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心霊殺人事件-安吾推理短編 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

本格推理にして本格文学。安吾ミステリが『不連続殺人事件』だけではもったいない!
同じくあの巨勢博士が活躍する「選挙殺人事件」「正午の殺人」、
元奇術師・伊勢崎九太夫がいい味を出す「心霊殺人事件」「能面の秘密」。
そして、あずかり知らぬわが涙かな―傑作「アンゴウ」…。
知的パズルの面白さも存分に発揮した全10篇。

この連休は積ん読本をどんどん読んでいこうと思っていたのですが、
ほとんど寝ているばかりで、中々進みません。

本書は連休前から読み進めていた一冊。
巨瀬博士以外にも探偵役が居たのですね。驚きました。
しかし、この伊勢崎九太夫、性格的には巨瀬博士に近いなあと感じました。
博士よりイヤミでは無いですが(笑

「アンゴウ」は傑作。暗号小説として、あるいはミステリとしてという意味でなく、
最後の余韻含め、ラストを飾るにふさわしい作品です。
安吾とかけているんでしょうね、だからわざとカタカナ表記なんでしょうか。

他では「選挙殺人事件」と「影のない犯人」の2編。
前者は、殺人事件そのものよりも、なぜ選挙に出たのかというホワイダニットの要素
がとても面白い。明かされる動機も意表を突いています。

後者は時代や世相を反映させた作品といえますが、これは推理小説なのかどうかという
問題はありそうな気がします(笑
兄妹の会話の後に書かれるラストの描写はある種傑作です。このタイトルの
意味を語ってくれています。


心霊殺人事件: 安吾全推理短篇 (KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ)

心霊殺人事件: 安吾全推理短篇 (KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ)

  • 作者: 坂口安吾
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2019/03/05
  • メディア: 文庫



心霊殺人事件 安吾全推理短篇 KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ (河出文庫)

心霊殺人事件 安吾全推理短篇 KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: Kindle版



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世界推理短編傑作集4 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、一九六〇年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』
を全面リニューアル!第四巻にはコッブ「信・望・愛」、ノックス「密室の行者」、
バーク「オッターモール氏の手」、ハメット「スペードという男」、ダンセイニ「二壜のソース」、
ウォルポール「銀の仮面」、セイヤーズ「疑惑」、クイーン「いかれたお茶会の冒険」、
ベイリー「黄色いなめくじ」の一九三〇年代以降の名作九編を収録!


以下ややネタバレ。




本書所収で最も有名なのは「二壜のソース」ではないでしょうか。
ラストの1行が持つ恐ろしい意味が読者に衝撃を与えます。

個人的に最も恐ろしいと感じたのは「銀の仮面」。
これ、推理短編なんでしょうか。
ホラー小説に感じました。そして極めて後味も悪い作品です。
藤子不二雄Aの『魔太郎がくる』にも似たような話がありますが、
これはその先駆けなんでしょうね。
相手の善意を逆手に取っているのが、さらにたちが悪いですけど。
(というか、初めからそこを狙っていたとも読めますけど)

これに最初之「オッターモール氏の手」も推理小説というよりも、
サイコサスペンスに近い印象を持ちました。

クイーンの「いかれたお茶会の冒険」は傑作ですね。
単純な謎を、名探偵自身が「奇妙な味」に実は仕立てているという、
かなり面白い趣向です。
徹頭徹尾、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』を意識して書かれてているのも
良いのです。特に「鏡」からクイーンがヒントを得るところが個人的には秀逸。

「密室の行者」は、密室内に、食べ物や飲み物があったにもかかわらず、
餓死するという、極めて不可思議な謎が魅力的です。
トリックはよく上手くいったなあと思いますが、これに気付いた探偵を褒めるべきでしょう。



世界推理短編傑作集4【新版】 (創元推理文庫)

世界推理短編傑作集4【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/02/12
  • メディア: 文庫



世界短編傑作集 4 (創元推理文庫 100-4)

世界短編傑作集 4 (創元推理文庫 100-4)

  • 作者: E.ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1961/04/07
  • メディア: 文庫



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世界推理短編傑作集3 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版で以来版を重ね現在に至る
『世界短編傑作集』を全面リニューアル!!第3巻にはフィルポッツ「三死人」、
クリスティ「夜鶯荘」、ワイルド「堕天使の冒険」、ユーステス「茶の葉」、
ウイン「キプロスの蜂」、ロバーツ「イギリス製濾過器」、ヘミングウェイ「殺人者」、
コール夫妻「窓のふくろう」、レドマン「完全犯罪」、バークリー「偶然の審判」
の1920年代の作品10編を収録した。

以下、ネタバレあり。





馬鹿馬鹿しい一言かもしれませんが、本当にどれも傑作です。
「三死人」は、動機、いわばハウダニットに焦点をあてた傑作。
名探偵デュヴィーンはあくまで三人の性格のみを知った上での推理、と付け加えますが、
これがまた実に見事な推理。

クリスティの「夜鶯荘」も初読。
知り合ってすぐに結婚した男女。
夫のちょっとした言動や、ひょんなことから知る夫の嘘、そして鍵のかかった引き出しに
入っていた新聞記事から、夫が自分を殺そうとしているのでは?と疑心暗鬼に陥り、
それから反抗していくまでが一気に語られます。
ラストまで読むと、怖いのは夫なのか妻なのか中々わからなくなる作品。
夫も意外と小心者なのではないかとちょっと思ってしまった(笑

「茶の葉」はもう言わずもがな、ミステリ好きなら即気付くトリックでしょう。
しかし、茶の葉がどう関係するのかと、法廷で真実を暴くという場面が良い。

「窓のふくろう」は密室を扱った殺人事件なのですが、
実の所犯人はもうあからさまなのです。
ただし、この表題が一番ミステリアスというか、中々凝っているなあと感じます。

「完全犯罪」は「推理小説で終わる推理小説」と評された作品。
名探偵=名犯人という構図をそのままミステリとした稀な作品。
あ、しかし名探偵ではないからこそ、この犯罪が生まれたというのは
また皮肉です。

すでに4巻も刊行されました。こちらも楽しみです。



世界推理短編傑作集3【新版】 (創元推理文庫)

世界推理短編傑作集3【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/12/20
  • メディア: 文庫



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カササギ殺人事件 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を読み進めた
編集者のわたしは激怒する。こんなに腹立たしいことってある??著者は何を考えているの?
著者に連絡がとれずに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想だにしない事態だった――。
クラシカルな犯人当てミステリと英国の出版業界ミステリが交錯し、とてつもない仕掛けが炸裂する!
夢中になって読むこと間違いなし、これぞミステリの面白さの原点!

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。
鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、
あるいは……。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。
消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理は――。
現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠アガサ・クリスティへの愛に満ちた
完璧なるオマージュ作品!

作中作である「カササギ殺人事件」は実に見事な作品です。
名探偵アティカス・ピュントはホームズでも、ポワロでもない、別のタイプの名探偵ですが、
サクスビー・オン・エイヴォンという片田舎、准男爵が住むパイ屋敷、
開発計画が進む村の森・ディングル・デル、噂好きの家政婦の死etc・・・
これでもかと、確かにクリスティへのオマージュに満ちあふれています。
そしてこれがまたおもしろい。
ピュントは村の人々それぞれに話を聞き、そしてその話を聞く一方で
住民たちの顔もまた見えてくるのです。
牧師夫婦の行動、老医師の遺した言葉、追放された准男爵の妹。
登場する人物なにやら謎めいていて、それでいて魅力的なのです。

ポワロでもない、と書きましたが、実のところ捜査方法や着眼点などは結構似ている
気がしました。
下巻のかなり後になり、ようやくピュントから真相が語られるのですが、
家政婦の残した日記の真の意味や、暖炉の燃え滓と手紙、この2つが事件の真相を明らかにする
決定的なものであることをピュントが見抜く所は思わず唸りました。

この作中作「カササギ殺人事件」は、確かにこれは昨年度No.1というのは頷けます。
元々作者であるアンソニー・ホロヴィッツ作品は、シャーロック・ホームズの正当な続編で
ある『絹の家』を読んだ経験がありますが、あれはホームズものにする必然性は
感じませんでしたね。ミステリとしての出来云々よりホームズ譚かどうか、が
かなりウエイトを占めていたので、あまり好きではありませんでした。

しかし、本書は作中作で言えば、非常に楽しめました。
一方で、本作で描かれるまさに現代の事件、つまりカササギ殺人事件を書いたアラン・コンウェイ
の死に隠された真相は、うーんという感じ。
アランがピュントシリーズに隠したメッセージそのものは、中々面白いとは思います。
余談ですが、日本語だとネットでしか見ない言葉なのですけど、原文は何なんでしょう?

しかし、アランを殺した犯人の動機がそこにあったとしても、ちょっと納得できないかなあ。
しかも、真相が明るみにでても犯人を庇うような言動があったというのもどうかと。

このメッセージが出たところで、そこまで売上に影響が出るのだろうかと?でしたが、
結果的に物語内でも、ほとんど影響しなかったと語られているので、何のための
殺人だったのかと。
しかし、ある意味、物語上の殺人事件と、現実で起こる殺人事件の落差を描いている、
とも読めるので、そう考えるとそこまで悪くないかもしれないですね。

本書には数多くのオマージュ、パスティーシュがふんだんに盛り込まれているようなので、
それらを知っている方は、さらに楽しめるのではないかと思います。
いずれにせよ、アラン著の「カササギ殺人事件」はオススメです(笑


カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 文庫



カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 文庫



カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: Kindle版



カササギ殺人事件 下 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件 下 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: Kindle版



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ぼくのこのミス2018 [ミステリ]

今年もあと1日となりました。
年末恒例(?)の、今年読んだミステリのオススメをご紹介。

泡坂妻夫「花嫁のさけび」「奇跡の男」

復刊が続く泡坂妻夫先生の作品からは2作。

前者はここまでやるか、というまでの完璧なる叙述トリック。
「迷蝶の島」「妖怪S79号」と続いた河出書房新社からの復刊の中では一番のオススメ。

後者は完全に河出書房新社復刊を狙いにきた一作(笑
表題作は御大デビュー作かつ亜愛一郎初登場の「DL2号機事件」を思い起こさせます。



花嫁のさけび (河出文庫)

花嫁のさけび (河出文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/11/07
  • メディア: 文庫



花嫁のさけび (河出文庫)

花嫁のさけび (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/11/07
  • メディア: Kindle版



奇跡の男 (徳間文庫)

奇跡の男 (徳間文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/05/02
  • メディア: 文庫



奇跡の男 (光文社文庫)

奇跡の男 (光文社文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1991/02/20
  • メディア: Kindle版



復刊つながりで、「夜の終わる時/熱い死角」
郷原部長刑事シリーズで終了していた結城昌治先生作品でしたが、
ちくま文庫からの復刊で、新たな楽しみが増えました。


夜の終る時/熱い死角 (ちくま文庫)

夜の終る時/熱い死角 (ちくま文庫)

  • 作者: 結城 昌治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/04/10
  • メディア: 文庫




今年はなんといってもヘレン・マクロイ作品は外せません。
「逃げる幻」と「牧神の影」
前者は圧巻。盲点を突いた作品でもあり、必読ではないかと思います。
後者はこの邦題が実に良い。暗号そのものは難解過ぎますが、物語にどんどん引き込まれます。


牧神の影 (ちくま文庫)

牧神の影 (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/06/08
  • メディア: 文庫



逃げる幻 (創元推理文庫)

逃げる幻 (創元推理文庫)

  • 作者: ヘレン・マクロイ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/08/21
  • メディア: 文庫



若竹七海「錆びた滑車」
改めて書くことはありません。
ちょっとした変化球をつけるなら、小林(元)警部補とまた共演してほしいなあ。


錆びた滑車 (文春文庫)

錆びた滑車 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: 文庫



錆びた滑車 葉村晶シリーズ (文春文庫)

錆びた滑車 葉村晶シリーズ (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: Kindle版



いやあ、実のところかなりの本は越年です。
また来年、たくさんのミステリに出会えることを期待します。

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世界推理短編傑作集 2 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。
本書はそれらの傑作集の中から、編者の愛読する珠玉の名作を厳選して全5巻に収録し、
併せて19世紀半ばから1950年代に至るまでの短編推理小説の歴史的展望を読者に提供する。
本巻には、“奇妙な味”の短編「放心家組合」をはじめ、英米以外の作家であるグロラー、
ルブランの作品などを収録した。


以下ややネタバレ。



本作最大の個人的オススメはルブランの「赤い絹の肩かけ」
これまた恥ずかしながら、ルブランのルパンシリーズは小学生の頃に読んだ記憶があるくらいで、
実質初読と言ってよいです。
ルパンが怪盗だけでなく、名探偵としても活躍する本編は見事の一言。
推理の過程はあのシャーロック・ホームズを彷彿とさせますし、
そして、なぜ彼がこんな推理をガニマール警部へしたのかという最大の謎が
最後に明かされますが、これこそ怪盗ルパンの面目躍如ではないでしょうか。
短編集を読みたくなりました。

奇妙な味に区分されている「放心家組合」は良く出来た作品ではあると思います。
最初依頼されていた事件ではなく、全く別の犯罪を暴き出すという筋立てはかなりおもしろい。
そして、邦題の「放心家」というのがどこに登場するのか、
これが実に皮肉が効いていて絶妙。何を、放心しているのか。実にうまい。
そしてこんなところに目を付ける集団も頭が良い。

とはいえ、最後は事実上名探偵は敗北してしまうのが個人的には残念でしたね。
むろん名探偵短編集ではないので、必ずしも探偵が勝利するわけではないのですが、
2の一発目がこれというのがうまい構成なのか、個人的にひっかかりました。

科学者探偵の代表格たるゾーンダイク博士が、まさにその科学を駆使する
「オスカー・ブロズキー事件」は、これもあまり受け付けなかったですね。

比較するのも相当失礼なのですが、
サスペンスドラマとかで刑事の勘で捜査する部長刑事と、It(PC)を駆使するバディコンビという
ステレオタイプ的なドラマがかなーりありましたが、
ここまで科学を強調されると、ITをやたら強調しまくるこのドラマを思い出してしまいました。

ブラウン神父の「奇妙な足音」はもはや何も言うまでもなく、ブラウンものの中でも
1、2を争う傑作ではないでしょうか。

今月は3が刊行されます。その前にカササギ殺人事件かな?


世界推理短編傑作集2【新版】 (創元推理文庫)

世界推理短編傑作集2【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 文庫



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このミステリがすごい!2019年版&2019本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

いよいよこの時期がやってきました。
今年はこの2冊を購入。

『このミス』は原寮さんの『それまでの明日』が第1位。
去年の竹本健治さんの『涙香迷宮』に続き、ベテラン・大御所の受賞となりました。

葉村晶強し!『錆びた滑車』は第3位。
ハードボイルド&本格ミステリの路線、そして不幸な探偵をこれからもお願いします。

東野圭吾さんの『沈黙のパレード』はガリレオシリーズ最新作で、かなり高評価なので、
文庫化したら買う予定。

『本格ミステリ』の方では、大山誠一郎さんの『アリバイ崩し承ります』が第1位。
大山さんといえば、『アルファベット・パズラーズ』、『密室蒐集家』などを
私も愛読しております。こちらも文庫化したら購入予定。

そして有栖川有栖さんも安定の第6位。久々の国名シリーズですね。
綾辻行人さんや法月綸太郎さんなどのお名前が無いのが少々残念です。

ベスト10圏外ですが、小林泰三さんの『ドロシイ殺し』は
『アリス殺し』から始まる3作目。早く前2作を文庫化してくれ!

私の隠し玉では倉知淳さんがついに猫丸を一冊書きたいと述べておられて、
かなり楽しみです。

双方で海外ミステリで第1位を獲得した『カササギ殺人事件』は手元にあるものの、
未読。これは年内に読みたいですね。


それまでの明日

それまでの明日

  • 作者: 原 りょう
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本



アリバイ崩し承ります

アリバイ崩し承ります

  • 作者: 大山 誠一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2018/09/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



錆びた滑車 (文春文庫)

錆びた滑車 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: 文庫



沈黙のパレード

沈黙のパレード

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/10/11
  • メディア: 単行本



ドロシイ殺し (創元クライム・クラブ)

ドロシイ殺し (創元クライム・クラブ)

  • 作者: 小林 泰三
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/04/28
  • メディア: 単行本



カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 文庫



カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 文庫



このミステリーがすごい! 2019年版

このミステリーがすごい! 2019年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 単行本



2019本格ミステリ・ベスト10

2019本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2018/12/06
  • メディア: 単行本



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世界推理短編傑作集 1 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。
本書はそれらの傑作集の中から、編者の愛読する珠玉の名作を厳選して全五巻に収録し、
併せて19世紀否ばから1950年代に至るまでの短編推理小説の歴史的展望を読者に提供する。
本巻には推理小説の祖といわれるポオから、ドイルを経て20世紀初頭のフットレルまでを収め、
最初期の半世紀を俯瞰する。

そもそも旧版を未読(絶版?)というミステリ好きなのに申し訳ありません。
新版では誰もが知るポオの「盗まれた手紙」とドイルの「赤毛組合」が新たに収録されています。
新潮文庫などでポオの作品は復刊していますし、ドイルはどの出版社でも読めますが、
確かに解説の「画竜点睛を欠く」というのは一理ある。
ミステリをあまり読んだことのない人が本書を手に取るとはあまり思えませんが、
そういう人たちにはこの2作品は良いかもしれません。

江戸川乱歩は奇妙な味に重きを置く作品として「赤毛組合」を挙げていますが、
(謎の構成に重きを置くには「唇のねじれた男」)
まさに正鵠を得るとやはり感じます。このトリック(というか設定でしょうか)は
実に見事だし、読者を物語に一気に惹き込みます。

収録作では、隅の老人が活躍する「ダブリン事件」、<思考機械>の異名を持つ
ヴァン・ドゥーゼン教授の本格密室推理「十三独房の問題」
キャサリン・グレーンの「医師とその妻と時計」が印象に残りました。

隅の老人は恥ずかしながら初読ですが、ずいぶん饒舌だなあという第一印象(笑
ある会話から犯人を導き出すのですが、言われてみれば!と感心しました。
しかし、老人は裁判を傍聴に行っているんですよね。
これは安楽椅子探偵になるのかとちょっと思いました。

「十三独房の問題」はあまりにも見事すぎる作品。
完全密室を思考機械のドゥーゼン教授がいかに脱出するのか。読み応え充分です。

「医師とその妻と時計」はハウダニットの先駆的作品ではないでしょうか。
盲目の医師、そしてその妻の感情が非常に繊細かつ詳細に描かれており、
登場人物は少ないながらも、物語に惹き込まれました。

第2巻もそろそろ読み始めます。



世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫)

世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/07/12
  • メディア: 文庫



世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)

世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)

  • 作者: ウイルキー・コリンズ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1960/07/24
  • メディア: 文庫



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悪意の夜 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

夫を事故で喪ったアリスは、亡夫の書斎でミス・ラッシュという知らない女性の名が
書かれた封筒を見つける。そこへ息子のマルコムが、美女を伴い帰宅した。
美女の名前はラッシュ……女性が去ったのち、封筒も消えていた。彼女は何者で、
息子に近づいた目的、夫の死との関連は? アリスの疑惑と緊張が深まるなか、ついに殺人が……。
迫真のサスペンスにして名探偵による謎解きミステリでもある、ウィリング博士もの最後の未訳長編。

マクロイという作家は序盤の叙述で、読者を物語に惹き込むのが抜群に上手いと思います。
本書も、夫が遺した封筒、書かれていた女性の名前、息子のガールフレンド、
そして「彼女は私の娘ではない」というミス・ラッシュの父親の発言等々・・・
主人公のアリスがパニックになるのは必然ですね。

この辺りは前回読んだ「牧神の影」にプロットが似ています。
序盤の展開、容疑者の少なさ、夫(伯父)が最後にしていた仕事・・・

ただし、「牧神」と違うのは、ウィリング博士が登場するのと、物語の終幕でしょうか。
個人的にはもう少しミス・ラッシュには見せ場を与えて欲しかったなと思います。
その辺りの話が夫の手記(封筒に入っていた書類)で明らかにされますが、
もう少し彼女に語らせても良かったなあと。

ウィリング博士の最後のセリフ「それでいいのです」が印象的でした。




悪意の夜 (創元推理文庫)

悪意の夜 (創元推理文庫)

  • 作者: ヘレン・マクロイ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/08/22
  • メディア: 文庫



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逃げる幻 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

家出を繰り返す少年が、開けた荒野の真ん中から消えた―
ハイランド地方を訪れたダンバー大尉が聞かされたのは、そんな不可解な話だった。
その夜、当の少年を偶然見つけたダンバーは、彼が何かを異様に恐れていることに気づく。
そして二日後、少年の家庭教師が殺される―スコットランドを舞台に、
名探偵ウィリング博士が人間消失と密室殺人が彩る事件に挑む傑作本格ミステリ。

ついに創元推理文庫のウィリング博士シリーズにも手を出しました(笑
先月に『悪意の夜』が出たので、それ以前に刊行されたものをと思い、まずは本書を。

少年の消失、そしてその後起こる殺人事件の密室。これらは実のところ
そこまで大きな問題ではありません。

本書のすごさは、少年がなぜ家出を繰り返すのか?途中明かされるダンバー大尉の真の目的。
本書が書かれた第二次世界大戦直後という戦争の傷跡と極めて深く関連させ、
それでいて、実は最初から叙述の中に犯人を当てられる要素をちりばめていること。

そしてそれを隠すかのように、舞台とされたスコットランドのハイランド地方に伝わる
様々な言い伝え。これが実にミスリードに繋がっていて、かつ物語のおどろおどろしさを
醸し出す絶好の舞台となっています。

ウィリング博士は本当に本当に終盤にしか登場しません。
それでいて、読者へのヒントをダンバーに話す形で一つ一つ丁寧に看破していくのは圧巻。
ただし、登場が遅いためか、ウィリング博士シリーズにしなくても良かった気もするという。

『悪意の夜』も楽しみです。


逃げる幻 (創元推理文庫)

逃げる幻 (創元推理文庫)

  • 作者: ヘレン・マクロイ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2014/08/21
  • メディア: 文庫



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落ちる/黒い木の葉 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

過度な自己破壊衝動を持つ男は最愛の妻を得ることで生きる意味を見出したかに思えたが、
主治医の男と妻の関係に疑念を抱く(「落ちる」)。うだつの上がらない万年平行員の宿直当番中に
銃を持った強盗が現れた。その意外な顛末とは?(「ある脅迫」)。
サスペンスからユーモア、本格推理、叙情豊かな青春までバラエティに富む昭和ミステリの傑作短篇集。単行本未収録作「砂丘にて」収録。

本書はちくま文庫から刊行が続いている、日下三蔵氏編による結城昌治氏、仁木悦子氏などの
名短編集に続くシリーズ。
失礼ながら私は多岐川恭氏を全く知らず、本書を購入して初めて知りました。

まず冒頭の「落ちる」から驚かされます。
強い自己破壊衝動を持つ主人公は、妻・佐久子と度々来訪する医師・長峰の仲を疑い
続けているものの、長峰のある告白から始まる彼のデパートでの行動には驚愕。
係員に告げる最期の台詞も印象的。

「ヒーローの死」は自らが「ヒーロー」であることにこだわり続けた、悲しい男の物語。
「ある脅迫」は、誰が脅迫者になるのか、その後の脅迫の内容まで、そして脅迫の仕方までも
中池又吉の描かれる&想像する性格から鑑みて、相当おもしろい作品です。
笑い話にまで持っていった次長の力量は見事ですが、詰めが甘かったですね。

「黒い木の葉」は青春小説でありながら、少女の死をめぐる謎を解くミステリでもあります。
少年と少女だけでなく、少女の母親と少年の父親である画家の両者の「青春」を
振り返る物語にもなっている、と感じました。

「砂丘にて」は今でいうどんでん返しのミステリ。「その五」から始まる日下の語りは必読。

他にも自殺願望を持つ者たちの中に、自らをどん底に突き落とした男を招いた「俺は死なない」
一人の女性をめぐって争う「ライバル」等々・・・書いていくときりがありません。

これを期に多岐川恭先生の作品群が復刊していくことを望みます。


落ちる/黒い木の葉 (ちくま文庫)

落ちる/黒い木の葉 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/07/06
  • メディア: 文庫



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牧神の影 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

深夜、電話の音でアリスンは目が覚めた。それは伯父フェリックスの急死を知らせる内線電話だった。
死因は心臓発作とされたが、翌朝訪れた陸軍情報部の大佐は、伯父が軍のために戦地用暗号
を開発していたと言う。その後、人里離れた山中のコテージで一人暮しを始めたアリスンの周囲で
次々に怪しい出来事が…。暗号の謎とサスペンスが融合したマクロイ円熟期の傑作。

ヘレン・マクロイ、久しぶりです。
なんといってもちくま文庫からの刊行でしか、今のところ読んでいないので・・・
(そのうち創元推理文庫も読み始めるかもしれませんが)
「二人のウィリング」に続く2作目になります。

本作は原題が「Panic」なのですが、これを「牧神の影」と邦訳したのはお見事。
主人公のアリスンが、山深い、人里離れたコテージで過ごす描写と相俟って、
物語に読み手をどんどん引きずり込みます。

本書は暗号小説としては一級品ですが、この暗号を解読しようと試みた読者は
どのくらいいるでしょうか(苦笑
一方で、アリスンに忍び寄る人物は、当初は暗号が目的かと思われるのですが、
途中から、伯父の死=他殺という事を隠すために近づいているという、
物語当初から見えていた事実が、物語途中でアリスンの眼前に現れるというのも
とてもおもしろかったです。

そして暗号を説く謎が番犬にもならないというアルゴスの存在も非常に大きい。
訳者あとがきにもありますが、実はアルゴス、番犬の役割をこなしてます。
この記述が実に巧妙なため、犯人の存在をうまくごまかしているのです。

ベイジル・ウィリング博士は登場しませんが、充分楽しめる傑作。オススメです。


牧神の影 (ちくま文庫)

牧神の影 (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/06/08
  • メディア: 文庫



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ぼくのこのミス2017 [ミステリ]

今年も大晦日になりました。
2017年に読んだ私なりの「このミス」を。

周木律「眼球堂の殺人~The Book~」
 館シリーズ、S&Mシリーズの系譜を継ぐ、堂シリーズ。
 完結まで目が離せません。

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: Kindle版



大倉崇裕「蜂に魅かれた容疑者」
 警視庁生き物係、久しぶりの文庫化。
 ドラマ化もされましたし、今後も活躍の期待大。

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: 文庫



蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/13
  • メディア: Kindle版



青柳碧人「ウサギの天使が呼んでいる」
 シリーズ化への期待大。
 ホームズ&ワトソンの正当を継ぎつつ、稼業に絡めたお話も良い。

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる (ほしがり探偵ユリオ) (創元推理文庫)

  • 作者: 青柳 碧人
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/21
  • メディア: 文庫



ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/22
  • メディア: Kindle版


皆様、良いお年をおむかえください。
今年もありがとうございました。


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このミステリがすごい!2018年版&2018本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

毎年恒例のシリーズ。
さらに「ミステリが読みたい!2018年版」も購入しています。

本格ミステリ・ベスト10では三世代座談会と称し、
法月綸太郎さん、三津田信三さん、青崎有吾さんの三者対談が掲載されています。
これは必読かも。

また大倉崇裕さんのインタビューも掲載されており、ドラマ化された「いきもの係」等の
お話も読めて満足。

「ミステリが読みたい」には今話題の「オリエント急行殺人事件」が小特集されていて、
それ目当てに購入したという動機もあります。
しかしまあ、映像化ではスーシェ版を超えるのは難しいでしょう。
あれこそ最高傑作では。

さてこの三紙でこのミスと本格は第1位は「屍人荘の殺人」ですが、
ミステリが読みたいでは「機能警察」が第1位で、なんと「屍人荘」はベスト10にも
入ってません。
中々興味深いランキングですね。購読者層が違うのか、そもそも「本格」や「ミステリ」
というものの捉え方が違うのかもしれませんね。
「屍人荘」は文庫化したら買おう。

倉知淳さんの近況報告(「本格ミステリ」)内でついに猫丸先輩の新作が来年
刊行予定とのこと!楽しみです。


このミステリーがすごい! 2018年版

このミステリーがすごい! 2018年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 単行本



2018本格ミステリ・ベスト10

2018本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: 単行本



ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2018年 01 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 雑誌



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屋上の名探偵 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

最愛の姉の水着が盗まれた事件に、怒りのあまり首を突っ込んだおれ。残された上履きから割り出した容疑者には完璧なアリバイがあった。困ったおれは、昼休みには屋上にいるという、名探偵の誉れ高い蜜柑花子を頼ることに。東京から来た黒縁眼鏡におさげ髪の転校生。無口な彼女が見事な推理で瞬く間に犯人の名を挙げる! 鮎川賞作家が爽やかに描く連作ミステリ。文庫オリジナル。

筆者には鮎川哲也賞を受賞した『名探偵の証明』から始める「名探偵」シリーズが
ありますが、シリーズ名探偵が蜜柑花子。
本作は彼女の高校時代の物語、ということなのでしょうか。

本作愁眉は「人体バニッシュ」、人間消失モノです。
急に消えた室先輩。鍵はPC部が握っているようなのですが、
このトリックとPC部の繋がりはまず出てこないだろうなあ。

主人公のシスコンぶりがひどいのがかなり読みにくくしていて、
それでいて、姉との関係性は、語る場面はあるものの、本作では明らかにされず。

主人公と名探偵も関係もあからさまなのだけど、主人公は気付かず、
結局こっちも何の進展もなく終わり。

という感じで、各短編自体は面白いと思いますが、
連作かつ学園モノとしてみると、かなりの消化不良。
(「名探偵」シリーズと何か関連があるのかは、そちら未読なのでわかりませんが)

作品内で時間も経過しているため、続編も考えにくく、
伏線回収もできなそうですしねえ。

ただ、今後「名探偵」シリーズが文庫化されたら、
本作既読済みだと、蜜柑花子に感情移入はしやすいかも。


屋上の名探偵 (創元推理文庫)

屋上の名探偵 (創元推理文庫)

  • 作者: 市川 哲也
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: 文庫



屋上の名探偵 (創元推理文庫)

屋上の名探偵 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: Kindle版



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ランチ探偵 容疑者のレシピ [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

大仏ホームのOL・麗子は「トラブルが起こっている」の一言で、
ランチの外食を渋る同僚・ゆいかを誘い出すことに成功。
訪れた洋食店には、呪われた社宅に住んでいると悩む男性が…
(「その部屋ではなにも起こらない」)。
閉ざされた美容室での盗難、命を狙われるペットなど、
合コン相手が持ち込む謎にOLコンビが挑む全5話。好評シリーズ第2弾。

合コン相手の風貌よりも、彼らが持ち込む謎に惹かれるOL天野ゆいかと
合コンはしているものの、中々相手がみつからない阿久津麗子コンビ
が送る第2弾。

本書では彼らの上司が異動したり、ゆいか自身にも辞令が
降りたりと、物語に大きな変化が見られます。

所収されている5編のうち、オススメは「密室における十人の容疑者」
美容室という密室で、誰がスマホを移動させることができたのか。
血なまぐさい殺人事件とは違いますが、見事な密室で、
ゆいかが解き明かした構図も見事です。

タイトル的には「小日向家の犬はなぜ狙われる」も本歌取りが
上手くて好きですね。
依頼人が必ずしも全てを話しているとは限らない所まで見抜く
ゆいかもさすがです。

ラストでは再びこのコンビが本社に揃いますが、次作も期待したいです。


ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

  • 作者: 水生大海
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/12/03
  • メディア: 文庫



ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/12/03
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2016 [ミステリ]

今年最後の更新です。
1月から12月まで、私が読んだミステリで
印象に残ったものを。

東川篤哉「私の嫌いな探偵」
やはり東川さんといえば、烏賊川市シリーズ。
ギャグと本格ミステリの融合も実にうまくできています。
久しぶりのシリーズ文庫化でよかった。


私の嫌いな探偵 (光文社文庫)

私の嫌いな探偵 (光文社文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/12/08
  • メディア: 文庫



私の嫌いな探偵 烏賊川市シリーズ (光文社文庫)

私の嫌いな探偵 烏賊川市シリーズ (光文社文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/12/20
  • メディア: Kindle版




北森鴻「天鬼越-蓮丈那智フィールドファイルⅤー」
シリーズ最終作。できれば浅野里沙子先生の手で、
続けてほしいなあ。


天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV (新潮文庫)

天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV (新潮文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/27
  • メディア: 文庫



天鬼越―蓮丈那智フィールドファイルV―(新潮文庫)

天鬼越―蓮丈那智フィールドファイルV―(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/04/01
  • メディア: Kindle版



ヘレン・マクロイ「二人のウィリング」
今年一番の収穫。シリーズ作品はまだまだありますので、
これからも読むのが楽しみです。


二人のウィリング (ちくま文庫)

二人のウィリング (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 文庫



若竹七海「静かな炎天」
葉村晶が不惑を迎え、再び探偵稼業を再開した第2弾。
相変わらず不運に見舞われる彼女も見物ですが、
年例から来る衰えも、なんだか人ごとじゃなくなってきて、共感してしまうなあ・・・


静かな炎天 (文春文庫)

静かな炎天 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: 文庫



静かな炎天 (文春文庫)

静かな炎天 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: Kindle版



麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」
「こうもり」の衝撃、再び。
各話のタイトルに秘められた「謎」も魅力的です。


貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 文庫



貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: Kindle版



赤川次郎「華麗なる探偵たち-第九号棟の仲間たち-」
まず本シリーズが復刊したことがとてもうれしいです。
こんなにもおもしろい作品がまだあったのかという驚きと
楽しみで、来年刊行作も早く読みたい。


華麗なる探偵たち: 第九号棟の仲間たち1 〈新装版〉 (徳間文庫)

華麗なる探偵たち: 第九号棟の仲間たち1 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: 文庫



第九号棟の仲間たち1 華麗なる探偵たち 〈新装版〉 (徳間文庫)

第九号棟の仲間たち1 華麗なる探偵たち 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: Kindle版



皆様、よいお年をお迎え下さい。


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このミステリーがすごい!2017年版&2017本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

今年もこの時期が来ました。
例年同様、今年も2冊とも購入。

私が取り上げるのは、やはり自分が読んだ本で。

若竹七海『静かな炎天』はこのミスで第2位、本格で第18位
平石貴樹『松谷警部と向島の血』はこのミスで第22位、本格で第9位。

基本文庫化したものしか読まない私としてはうれしい限り。
一方で、文庫作品がランクインするというのは、
いわゆる「いきなり文庫化」というのが、かなり広まってきたからでしょうか。

やや穿ってみれば、単行本があまり売れなくなってきたため、
初めから文庫で販売という形式が増えてきたのかもしれません。

海外編ではこれまた2作。
『ルーフォック・オルメスの冒険』は、フランス版ホームズ・パスティーシュ(パロディ)
幕開きの事件からカツラが登場するというぶっ飛んだ作品で、
笑いすぎ注意。未読な方はぜひ。

『二人のウィリング』も見事ランクイン。
しかし60年以上前の作品が今になってランクインとはすごいことですね。
再評価された作品(作家)ということでしょうか。

『ささやく真実』も読みたいのですが、なんで版元が違うのか。
各作品ごとで版権が違うのでしょうけど、個人的には同じとこで
出版してほしいなあ。

本格ミステリベスト10ではベスト・オブ・ベスト10が掲載。
『星降り山荘の殺人』がランクインとは。
これは僕はノベルズで購入しました。当時相当驚いたなあ。

来年もおもしろい良作に出会えることを祈ります。



このミステリーがすごい! 2017年版

このミステリーがすごい! 2017年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/12/10
  • メディア: 単行本



2017本格ミステリ・ベスト10

2017本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2016/12/05
  • メディア: 単行本



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大癋見警部の事件簿 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

この男、警視庁捜査一課の係長なのに、事件を解決する気、まったくなし!
思いつきで部下をこき使い、暴言と居眠り三昧。
それでいてなぜか検挙率100%の大癋見(おおべしみ)警部。下ネタ大好き、
ブルドッグのような容姿の「警視庁最悪の警部」が、“本格ミステリーのお約束”を薙ぎ倒し、
踏み躙りながら難事件を次々解決!?
著者のミステリーへの愛と造詣に満ち溢れた抱腹絶倒の連作集!

本格ミステリへのメタといえば、個人的にはその頂点には
東野圭吾さんの『名探偵の掟』があると思っています。

本作は上記『掟』とは違う、というか、chapter1「国連施設の殺人」を
読むとすぐわかります(笑
というか、この話は本当に驚いた。解決する気が無い。
と思っていたら、後の事件で解決されたことが明らかにされるんですよね。

個人的に本格の常識をある意味打ち破ったのは
次の「耶蘇生誕節の殺人」と「現場の見取り図」

前者は犯行日時が絶対である以上、どこにトリックがあるのかを
考える作品ですが、これは驚愕した。
日本でも江戸時代と明治時代とか考えるとよくわかる。

後者のトリックは見た事がない(笑
というか、完全に逆手に取ってますよね、見取り図を。

「宇宙航空研究開発機構(JAXA)での殺人」は
JAXAならではのトリックが使われています。これも見事。

ちなみこれ、リターンズと題してなんと続編も出ました。
早く文庫化希望!



大癋見警部の事件簿 (光文社文庫)

大癋見警部の事件簿 (光文社文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/10/12
  • メディア: 文庫



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ランチ探偵 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

大仏ホーム経理部のOL・阿久津麗子は、
同僚の天野ゆいかを誘ってランチ合コンへ。
恋人に振られたばかりでいい出会いを求める麗子だが、
なぜか男性陣から持ち込まれる話題は、
犯人探しや暗号解読ばかり。
深夜に動くエレベーター、金曜日に大量の弁当を
購入する美女、ストーカー事件の真犯人、
失踪した新婦が残したメッセージ、アパートの窓に日替わりで
現れる動物、消えた結婚指輪。
ミステリマニアのゆいかは、それらの「謎」に興味を示し……。
オフィス街の怪事件に安楽椅子探偵のニューヒロイン・天野ゆいかが挑む!

アームチェア・ディテクティブには数々あれど、
仕事の合間のランチ、しかも合コン中に謎を解くというのは
かなりの難技!
しかしそれをやってのけるのが本作ヒロイン。天野ゆいか。

オススメは日替わりで現れる動物「「窓の向こうの動物園」
結末がほっとします。

相棒の阿久津麗子は合コンするも、中々良い人には
巡り会わないようです。
ゆいかの方がこれだけ良い「謎」に巡り会えているのに・・・(苦笑

すでに次作もあるとのこと。楽しみです。


ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 水生大海
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 文庫



ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

ランチ探偵 (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: Kindle版



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いつもが消えた日-お蔦さんの神楽坂日記 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

中学三年生の滝本望は祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。
芸者時代の名前でお蔦さんと呼ばれる祖母は、粋で気が強く、ご近所衆から頼られる人気者だ。
後輩の有斗が望の幼なじみとともに滝本家へ遊びに訪れた夜、
息子ひとり残して有斗の家族は姿を消していた―。
神楽坂で起きた事件にお蔦さんが立ち上がる!粋と人情、
望が作る美味しい料理が堪能できるシリーズ第二弾。

シリーズ第二弾。
まず驚いたのが、長編だったこと。
前作同様、連作短編集と思ったのですが、これは予想外。

前作同様に楽しめるのは、望が作る様々な料理の数々。
学校行きながら、美術部入っていて、毎日よく作れるよなあ(笑

今回は楓との話はほとんど登場しません。
神楽坂という「街」の持つ、優しさを描いた作品ではないでしょうか。
ただそれも、お蔦さんのこれまでの経験がモノを言うからですねえ。

事件自体は殺人事件が起きる、これも「日常の謎」シリーズかと
思いきやの予想外をかましてくれますが、物語の本質は、
事件そのものよりも、上記述べた神楽坂の「街」がメインなのだと
やはり(個人的には)思いました。

その意味では、やはり神楽坂を舞台に、「日常の謎」が
本作で読んでみたいなあと思います。


いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

いつもが消えた日 (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

  • 作者: 西條 奈加
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/08/20
  • メディア: 文庫



いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

いつもが消えた日 お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/08/20
  • メディア: Kindle版



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白骨の処女 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

神宮外苑に放置された盗難車両から、青年の変死体が…
その婚約者が大量の血痕を残し謎の失踪…連続殺人?の容疑者には
大阪駅にいたという鉄壁のアリバイが…。
新聞記者が謎の真相を追う…。乱歩も見出した“日本探偵小説”の父、
幻の最高傑作待望の初文庫化。テンポのいい文体はまったく古びていない!

ミステリあれやこれや」さん
をいつも楽しみに拝読させていただいております。
そこで紹介されていたのが本書。
早速購入して私、いやいや小生も拝読しました。

主人公は二人。毎朝新聞の司法記者神尾龍太郎とN新聞社の客員・永田敬二。
自動車盗難事件、青年の変死事件。山津瑛子の失踪事件と次々と起こる事件に、
神尾も永田も全ての事件は一連の関係性があるとし、調査を行いますが、
常に鉄壁のアリバイにぶち当たる探偵役ふたり。
さらに永田までが襲われ・・・

本作はアリバイ崩しがメインを張ってはいますが、核はやはりこの一連の事件の
根源はどこにあるのか?この謎が最大の読み所でしょうか。
犯人を追い詰める神尾の推理には実の所完璧な証拠は無く、
おそらくは神尾だけが隠していた「ある事実」を突きつけた事が
犯人の自白を引き出したのでしょう。

この「ある事実」、読者はおそらく早い段階でわかるのではないかなあと。
私も「あーこれは」と思いました(苦笑

書かれた年が1932年であることを鑑みても、現在にも十分通用する
ミステリでしょう。復刊させた河出書房さんに感謝。


白骨の処女 (河出文庫)

白骨の処女 (河出文庫)

  • 作者: 森下 雨村
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/06/07
  • メディア: 文庫



白骨の処女

白骨の処女

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/06/07
  • メディア: Kindle版



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日曜は憧れの国 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷の
カルチャーセンターの講座を受けることに。
彼女はその料理教室で、同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。
ところが、教室内で盗難が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推理することに。
多感な少女たちが、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む!
気鋭の著者が贈る校外活動青春ミステリ。

暮志田千鶴・先崎桃・神原真紀・三方公子、性格が全く違う4人が
カルチャーセンターで出会い、そしてちょっと不思議な謎に挑んでいく物語。

四人がそれぞれ主人公の話があり、そこでは主人公=探偵ではなく、
彼女たちのこれまで歩んできた(中学生ながら)生き方を
振り返る物語でもあります。

最終話「いきなりは描けない」では各人がそれぞれのポジションで
謎を解いていく大団円的な内容。

個人的には暮志田千鶴の話が好きです。
単なる窃盗事件ではなく、その先の旗手先生の思惑まで推理を
進ませ、それでいて最後はスッキリ終わるところが好きです。

また彼女がいつのまにか自分の母親のようになっていると気付くことや、
一方で、母親がカルチャーセンターを薦めた理由を実はかなり深い理由が
あるのではと考えてしまった自分がいました(笑

もう少し成長した彼女たちもぜひ観たい。


日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 作者: 円居 挽
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: 文庫



日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

【東京創元社無料読本】 〈憧れの国〉へのガイドブック

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/05/21
  • メディア: Kindle版



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二人のウィリング [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、
「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。
驚いたウィリングは男の後を追ってパーティー開催中の家に乗り込むが、
その目の前で殺人事件が…。
被害者は死に際に「鳴く鳥がいなかった」という謎の言葉を残していた。
発端の意外性と謎解きの興味、サスペンス横溢の本格ミステリ。

超がつくほど久しぶりに初めての作家さんの著書を手に取りました。
とはいえ、超がつくほど有名な方ですが。

ヘレン・マクロイ氏は「幽霊の2/3」をかつて読んでみようかと
思ったことがありますが、それっきりとなってました。
ちくま文庫から本書が発売されていて、ふと手に取り購入しました。

本書は導入部分にかなり惹かれました。
「発端の意外性」、言い得て妙。

自分と同じ名前を名乗る男。彼はいったい何者で、
どこに行くのか?ウィリング博士は彼の後を追うことに・・・

突然自らに訪れた不思議な出来事から、
博士は華やかなパーティーと殺人事件に遭遇することに。

集まりに参加していた人々に、それぞれ事情を聞きにまわる
博士。彼彼女が抱えているモノは何か。
パーティーの真の目的とは何か。
被害者の「鳴く鳥がいなかった」の言葉の意味とは・・・

最後のウィリング博士の「パーティー会場」への訪問で
ついに被害者の言葉の意味が明らかとなり、
そこには華やかなパーティーとの対極にあるような陰惨さ。
ここの対比も鮮やかです。

犯人のトリックは実はかなり単純なものなのですが、
これがパーティーの中で、実に巧妙に行われており、
まず気付かない(笑

しかし、この犯行動機(つまりはパーティーの意味)は
予想外の真相で、驚きました。
登場人物、というか容疑者は物語序盤と変わらず。
犯人はなんとなく予想はつくものの、この犯行動機と
パーティーの意味は予想できませんでした。

魅力的な導入から、徐々に明らかになる容疑者たちの背景。
パーティーに隠された謎、予想外の真相と、
ミステリとしての魅力をしっかり詰め込んだ作品。
オススメです。


二人のウィリング (ちくま文庫)

二人のウィリング (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 文庫



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ディスリスペクトの迎撃 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

銀座にある文壇バー『ミューズ』の常連客、大御所ミステリー作家のサンゴ先生こと辻堂珊瑚朗。
彼は不思議な事件について鮮やかに推理する、名探偵でもあった!
ライバル作家が持ち込んだ、チェスセットに仕掛けられた謎を解く「チェスセットの暗号」、
サンゴ先生原作のドラマをめぐって起きた、
奇想天外な“誘拐"の解決に乗り出す「ポー・トースターの誘拐」など、五つの事件を収録。
『ミューズ』のボーイ・了の視点から、サンゴ先生の華麗な活躍を描く、
安楽椅子探偵ミステリー第2弾。

待ってました第2弾!
今回は連作短編集。

サンゴ先生の著作がドラマ化されることとなり、
賀茂Pといかにおもしろくしていくかを話し合うサンゴ先生。
しかし、色々なトラブルが発生し・・・

「ファンサイトの挑戦状」では主人公・了が見事に嵌められてしまいます。
(お店や名前もネットに書き込まれる事態に)
でもこの話はかなり現実に近い話で、
今の時代では普通にあり得る話でしょう。
ただし、本作ではサンゴ先生がネットの挑戦に真正面から挑み、
見事な「推理」でネット住民をあっと言わせるところも読み所です。

「トラブルメーカーの出題」は殺人事件が本格的に絡む事件。
撮影現場で起きた事件、犯人はスタッフの中にいるのか?
了とサンゴ先生の推理が良い。

今回は了がかなり目立っていて、かつそれなりに活躍も
しているなあと思いました。
慣れが出てきたのか、かなり積極的に行動してますね。
第3弾はまたしばらく先ですかねえ・・・


ディスリスペクトの迎撃 (創元推理文庫)

ディスリスペクトの迎撃 (創元推理文庫)

  • 作者: 竹内 真
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/01/21
  • メディア: 文庫



ディスリスペクトの迎撃 :サンゴ先生シリーズ (創元推理文庫)

ディスリスペクトの迎撃 :サンゴ先生シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/01/22
  • メディア: Kindle版



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祟り火の一族 [ミステリ]

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて本年一発目は、昨年読了本から。
まずはAmazonさんの紹介ページから。

殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。
包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった
劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。
舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、
火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる―。精緻に組み立てられた謎と、
驚愕の結末に感嘆必至の長編ミステリー。

十三回忌」以来の名探偵海老原浩一が活躍する物語。
一冊抜かしていたのか・・・

本作も帯でかなり煽ってます。
事件がリアルタイムで起こるのではなく、事件の話を聞き、
一気に解決に持ち込む方式です。
4つだけ聞きたいことがあり、それがわかれば解決と言う海老原は
間違いなく名探偵でしょう。天才型です。

相変わらずこれでもかとトリックを放り込んできているなあという印象。
話が三人称でなく、一人称で語られるのは、あるトリックのためでしょうが、
ここは上手いと感じました。実際読んでいて、おかしくね?と思う箇所、
多かったですし。

お伽話のような怪談が全て合理的に解決できるというのは、見事とは
思うのですが、あまりにその怪談(言い伝え)が多すぎて、少し興ざめしました。
ただ「ヒ素」だけで全てが解決するのか、知識がないのでなんとも言えませんが・・・

それから現代版「犬神家」というのも、言い過ぎ。
というか、確かに狩野家自体や使用人である池ノ井家との因縁などは
それに繋がる所もありますが、物語自体はそんな深くなくて、
やはり、やりすぎなまでに謎を詰め込む方に重点を置いていて、
横溝正史的世界には程遠い気がしますねえ。
バカミスなのかとも思いますが、名探偵の海老原浩一が
十三回忌より良くなってきているので、また文庫化したら
おそらく購入すると思います。


祟り火の一族 (双葉文庫)

祟り火の一族 (双葉文庫)

  • 作者: 小島 正樹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 文庫



祟り火の一族

祟り火の一族

  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2015 [ミステリ]

今年も明日で終わりです。
個人的にはほとんど何もしなかった年でしたねえ・・・
とはいえ、恒例の今年読んだミステリの集大成。

歌野晶午 「密室殺人ゲーム・マニアックス」
密室殺人ゲームシリーズの変化球的作品。
基本骨格を変えず、いかに読者を驚かせるか、
こんな難しいことをやってのけるんですから、本当にすごい。

青崎有吾 「体育館の殺人」
新たなる「館」シリーズとして、今後のシリーズ文庫化も購入確実。
探偵役がなぜ学校に住んでいるのかは明らかにされるのだろうか。

綾辻行人 「奇面館の殺人」
こちらはいよいよラストが見えてきた「館」シリーズ。
改めて本書を読みなおしてみると、いわゆる本格ミステリで
批判の的となる、人物描写(人物の記号化)を
逆に全面に押し出している作品(=登場人物が仮面を付けている)
なんですよね。
仮面を全員が付けていることによって、被害者どころか、容疑者すら
判然としない状況下で、探偵は推理を進めていくのです。
「館」シリーズの、新本格への原点回帰な作品と感じました。

西村京太郎 「発信人は死者」「神話列車殺人事件」
改めて語るまでもないですが、御大の初期作品はどれも素晴らしい。
前者は十津川警部シリーズものなのですが、主人公は別にあり。

西澤保彦 「ぬいぐるみ警部の帰還」
良作かつどれも一筋縄ではいかない短編集。
毎年西澤さんには驚かされる。

麻耶雄嵩 「神様ゲーム」
神様という絶対的存在が探偵役というまさに異色のミステリ。
神様が間違えないとしたら、本作ラストをどう考えるのか?

有栖川有栖 「論理爆弾」
ソラシリーズ第3弾。八つ墓村のオマージュでありながら、
最後の最後で、探偵を全否定したすごい作品(私感)

来年も良いミステリに出会えることを祈念します。


密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫




体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 文庫





奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫



奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫





発信人は死者 (徳間文庫)

発信人は死者 (徳間文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: 文庫



神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

神話列車殺人事件〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/11/02
  • メディア: 文庫




ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/05/11
  • メディア: 文庫




神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: 文庫




論理爆弾 (講談社文庫)

論理爆弾 (講談社文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/09/15
  • メディア: 文庫




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2016本格ミステリ・ベスト10&このミステリーがすごい!2016年版 [ミステリ]

今年ももうこの2冊が発売される時期になってしまいました。
いつのまにか2015年も終わり、特段何もせずに終了だなあ・・・
代わり映えなく、毎年ですが。

今年のランキングでは久しぶりの葉村シリーズ『さよならの手口』
が双方ともにランクイン。
文庫読みの自分としては、すでに読了した本がランクインしているのは
初めてではないかと思います。

倉知淳さんの『片桐大三郎とXYZの悲劇』は購入確実。
これシリーズ化していくエンドになっているのか、
それともドルリー・レーン4部作と同じなのか気になる所です。

「隠し玉」では近藤史恵さんの女清掃人探偵キリコシリーズが最終作を
来年迎えるようです。これは気になる。

二階堂黎人さんのところでは水乃サトルシリーズはなしか・・・

来年もおもしろいミステリが読めることを期待しましょう。


2016本格ミステリ・ベスト10

2016本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: 単行本



このミステリーがすごい! 2016年版

このミステリーがすごい! 2016年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 単行本



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シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち 1 [ミステリ]

Amazonさんの紹介ページから。

『千夜一夜物語』の翻訳でおなじみのリチャード・バートン卿、ゴシック小説の有名な怪物…
さまざまな実在の人物、架空のキャラクターとの遭遇が描かれるホームズ物語の最新コレクション。
モダンホラーもあれば、スチームパンクもある。設定はしばしば突飛だが、
どの作品にもホームズの魂が息づいている。編者のジョージ・マンをはじめ、
マーク・ホダー、マグス・L・ハリデイ、キャヴァン・スコットといった
新進気鋭の作家陣が腕を競うホームズ・パスティーシュの新機軸、その前編。

久しぶりの更新。あまり読書がこのところ捗らず。

ホームズパスティーシュの文庫化はなかなか無いのですが、
書店に偶然発見。

「失われた二十一章」や「対フランケンシュタインの怪物」は
聖典を彷彿とさせる展開で、とても面白く読めました。

「クリスマス・ホテルのハドソン夫人」は異色作ですが、
これが一番オススメですね。すでにホームズは引退し、養蜂生活へ。
時折ワトソンの元へ手紙が送られてくるのですが、
この手紙の中に、ある宝石が・・・
ハドソン夫人が主人公、そして最後にあっといわせる展開があり。
また物語はほぼ全てがハドソン夫人からの書簡で進むところも特徴的。

チャレンジャー教授の元に今は居るという衝撃の事実も明らかになります(笑

本作は前編ということで、後編も楽しみです。


シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1 (扶桑社ミステリー マ 34-1)

シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1 (扶桑社ミステリー マ 34-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2015/09/02
  • メディア: 文庫



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シュロック・ホームズの冒険 [ミステリ]

早川から復刊していたので購入しました。

本作は事件そのものもおもしろいと思いますが、
やはりシュロック・ホームズとワトニィの会話が一番おもしろい。

それとかなり駄洒落や聖典からのオマージュが見受けられるのも特徴の1つ。
英語が出来るなら、より楽しめる作品なのでしょう。

「シュロック・ホームズ最後の事件」はあまりにも衝撃な作品(笑
宿敵マーティ教授のラストもそうですが、ホームズの最期には驚きます。

続編はないんですかねえ。




シュロック・ホームズの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 42-1)

シュロック・ホームズの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 42-1)

  • 作者: ロバート L.フィッシュ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1977/03
  • メディア: 文庫



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