叔父さん [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

寺の離れで「なんでも屋」を営む俺の叔父さん。家族には疎まれているが、
高校生の俺は、そんな叔父さんが大好きだった。鬱々とした霧に覆われた町で、
次々と発生する奇妙な殺人。事件の謎を持ちかけると、優しい叔父さんは、
鮮やかな推理で真相を解き明かしてくれる――。精緻な論理と伏線の裏に秘された、
あまりにも予想外な「犯人」に驚愕する。ミステリ史上に妖しく光り輝く圧倒的傑作。

久しぶりの更新です。ちょっとさぼっていました。

表紙の風貌や第1話の、主人公・斯峨優斗の「叔父さん」への描写から、
まず間違いなくあの名探偵を想起するでしょう。
しかし、表題作の「あぶない」とは一体どういう意味なのか?
以下ややネタバレ。


小さな田舎町、16年間何の変化もない、そして刺激もないという霧ヶ町に
超弩級の刺激をもたらしているのが、他ならぬ叔父さんであることが本書最大の
面白さではないでしょうか。

特に第1話「失くした御守」は、何度読んでもまず真相に到達することは不可能で、
それが雄斗のひょんな発見から、叔父さんが申し訳なさそうに「真相」を語るという。
ただこの事件の謎と真相が明かされた時の、読者と雄斗・叔父さんの衝撃の「落差」が
あまりに皮肉が効いているのです。

簡単にいえば、実は一連の事件は叔父さんがその原因を作り出している、
これでも控えめで、つまりは叔父さんが犯人なのですね(笑

しかしそこは麻耶先生。「貴族探偵」で魅せた華麗な変化球も当然ながら存在します。
それが第3話「最後の海」。
優斗からまた叔父さんが犯人なのではないかと指摘され(笑)、それを頑強に否定し、
こともあろうに、関係者、そして警察の前で見事な推理を披露し、真相を見抜きます。
それはまさに金田一耕助に他なりません。
というか知っていたのなら、早く話した方が良いのでは・・・という感想も(苦笑

ただし例外はこの一編のみで、他は全て叔父さん絡み。
しかし、真相聞かされても優斗は叔父さんを告発することなく、
なんだ、そうだったのか~という、大団円的な終わり方なのです。

しかし第三者からみれば、この霧ヶ町は小さな田舎町にも拘わらず、
殺人事件が数件にわたり未解決のままという、非常に恐ろしい町なのですが、
そこは一切触れないという、これもまた本作のある種の狂気なのかもしれません。

全てを見通していた神様や、推理はしないが真相は見抜く貴族探偵に
ある意味通じるところはありますが、本作が仮に続編を出すとしたら、
どのような物語が紡がれるのか、非常に興味深く、ぜひ読みたい。

叔父さんの「犯行」が白日の下にさらされることはあるのかどうか。
一方で優斗と真紀、明美との関係も気になるところです。



あぶない叔父さん (新潮文庫)

あぶない叔父さん (新潮文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/02/28
  • メディア: 文庫



あぶない叔父さん

あぶない叔父さん

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Kindle版



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コメント 7

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2018-05-15 19:10) 

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-05-15 19:11) 

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2018-05-15 19:11) 

コースケ

ぼんぼちぼちぼち様、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2018-05-17 21:22) 

コースケ

kiyokiyoさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-05-17 21:23) 

コースケ

ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2018-05-17 21:24) 

コースケ

mayuさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-05-22 21:43) 

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