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怖ろしい夜 [西村京太郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

秋山は商事会社の平凡なサラリーマンだ。給料日、28歳になる恋人の明子に結婚を申し込んだところ、
あと半年待って欲しいと言われた。半年したら叔母の莫大な遺産が入るというのだ。
だが、彼女はその晩何者かに殺されてしまう。しかも彼女には叔母などいなかった。
秋山は殺人犯の容疑をきせられ逃亡するが……。
事件の裏には意外な事実が!!(「夜の追跡者」) 妖しい夜、寂しい夜、暗い夜。
様々な夜をテーマにしたオリジナル短編集。

久しぶりの西村御大の作品です。以下、少しネタバレ。




オススメは「怠惰な夜」と「夜の脅迫者」
この2編、似ているんですよね。いずれも自業自得というか、藪をつついて蛇を出す
かのような話です。
特に前者は、遺産を狙うという明瞭な目的があるとしか思えない状況を、
実にうまく利用した木村京子の作戦勝ちでしょう。


刑事モノとしては中々秀逸なのは「夜の牙」
十津川警部&亀井刑事のコンビが有名ですが、この三井刑事&安田刑事の
他の作品も読みたくなりました。

「夜の追跡者」は付き合っていた彼女の嘘から始まる男の悲劇ですが、
本作はラストがある意味どんでん返し的な話なんですが、
絶対この刑事は処分されるだろうと思います(笑
付けている間にさらに人が殺されているじゃないかと。


怖ろしい夜 (角川文庫)

怖ろしい夜 (角川文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/01/24
  • メディア: 文庫



怖ろしい夜 (角川文庫)

怖ろしい夜 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/01/24
  • メディア: Kindle版



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世界推理短編傑作集4 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、一九六〇年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』
を全面リニューアル!第四巻にはコッブ「信・望・愛」、ノックス「密室の行者」、
バーク「オッターモール氏の手」、ハメット「スペードという男」、ダンセイニ「二壜のソース」、
ウォルポール「銀の仮面」、セイヤーズ「疑惑」、クイーン「いかれたお茶会の冒険」、
ベイリー「黄色いなめくじ」の一九三〇年代以降の名作九編を収録!


以下ややネタバレ。




本書所収で最も有名なのは「二壜のソース」ではないでしょうか。
ラストの1行が持つ恐ろしい意味が読者に衝撃を与えます。

個人的に最も恐ろしいと感じたのは「銀の仮面」。
これ、推理短編なんでしょうか。
ホラー小説に感じました。そして極めて後味も悪い作品です。
藤子不二雄Aの『魔太郎がくる』にも似たような話がありますが、
これはその先駆けなんでしょうね。
相手の善意を逆手に取っているのが、さらにたちが悪いですけど。
(というか、初めからそこを狙っていたとも読めますけど)

これに最初之「オッターモール氏の手」も推理小説というよりも、
サイコサスペンスに近い印象を持ちました。

クイーンの「いかれたお茶会の冒険」は傑作ですね。
単純な謎を、名探偵自身が「奇妙な味」に実は仕立てているという、
かなり面白い趣向です。
徹頭徹尾、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』を意識して書かれてているのも
良いのです。特に「鏡」からクイーンがヒントを得るところが個人的には秀逸。

「密室の行者」は、密室内に、食べ物や飲み物があったにもかかわらず、
餓死するという、極めて不可思議な謎が魅力的です。
トリックはよく上手くいったなあと思いますが、これに気付いた探偵を褒めるべきでしょう。



世界推理短編傑作集4【新版】 (創元推理文庫)

世界推理短編傑作集4【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/02/12
  • メディア: 文庫



世界短編傑作集 4 (創元推理文庫 100-4)

世界短編傑作集 4 (創元推理文庫 100-4)

  • 作者: E.ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1961/04/07
  • メディア: 文庫



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大聖堂の殺人 ~The Books~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

解は示された。大人気シリーズ、ついに終幕!
天才数学者が館に隠した時と距離を超える最後の謎。

すべての事件を操る数学者・藤衛に招かれ、北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。
そこは、宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、
焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。
大人気「堂」シリーズ、ここに証明終了!
以下、少しネタバレ。





「堂」シリーズ最終作。
ついに「藤天皇」こと藤衛と宮司百合子・善知鳥神が対峙します。
ところでこのシリーズのトリックは回転・動くが確実なので、
今回は一体何が回転するのか気になっていました。

今回は「動く」のですが、これはまたアクロバティックすぎます。
また、かつて起きた殺人をなぞるように起きる連続殺人のトリックもお見事。


しかし、最終作にしてはちょっとなあという読後感。
まず、自分は妖精という数学者は本当に必要だったのか、よくわかりません。
各章のタイトルも「闇」や「蝕」などは要らなかったのでは・・・

最大の不満は十和田只人の扱いです。
本シリーズの探偵役を途中まで務めたにも拘わらず、その立場の逆転には
非常に驚きました。
本書で彼が藤天皇に従属している旨が書かれますが、これまでのシリーズで
そういう描写ありましたっけ?(私が失念しているだけでしたらすいません。)

個人的には本書で再び探偵役に返り咲いて欲しかったのですが、
本シリーズが十和田只人の物語と見せかけて、実は宮司百合子の物語で
あることを踏まえれば、中々難しいとは思いましたが・・・

で、彼は本当に本書では何もしない。いや、最後に腕力を発揮したくらいで、
百合子の説得は全く効果なし。こんな姿は観たくなかったなあ・・・

またかつて大聖堂で起こった殺人事件の真相がちょっとなあ・・・
他国に居た人物がいかに殺人を行えたのかというのは、
確かにこの真相くらいでないと中々難しいのでしょう。

ただし、本シリーズは館シリーズを意識しているのは間違いないでしょうが、
最初、堂を作った沼四郎、そして放浪の数学者・十和田只人という探偵役。
この基本を完全に180度変えつつも、シリーズとして続けたのは、素晴らしいと思います。

周木律先生、お疲れ様でした。
これからも我々を楽しませてください。



大聖堂の殺人 ~The Books~ (講談社文庫)

大聖堂の殺人 ~The Books~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: 文庫



大聖堂の殺人 ~The Books~ (講談社文庫)

大聖堂の殺人 ~The Books~ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: Kindle版



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ヨギ・ガンジーの妖術 [泡坂妻夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

名(酩?迷?)探偵ヨギ ガンジー登場!ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の血をひき、
ロンドンではヨーガを教え、シカゴではすりの実演、東京では医者を相手に催眠術の講義をする、
謎の男ヨギ ガンジー。心霊術、念力術、予言術、枯木術、読心術、分身術、そして遠隔殺人術…。
頭にターバンを巻き、長い白衣を着た正体不明の名探偵が、超常現象としか思えない
不思議な事件の謎に挑む!

泡坂御大作品の復刊と、『引退公演』の文庫刊行が近く
とてつもなく有名だけど、未読のヨギ・ガンジーシリーズを購入しました。
なお、長編2編も購入済みです。
以下、少しネタバレ。



オススメは「王たちの恵み<心霊術>」と「釈尊と悪魔<読心術>」の2編。

前者は募金箱から「誰が」寄付金を盗んだのか?という謎が、
ガンジーにより180度逆転するという傑作。
最初の登場作品なのに、泥棒に間違われているガンジーも面白いです。

後者はガンジーの謎解きもさることながら、霧丸の役者ぶりが良い。
しかし、ガンジーと不動丸のコンビは確かに劇団に向いてそうですね。

それにしてもガンジーは各方面で先生と呼ばれながら、実際に神秘的な力を
持っていないというのを、その人たちも知っているというのが中々に面白い。
ところで名探偵→迷探偵→酩探偵とその表記の変化は当然見逃せません。
私としては、もっと短編で「名探偵」のガンジーの活躍が読みたかったですね。



ヨギ ガンジーの妖術 (新潮文庫)

ヨギ ガンジーの妖術 (新潮文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1987/01/27
  • メディア: 文庫



ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/07/01
  • メディア: Kindle版



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